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第二話 新たな使命 

この世界の文字のことはアリスに教えてもらった内容をメモしてきた。

メモを頼りに冒険者ギルドを見つけだすことが出来た。

思ったよりでかい建物だな……さっそく中へ入ってみるか。


中はだだっ広い酒場のような部屋になっていた。中央に受付穣が待ち構えている。既に5組ほどのパーティーが受付前に並んでいる

俺もそこへ並ぶことにした。

周りの連中が俺のことを見てヘラヘラしたるのがわかる。それはそうか。服装もこの世界のものではなく向こうの世界のスーツ姿だしな…。

まぁとりあえず目立たず業務を遂行しよう。


「あなた、この辺じゃ見ない格好ね。転生勇者かしら?」


転生勇者って、そんなに何人も居るものなのか…?

列に並んでいたパーティーの女が声をかけてきたが、ここは当り障り無い無難な返答を──


「あ、いや、勇者ではないんです。転生はされましたが……ははは」 

「へぇ~、転生されたのに勇者じゃないってことは、王様に捨てられた野良犬って事かい?あっははは!」

「はは……まぁそんなところです…」


それを聞いた周りの連中からも笑い声が聞こえる。人の不幸は蜜の味というがまさにこの事だろう。今の俺にはそれを見返す明確な何かを持ち合わせていなかった。

今は耐えろ俺。


「パーティーも組まずに凡人勇者が冒険者ギルドに何の用?どうせ相手にされないわよ」

「とりあえず少しでも資金を集めようかと…」

「まぁ雑務仕事は有り余ってるから、適当にこなすと良いわ」


なんだこいつ…良いやつなのか嫌なやつなの良く分からんな。まぁ良い。とりあえずやれることをこなしてアリスに恩返しがしたい。

それだけ考えてやり抜こう。


他の受付が終わり俺の番がきた。


「ようこそ冒険者ギルドへ!受付は始めてですか?」

「はい、今日はギルドの登録と、軽作業で構いませんので何か仕事を頂こうと思い来ました」

「でしたらまず登録の準備を行いますね!受付の裏のゲートに居る案内人に声をかけてください」


言われるがまま案内人に声をかけると、ゲートの奥へ案内された。

中には学生時代に体験した体力測定を行う体育館のような部屋だ

俺を含め4名のギルド登録者が居た。


「ではさっそくギルド登録を行いますね!ここでは様々な身体能力を計測するための装置があり、厳選な検査を行っていただきます。先には注意事項の説明だけ告知しておきます!」

「検査の結果、凡人から変化しない人はギルド登録ができません!」


なるほど…。誰でも登録できるわけではないということか。

大丈夫か?俺は。


第一検査はオークの形をしたパンチングマシンを思い切り殴り、その結果を判定するのだという。


それぞれの登録希望者の判定が出た


【アラン  判定[C]】

【ノノ   判定[D]】

【ミラノ  判定[E]】


俺の番か……ここは手を抜かず全力でいく!


「……ふぅ」

軽く息を吐き、 拳を握る。


バゴォンッ!!!!


え……?ぶっ壊れたんだが…。

周りの登録希望者達がざわつく──


「えーっと…判定結果を集計しております…し、しばらくお待ちくださいね!」


明らかに同様してる案内人…一体どういうことだ…まさか?

ステータス画面を見てみると、俺のステータスの異常事態に気がついた。


【ステータス】


山田太郎 レベル1+10


力【F】+S


魔【F】


体【F】+S


早【F】


【職業】凡人ゴールドマン


【才能】剣術レベル0+10 魔法レベル0


【所持スキル】

《ゴールド·ウェポン[1~]》

《ゴールド装備生成[100~]》


【所持魔法】なし


【特性】

《成金(55)》

《ゴールド·サポート》


力がF+Sになっている。恐らくこれが原因だろう。特性に追加されたゴールド·サポートの恩恵だろうか?


しばらくすると案内人が駆け足で戻ってきた。


「お待たせいたしました!ただいまの記録…」

「判定は[SS]です!!!!!」

「これは…過去に見ないギルド登録者の中でも歴代No.1の記録になります。とんでもない記録が出ましたね!おめでとうございます!」


「こいつ一体何者なんだ!?」

「まさか…伝説の勇者様なの?」


気まずいな……とりあえず登録は問題なさそうで安心はできそうだ。


「冒険者ギルド上層部より、特例免除が出ておりますので、山田太郎さんはここで検査を終了とさせて頂きます!」

「合格ってことですか?」

「あ、いや、その判断を上層部が行うと言うことです。」

(まじかよ……まだ分からないって事か)


俺は案内人に連れられ更に奥のゲート内へ移動することとなった。

案内された先にはギルド長と思わしき上質な鎧を身に纏った方が俺を出迎えてくれた。


「マナ、下がって良いぞ。案内ご苦労」

「はい!デューク様!」


「君のことは調べさせて貰ったよ。山田太郎…王宮にて転生召喚されたものの追放されたと聞くが、これは事実かな?」

「…はい。事実です」

「とりあえずそこのソファへ腰掛けてくれ。気は使わんで良い」

「分かりました」

「どうやら王宮の神官も視野が狭かったようだな。特性《成金》のことは理解しているか?」

「いえ……まだ未確認状態でして」

「そうか。では結論を述べよう」


「俺のギルド[ラグナロク]に参加して魔王討伐の一員になってほしい」

「え……俺がですか??」

「無論、報酬は与えるつもりだ。成金の特性上、所持金貨によって能力が左右されると見ている。ラグナロクに所属すれば成金の特性を最大限活かすこと約束できる」

「それは願ってもない誘いですが…」


デュークが俺を見つめニヤリと笑みをうかべた。


「『何か企んでいるんじゃないか?』とでも言いたげな表情だな」

(この人…できるな)

正直に話してみるか。


「いきなり転生されたと思ったら、心無い王様から閉め出されて、正直この世界に対する信用が有りませんので…。すみません」


「太郎の言うとおりだな。この国の王である[アルバート﹦クラウス]は各国の王の中でも異端の王と言われている」

「王国法で転生による召喚は一月に1度までと定められているが、奴はその法を破り複数回の転生を行っているという」

「そして国王が定めた基準未満の転生者は『失敗勇者』として街に捨てられる」

(なんて奴だ…)


「だがこれだけは言える。この世界の全ての人間が奴と同じではないということだ」

「はい…」

「アリス﹦ヴェレンツェを知っているな?」

「え??」


この人どこまで調べているんだ…。


「彼女は魔王軍討伐隊に所属していた両親の子供だ」

「ほんとうですか?!…その両親は今どこに??」

「それは言えない…。正確には、国家機密事項とされている。」

「だが、我がギルドに所属すればその所在を明かすことは可能だ」


選択の余地は無しだな…。俺には生き残ること以外の目的が無い。だけど、アリスの願いだけは叶えてやりたい。それが今の俺の目標だ。


「分かりました。ギルド[ラグナロク]に所属させてください!」

「よくぞ決断してくれた!少々やり方は荒々しいがそこは許してやってくれ」

「はは、さすがです。よろしくお願いします!」


「歓迎しよう!ようこそ我がギルド[ラグナロク]へ!!」

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