24話:ルーイと初めての……
R15の範囲ではありますが最後の方に性描写があります。苦手な人は飛ばしてください。
あの後、作戦の打ち合わせをしていたらもう夜になっていた。
今日はもう遅くなっていたし、準備が出来ていないので、メラレーンの臍を取りに行く作戦を実行するのは明日の夜になった。
それに何故かメラレーンの臍にはこちらの戦線に残っている王国の全員で行くことになった。負傷兵も含めてだ。こう言ってしまうのもなんだが、負傷兵など居ても邪魔になるだけだと思うが……
最後に、セレス少将は「あなたほどの素晴らしい知略を持つ人は王国だとフェール大将くらいでしょう」と俺を褒めてきた。
別にそんなに凄い案を出したつもりではなかったが何故だろう?
さらに俺は昇進をして、臨時少尉から一気に少佐になることになった。大出世だろう、後はこの首に付く奴隷の首輪を外してもらえれば大満足なのだが……まあ、戦争を頑張ることにしよう。
今は、明日の攻略戦の人員移動の手伝いのために第四戦線に戻ってきている。それにまだ意識の無いルーイも連れていかなければならないだろう。
俺はジャック大佐たちと作戦の打ち合わせをしていた。
「クオン少佐、何故メラレーンの臍を取りにくいのだろうか? デメリットが大きいと思うが……君のことだ何か深い考えがあるのだろう?」
ジャック大佐がそういうが、デメリットとはなんだろうか? それに別に深い考えはない。
「逆にデメリッ……「クオンさん!」
俺がジャック大佐にデメリットを聞こうとした時、
昨日ルーイを助けてくれた光の魔法師が急に入ってきた。俺に用事があるようだ。
「朗報です! ルーイさんが起きました!」
どうやらルーイが起きたらしい。
俺は作戦のことをすっかり忘れて立ち上がっていた。
「ルーイはどこに居るんですか?」
「第四戦線の治療室の3号室に居ますよ」
俺はルーイに早く会いに行きたくて、ジャック大佐の方を見た。大佐は何かを察したようで、俺に微笑みかけた。
「……作戦の話は後でいいよ、行って来な」
大佐がそう言ったので、俺は作戦室から飛び出る。
「あ、待ってください! クオンさん! 病室にいきなり入るのはまずいです!」
後ろでなにかを言ってるようだったが、俺の頭はそれどころじゃなくて聞こえなかった。
そのままクイックを使ってまで、急いでルーイのところに向かった。
俺はすぐにルーイがいる3号室に着いた。
早く謝りたい。早く会って無事を確かめたい。
その焦りの気持ちから俺はノックもせずに病室のドアを開けた。
「ルーイ! だいじょうぶ……え?」
そこには裸でベットに座るルーイが居た。
胸が少し膨らんでいる。そして下半身にはあるべきものが付いていなかった。
「女?」
俺とルーイは見つめ合って、お互いに動けないでいた。
しかし、少し経って状況を理解した俺は、土下座する勢いで謝った。
「……ごめん! 女だったとは知らずに急に入ってしまった」
「クオンが謝る必要はないよ……僕……いや私の方こそ、女だってこと隠しててごめんなさい」
そう言って俯いた。俺はルーイの昔のことは何も知らない。だが、何か過去に嫌なことがあった事はルーイの今までの反応から予想がつく。
「何か理由があったんだろ?」
「……うん、でも、もうクオンに話すことにします」
ルーイは真剣な口調でそう言った。過去に何があったか話してくれるようだ。
「でも、その前に服を着たいから後ろを見ててよ」
「あ……ごめんなさい、男に裸を見られるのは不快だよな」
俺は後ろを向いた。
服を着る音が聞こえる……
変にルーイのことを意識をしてしまう。
確かにルーイは美少年といった感じの中性的な顔立ちをしていたが、自分で男だと言っていたし、女であることは知りもしなかった。
訓練所にいる時も、ルーイと一緒に風呂は入ったことは無かったし、戦争中も裸を見たことはない。
「こっち見ていいですよ」
ルーイが服を着終えたようで、許可を出す。
俺は後ろを振り向く。
そこには美少女がいた。少し濃い目の青髪に女子にしては少し大きめの身長。短めのショートカットがよりルーイの魅力を引き立てている。男か女か見方が変わるだけで一気に評価が変わるものだ。
そんなことよりも裸を見たことをちゃんと謝らなければならない。
「ごめん、わざとじゃないけど裸を見てしまった。どうか許してくれ」
ルーイは俺が真剣に謝ると少しクスッとした。
「許すも何も、怒ってませんよ。恥ずかしいけど、別にクオンになら裸を見られても構いません」
そうだよな……別に俺のことは男としてじゃなくて仲間として見てるってことだよな。でもそれならよかった。
「ありがとう。でも男の振りをしていたのは理由があるんだろ?」
「はい、クオンには聞いてもらいたいので話します」
そのあと、ルーイから過去の話を聞いた。貴族だったことやなんで女の振りをしていたか、魔法の才能がなかったことなどいろいろだ。
「……ルーイもいろいろあったんだな、何も知らないでいろいろ口を挟んでごめんな」
「謝らないでください。私はあなたに救われたんです。別に魔法が無くてもいいんだって……ありがとうございます」
「それならよかった」
「はい」
ルーイは嬉しそうに笑った。だが俺も言わなければならないことがある。異世界から来たことやヴォルフのことだ。
「俺は実は異世界から来たんだ」
「そうなんですね」
俺の告白にルーイはあっさりと返した。
あれ?思ってた反応と違うぞ?
