第十八話 街へと到着
場面変わって、スミスとカノン、そして新しい同行者であるシャルロットの三人は、盗賊村に捕まっていた人々を解放し、最寄りの街へと向かっていた。
解放したその日の夜は盗賊村で一泊し、翌日の朝から街へと出発、その日の内に到着し、街の入場門前で元々の手続きを任せる。
こうして三人は、街へとようやく到着する。
「――そんじゃあ、ちょっと報告してくるね!」
言って、スミスとカノンに手を振ってから、シャルロットは冒険者ギルドへと向かう。
捕縛した盗賊の報奨金も出るため、明日までは街に滞在しておかなければならず、ならば大した差にはならない、ということで、冒険者ギルドへ依頼達成の報告に向かうシャルロットに付き合う二人。
「ところでさ、スミスさん、この街って帝国だと大体どの辺にあるんだ?」
待つ間、暇を持て余すカノンがスミスに質問する。
「帝都と辺境の、およそ中間程度の位置にある。
――帝国革命期、ここは戦略上重要でなかった為、戦火に巻き込まれることが少なかった。
多少の被害はありつつも、他の街と比べれば被害が薄く、復興も早く豊かな街だ。
当時の戦災で住む場所を失い、逃げ込んできた住人も多い。
……本来なら、盗賊村が発展するほど貧しい、あるいは治安の悪い地域では無いんだが、聖骸の影響はこんな平和な土地近辺にまで及び始めている」
スミスの小言が続きそうな話を聞いて、カノンは勘弁してくれ、と言わんばかりに首を振る。
「わーった、わーったよ、もう。
さっさと聖骸をぶっ潰しゃあいいんだろ?」
「無論、血戦闘技会の開催に間に合わんのは論外だが、到着が遅れて情報収集が甘くなるのも望ましくない。
本気で聖骸を潰したいと思うなら、予定を早めるべきなんだがな」
想定外の遅延にウンザリだ、と言った様子で、スミスはロリポップキャンディを口に咥える。
「……なあ、スミスさんってなんで飴を舐めてんだ?
もしかして、禁煙中だから煙草の代わりに、とかそういう感じ?」
スミスは、問われて面倒そうに答える。
「……甘い物は肉体と脳、どちらのエネルギー補給としても優秀だ」
その思わぬ回答に、カノンは目をパチクリと開いてから、そしてニヤニヤと笑いながら言う。
「要するに甘いモンが好きってことか、ガキ舌だねェ!」
言われて、心底不快そうに、機嫌を悪くしながらスミスが言い返す。
「……嗜好について述べるなら、好しと述べる他無いが、合理的な食品を合理的な理由で好んでいるに過ぎない」
「あー、うるせーうるせー、何言ってっかわかんねーなぁ!」
誂うカノンの態度にイラつくスミスは、咄嗟に片腕の凶我爆凄装で強めの攻撃を繰り出す。
「――おっとッ!!」
が、なんとカノンはこれを、身をヒラリと躱して回避する。
凶我爆凄装を、初めて回避した瞬間である。
「へっ、もう凶我爆凄装なんざ怖かねェ――ウゲッ!?」
そして直後、自慢げにスミスを煽るカノンの腹を、もう片方の腕で放つ凶我爆凄装が打ち付ける。
「手加減せずとも良いぐらいになってからほざけ」
蹲るカノンに向けて、呆れたように言い放つスミス。
「――おまたせ、二人とも!!」
と、そこへシャルロットが戻って来る。
「って、どうしたのカノン?」
「拾い食いでもして腹を壊したんだろう」
「そっか、あんまやんないほうがいいよ、拾い食い」
「……するかっつーの」
言い返しながら、痛みに耐えつつ立ち上がるカノン。
「で、そんなことよりさ、どうせ二人とも、報奨金が出るまで街で留まるんでしょ?
だったらせっかくだし、わたしんちに一晩泊まっていかない?」
シャルロットの提案に、スミスが疑問を抱く。
「貴様の家は、いきなり二人も泊められるほどデカイのか?」
これに、シャルロットは自信満々に頷き、答える。
「うん、だいじょぶ、だいじょぶ!
わたしんち、孤児院だからね、広さには自信あるよ!」
甘い物が好きな冷笑おじさん……スミス君、可愛いねぇ^^
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