↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と繋がる七分間  作者: ひだりみぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/36

街を見渡す場所

「こんなとこあったんだな。鳴瀬市がほぼ見えてるぞ」

 高台からの景色を眺めていると、蓮が改めて感心したように口にした。


 見慣れた街並みも、こうして上から眺めるとまた違って見える。

 美月と通った小学校、中学校、そして高校。

 それぞれは遠いはずなのに、ここからみると全て一望できる。


「美月もここから見てたのかな」

 そう口にしてから、俺はもう一度街を見渡した。


「夕方、日が沈むころだともっと綺麗かもな」


「夕方か……」

 美月が放課後にここを見つけたのなら、きっとそんな景色を写真に収めたんだろう。

 カメラを構える美月の背中が見えた気がした。


 写真か……

 そういえば、美月のアルバムにはどんな写真があっただろう。

 学校行事の写真や、凛と一緒に写った写真。

 俺や友達の何気ない姿を撮ったものもあった。

 でも、ここから見えるような景色の写真はあっただろうか。

 少なくとも、俺が見たアルバムにはなかった気がする。

 亡くなる直前に撮った写真なら、まだ現像していなかったのかもしれない。

 それとも、アルバムとは別に保管しているのだろうか。


 考え込んでいると、蓮がそれに気付いた。

「どうした?ここじゃなさそうか?」


「いや、そういうわけじゃないんだけど」


「なにか気になることでもあったのか?」


「ここからの景色を見て思ったんだ。美月なら写真に撮ってそうだなって。美月もここに来たんじゃないかってさ。でも、アルバムにはここからの景色の写真はなかった気がする」


「アルバムに?」


「うん。俺が見た範囲では、だけど」


「そっか。アルバムに入れてない写真があるかもしれないな」


「……うん。とりあえずここからの景色を撮って凛に送っておこうかな。もしかしたら何か見覚えがあるかもしれない」


 そう言ってスマホを構える。

 美月ならどう撮っただろう。

 なんとなく小学校、中学校、高校が収まるように撮りたかった。


『この景色見覚えある?美月が撮った写真とかで』

 写真を添付して凛にメッセージを送った。

 凛からの返事を待つことにして、俺たちは一旦ふもとにおりることにした。



「坂ってさ、登るのはもちろんきついけど下るのもしんどいな」

 神社へ続く脇道まで戻ってきたところで、一息つきながら蓮が呟いた。


「だな。付き合ってくれてありがとな」


「いいってことよ!むしろ俺が好きでついてきてる。明日からまた学校か。凛ちゃんからの返事で何かわかったら教えてくれな」


「もちろん。今日はこの辺にして帰るか」


 俺たちはそれぞれ帰路についた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。