「実は珍しくなかったりする?」
「いえ、私は少なくとも聞いたことがありません……でもクオンがどんな産まれでも関係ありません」
「ありがとうな」
「いえ、私も産まれのことでいろいろ言われたら不快なので」
ルーイも公爵家に居た時の話は思い出したくはないのだろう。
だがルーイにはもう一つ話さないといけない事がある。ヴォルフたちの事だ。
「実は……」
俺が言い出そうとしたら、ルーイが首を横に振った。
「言わなくてもいいです。ヴォルフたちのことですよね……エイミーさんに聞きました」
エイミーというのは光の魔法師のことだろう。
「ヴォルフはきっと後悔はなかったと思いますよ……クオンがいない時もずっと、兄貴は凄いんだぜって言ってるんです。そんなクオンに認められて、任されて死んで行ったんです。私たちがいつまでも後悔していたら神の元にいるヴォルフが浮かばれません」
ルーイの言う通りだ。いつまでも後悔はしてられない。次に向かうんだ……だがそんなことはわかってる。
「そんなことはわかってる。わかってるんだよ……でも人はそんなに器用な生き物ではないんだよ……俺は弱い人間なんだ」
こんな気持ちは、今までは流されて生きて来た俺にはわからなかったことだ。
今までは自分の行動で人を巻き込んで、後悔するなんてことは無かった。
俺が落ち込み下を向いていると、ルーイが抱き締めて来た。ルーイの体温が直に感じる。そしてその小さめの胸も、心臓の鼓動もだ。
「後悔がまだあるなら、忘れちゃえばいいんですよ……」
「どうやって? そんな割り切りができるなら、俺はこんなにも不器用に生きてない」
ルーイは顔を赤くして、俺に近づく。そして耳元で囁いた。
「なら、私を使って忘れればいいんです」
そう囁くルーイは熟練の娼婦のように妖しい雰囲気を漂わせていた。
とても魅力的な提案だ。だが、ここで流されて抱いてしまえば、ただのクズ男だろう。
「俺はルーイのことが好きだけど、それは異性としての気持ちなのかわからない。それにルーイだって好きじゃない奴に抱かれるのは嫌だろ?……そんな状態で抱いたところで君を傷つけてしまう」
そう言うと、ルーイが急に俺にキスをして来た。触れ合うだけのキスだ。
一瞬だったが柔らかい唇の感触に理性が飛びそうだった。
そういえば異世界に来てから全然女と触れ合っていない、溜まっているのだろう。
「これが私の気持ちです……嫌でしたか?」
ルーイは不安そうにしている。
「全然、嫌じゃないよ。でも俺はルーイを傷つけたくないんだ。自分の気持ちもわからない状態で君を抱いても、それは恋愛じゃなくて身体だけの関係だ」
「私は別に傷つきません……身体だけの関係でもいいです」
ルーイはそう言って俺にまたキスをした。今度はさっきのようなソフトなキスではなく。深いキスだ。
「私はクオンのことが好きです」
そう言ってルーイは上着を脱いだ。月光が白い肌を照らし、青い髪が光を浴びて妖艶な雰囲気を醸し出している。
そして、俺の服の中に手を入れてくる。柔らかい手の感触を直に感じる。
ルーイは俺の顔を恥ずかしがりながら見つめる。
その整った顔で上目遣いに見上げられて俺の理性はもう限界だった。
ルーイのことをそのままベッドに押し倒した。
ルーイ視点の話も別作品に載っているので是非読んでみてください。




