12.鉱石の街ヒーチ
試練を受けるため幾日かかけてヒーチにたどり着いた。街からは熱気が感じられ、金属同士がぶつかっているような甲高い音が響いている。ここヒーチではここら一帯で取れた鉱石等が集められ加工や販売が行われている。クリエイターが初めに修行するのに適した街のうちの一つでもある。
「ついに初めての試練があるヒーチについたな」
「そうだな!大方予定通りつくことができたな」
ヒーチでは大きな工房と店が一体になっているような形態の店が多く、どの店も大型の店舗みたいになっている。また、ここには鉱石等を取り扱う協会も設置されており、鉱石等を店で取り扱いたい場合は協会に届け出を出さなければならない。
「そういえばレオンは協会に届け出は出しているのか?」
「あぁ、そりゃもちろんクリエイターなんだから出してるに決まっているだろ?まあ、出したのはここの協会じゃないけどな」
「へぇ、そういうところはしっかりしてるんだな」
「失礼な奴だな。出会い方が最低だったから仕方ないか。・・・でも、しばらくは店だしたりする予定もないけどな。一応出しとこうかなって感じだ。シュウに武具とか作ってやらないとだしな」
「そういえばそんな約束もしてたな。提案を押し付けられたようなもんだが」
会話もほどほどにしてまずは試練を受けられる場所に行くことにした。試験場はほかの店舗よりもより一層でかいほぼ工房メインのところだった。
扉を開けて中に入ると熱気が体全体を包むように襲ってきた。この街自体そこそこの熱気を放っているというのにここは段違いだ。
突然押し寄せてきた暑さで目的を一瞬忘れかけたが、
熱気に耐えながら、受付に向かう。
「すいません、ここの試練を受けにきたんですけど受付ってやってますか?」
受付に座っている受付の女性に声をかける。ここの暑さのためかかなり薄着で、少し目のやり場に困る。
「ここが受付で合ってるっすよ!見た感じここが初めての試練って感じっすね」
「そうです。よく分かりましたね。詳しい話もしてないのに」
「そりゃ、ここで長く働いてたらそれくらいの観察眼はつくってもんすよ」
腰に手を当てて胸を張って誇らしげな様子だ。
「ところで、ここでの試練の内容を教えてもらえますか?」
「もちろんっす!ここの試練は」
そこまで受付の人が話すと彼女の話を遮るように男の人が出てきた。
「おい、ミル挑戦者が来たなら俺を呼んでから諸々の説明を始めろよ。相変わらずお喋りが好きなやつだ」
男性は呆れたようにため息をついて、こちらに顔を向ける。
「初めましてだな、俺はここの工房の主人兼リーグ管理者のザクだ。」
「はじめまして、俺はシュウでこっちは仲間のレオンです。試練に挑戦しに来ました」
「おう、そうか。聞こえてきた話によると今回が初挑戦らしいな。気合い入れて頑張れよ。早速試練の内容だが、この街は知っての通り加工が盛んで工房も多い。しかし、何を加工するのも材料がいるんだが、工房が多いと中々全ての工房に素材がいきわたらねぇ。そこで試練の内容と関係してくるってわけだ。ズバリ試練内容は素材採集だ。」
「素材採集ですか?どちらかというとクリエイター寄りの内容ですね。」
「そうだな。だが、素材を集めるにもそれなりの技術もlinkとの連携も不可欠だ。毎回集めてきてもらう素材は街で不足してる素材を集めてきてもらうことになってるんだが、おいミル!今不足しがちなのは」
ザクさんに呼ばれるとミルさんは冊子を持ってきて一枚ずつページをめくっていく。手慣れた手つきでこんな感じでも仕事はしっかりできるタイプらしい。
「そうっすねぇ、最近だと…武具の手入れに使う研磨石っすかねぇ」
「なるほどなぁ。というわけだ。つまりお前には研磨石を取ってきてもらうことを試練内容とする。研磨石自体はこの街に来る途中にあるイワン洞窟にある。だが、石炭とは違って一般には開放されてない場所から入らないといけないから、入れるように登録してやる。ナビを貸してみな」
ナビを渡して受け取るとナビを操作しはじめた。あっという間に登録も終わってこちらにナビを返すと
「これで準備OKだ。洞窟の入り口は大通りを少し南に下ったところにある。じゃあ気合い入れて頑張れよ!」
「はい、頑張ります!」
試練内容を確認し終えて、お礼をそこそこに工房を後にした。




