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魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院4年生
124/172

異世界にて3



「今から、そなたに8度、攻撃を受けてもらう。順番は。

炎、水、風、土、雷、光、闇。最後に、ステラ。

それらを防ぎきり、可能であれば、攻撃してきた相手を倒せ。相手を倒さずとも、すべての攻撃を受けた後で、生きておれば、そなたの望む魔術具が完成する。死んだら、失敗だ。」


うなずく。


「グラディウス!」

銀色に光る、レイピアを右手に。


「スクゥトゥム!」

白く光る、盾を左手に。


「そなたの魔力は、美しい。」


ふふ、と、私の正面に立つ魔術創成の神はルビーの瞳にうれしそうな色をうかべる。

次の瞬間、


「では!皆の者、始めよ!」



「イグニス!」


 赤い鎧を着た騎士が、出現する。

真っ赤な炎で包まれている大剣が繰り出される。

盾で横に受け流しても、すぐに次の攻撃がくる。

切り結ぶたび、炎が私を焦がす。全身に火傷が広がり、剣を握るのも辛くなってきた。


レイピアに、水をまとわせる。

「荒ぶる炎を静める水よ、集え、我がもとに。水の力(アクア)!」

思い切り魔力を籠めて、赤い鎧の騎士ののど元へ突き出した。

ふっと、騎士が消える。




「素晴らしい。では、次。アクア!」


 水色の鎧を着た騎士が出現し、その手には、槍。

槍を突き出されると同時に、氷の弾丸が飛んできた。

とっさに盾で防ぐも、防ぎきれなかった弾丸が、腕や、足に突き刺さる。

激痛。立っていられず、思わず膝をつくも、必死で立ち上がる。


血があちこちから噴き出した。このままでは出血死だ。

「くっ!癒しを(キュア)!」

自分に治癒魔術をかける。先ほどの火傷も含めて、傷がふさがる。


ほっとする間もなく、急激に周囲が冷えていくのを感じる。

足が動かない?

足元に目をやれば、氷が体を大地につなぎとめようとしている。


「我を暖めるべく炎よ、氷を溶かせ、わが剣に纏え、(イグニス)!」」

レイピアに炎をまとわせ、足元の氷に打ち付けて砕き、またもや、氷の弾丸が迫ってくる正面に向けて、全力で炎の刃を放つ。

氷の弾丸が炎で砕かれ、爆発の大音響が響いた後、騎士の姿が消えていた。




「ふむ。次。ヴェントゥス。」


 緑の鎧を着た騎士が出現し、双剣が同時に振られた。

片方を盾で受け、もう片方をレイピアでさっと横に薙ぎ払ったけれど、そのレイピアに緑の蔦が巻き付く。巻き上げられる!そうはさせない!

とっさに、巻き付く方向と逆にレイピアを回転させ、後ろに飛びのく。

それを緑の蔦が何本も執拗に追ってくる。


「森林を焼き尽くす、業火をまとえ!、業火(インフェルノ)!」

炎をまとわせたレイピアで蔦を払ったその瞬間、全身から血しぶきが上がり、痛みが走った。


風の刃(かまいたち)か!」

モントレーの必殺技。

彼から何度も受けたヴェントゥス・ラーミア。風の刃。

一瞬、全身の痛みに気を取られ動きが止まったところを緑の蔦に巻きつかれ、それが締め付けてくる。


「ぐっ!」

締め付ける力が強く、腕の骨が折れる音。まずい。


内なる力の開放インテリウス・ポテスタース!!」

私の全身から、魔力を一気に外へ放出する。

巻き付いていた、蔦が四散する。


「大地よ、かの者をその内に抱け!大地の塊(テラ・モーレム)!」

地面から土の塊が緑の鎧を着た騎士を覆い隠していく。

土の圧力で、倒れたようだ。

砕かれた腕から、剣が消えている。


すべての怪我の癒しを(キュア・オムネース)!!そして、再度、グラディウス。」



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