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刀を抜いたら、近藤勇でした。  作者: おぶ


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9/9

どうすればいい?

「京の都?」


その言葉を聞いた瞬間。


俺の頭の中で、何かが繋がった。


京都


浪士


新選組…


そして――池田屋に繋がる…


「……いつ?」


俺が呟くと、知らせを持ってきた男がこちらを見る。


「え?」


「その……浪士たちが何か企んでいるという話」


「いえ、詳しいことは分かりません」


「いつ起きる?」


「それも……」


俺は黙った。

俺は知っている…

歴史の授業で習った。


池田屋事件

元治元年六月五日だ。


新選組が京都の池田屋に踏み込み、尊王攘夷派の志士たちを襲撃。


これによって新選組の名が一気に全国へ広まった。




そして――



沖田総司が血を吐く…


俺は沖田を見る。


本人は何も知らずに刀を拭いている。


「…………」


嫌な汗が出てきた。


俺は歴史を変えたい。


でも…


池田屋事件が起きなかったら?


新選組はどうなる?


近藤勇は?


土方歳三は?


沖田総司は?


山南敬助は?


俺の頭の中で、祖父の声が聞こえた。


『人間、一人じゃ何もできん』


「…みんなで」

思わず口に出ていた。


土方がこちらを見る。


「なに?」


「京の都です」


「京の都?」


「浪士が何か企んでるなら、調べた方がいい」


土方は少し考えた。


「確かにな」


沖田が笑った。


「旅行ですか?」


「違う」


「残念」


「遊びじゃないから」


「分かってますよ」


沖田は笑っている。


俺は思った。


この人は死ぬ。


歴史の中で。


でも今は生きている。


笑っている。


俺は拳を握った。


「……絶対に変える」


「変える?」


土方が聞いた。


「え?」


「今、何か言っただろ」


「……何でもありません」


「そうか」


土方はそれ以上聞かなかった。

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