第一章1話 『始まりの殺し』
「はぁはぁはぁ!!」
私は今走っています。
「はぁはぁはぁ!」
現在、息を切らしながら制服姿で夜道を走る彼女の名前は『野村うさぎ』16歳。東京の私立花ノ宮女子高等学校に通う一年生、小柄で二本のアホ毛が生えているふんわりとした茶髪の天然パーマの女子高生である。
うさぎがなぜ全力で走っているのかというと
うさぎ「(大会近いから部活長引いちゃった!)」
うさぎはバレー部に所属しており、人数ギリギリの部で決して強豪というわけではないが毎日練習を頑張っている。
うさぎ「(大丈夫かな、門限に間に合うかな?)」
うさぎは内心焦っていた、うさぎの父親と約束した門限が過ぎようとしているからである。約束の門限の時間は20時であり残り10分程で約束の時間となるのだ。少しでも門限の時間を過ぎてしまえば父親の長時間の説教が始まってしまう。うさぎの身を心配しているからこそ説教することはうさぎ自身知ってはいるがそれでも父親に説教される時間は苦なのである。
うさぎ「はぁはぁ!もう大体高校生にもなって門限なんて厳しすぎるよ!」
走りながら愚痴をこぼしうさぎは脱兎のごとく走り続けた。
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うさぎ「はぁはぁはぁ・・・ふぅ」
現在19時59分、野村家玄関前。
うさぎは全力で走ったおかげでなんとかギリギリ門限を超えずにすんだ。部活終わりからの全力疾走・・・・・正直これはきつい。うさぎは疲れて乱れた呼吸を整えるために深く深呼吸をした。そして呼吸が整い玄関ドアの取っ手を握った。内心、父親が仁王立ちして待っているのではないかとハラハラしていたがうさぎは覚悟を決めドアを開いた。
うさぎ「ただいまー!」
家中にうさぎの声が響いた。
うさぎ「あれ?」
いつもであれば父親か母親のどちらかが何らかの返事が返ってくるのだが今日は返ってこなかった。
うさぎ「出掛けてるのかな?それとももう寝たのかな?」
うさぎはご飯を食べるためにリビングの方へ行った。
うさぎ「今日のご飯はなにかな~」
今日の晩御飯がなにかお腹ペコペコのうさぎはウキウキしながらリビングの扉を開いた。
うさぎ「ただいまーお腹減ったよ~」
うさぎは両親がリビングにいるかもしれないと思いまた帰宅の挨拶をしたがまた返事は返ってこなかった。リビングは暗く電気はついていなかった。やはり出掛けているのか、または寝ているのかと思った。うさぎは明かりをつけようと扉横にある照明のスイッチに手を伸ばそうとした。――――その時「ピチャ・・・」とまるで水が落ちたような音が聞こえた。
うさぎ「ん?」
うさぎは照明スイッチに手を伸ばすのをやめ音の聞こえた方を振り向いた。
そこにはぼんやりと見える人影のようなものが立っていた。
うさぎ「?お父さん?」
うさぎは問いかけたが返事は返ってこなかった、そして窓から月日が差し込みその人影を薄らと照らした。
?「」
うさぎ「 」
その瞬間、うさぎは唖然とした。リビングの中央に立っていたのは知らない男だったのである。うさぎは恐怖した、月日で薄らと照らされるその人影から見える金色に輝く鋭い眼光に。うさぎは男と目を合わせないように視線をしたに下げた。
男の足元には二つの血まみれの人らしきものがあった――――
うさぎ「 え?」
――――うさぎの父親と母親だった。




