おわり または はじまりの情景
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これはあるひとりの砂ノ術師の悲しみを取り出した砂が見せた幻です。
砂ノ術師は、この悲しみを繰り返さないように――忘れてしまわないように――なんども幻を眺めては「今」があることに感謝したそうです。
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さらさら……
さらさらさら……
小さなガラスの中を砂がこぼれ落ちていきます。
さらさらの細かい砂。細かい細かい砂。粉と見まがうほどに。
さらさら……
さらさらさら……
空から降り注ぐ光がガラスと砂に触れて、きらきらとまばゆい粒を散らします。
光の粒となった砂はさらさらこぼれ落ちる間だけ、幻を映し出します。
それはたしかに幻なのですけれども、かつては幻ではなかったものなのです。
さらさら……
さらさらさら……
小さなガラスの中を細かな砂がこぼれ落ちていきます。
さらさら……
さらさらさら……
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これは、遠い国の物語。遠い昔の物語。さらさらな砂が見せた物語――。
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