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君と繋がる七分間  作者: ひだりみぎ


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七時の通知

 カーテンの隙間から、薄い朝の光が差し込んでいた。

 4月になっても、東北の朝はまだ冷たい。


 4月14日 午前6時56分

 俺、大崎湊は布団の中でスマホを眺めていた。

 画面に表示されているのは一年前のトーク履歴。

 相手の名前は——白石美月


 俺の幼馴染だった。

 去年の今日、彼女は亡くなった。

 事故が起きたのは、2019年4月14日の朝だった。


 あれから一年。俺は毎日、美月とのトーク画面を開いていた。

 返事が来ないとわかっていたから、メッセージを送ることはなかった。

 それでも、履歴を消すことだけはできなかった。


『もう知らない』


 もう何度も見た美月からの最後のメッセージ。

 美月が亡くなる前日、俺たちはケンカをした。

 くだらない理由だった。

 こんなやりとりが最後になるなんて思っていなかった。


 6時59分。

 そろそろ登校の準備をしようかとスマホを伏せた。

 その瞬間。

 

 ——ピコン

 

 通知音。

 心臓が跳ねた。

 画面を見る。

 午前7時。

 新着メッセージが1件。

 

 送り主は——白石美月


『おはよう、湊』


 息が止まった。

 見間違いだと思った。

 寝ぼけているだけだ。

 そう思って、何度も画面を見直した。

 でも、そこには確かに書かれていた。


『おはよう、湊』


 俺は返信できなかった。

 できるはずがない。

 美月はもう死んでいるのだ。

 きっと毎日美月とのトーク履歴を見過ぎて幻覚を見ているのだと思い、見なかったことにして登校の準備を進める。


 何事もなく一日を終え、帰宅した。


 母が用意してくれた夕食を食べ、風呂を済ませる。あとは寝るだけだった。

 ふと、スマホに目を向けた。


『おはよう、湊』


 今日何度も目にしたメッセージがまだある。

 学校でも何度も確認した。

 誰かのイタズラだろうか。でも美月のスマホは事故で壊れていたはずだ。


 いくら考えても、答えは出なかった。


 日付が変わる頃、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。


 

 4月15日 6時50分

 目が覚めた俺は、急いでスマホを確認する。


 昨日見たメッセージがない。

 美月とのやりとりの最後は

『もう知らない』

 で終わっている。

 この1年ずっと見てきたやりとりだ。


 やはり昨日の俺は幻覚を見ていたんだなと安心するとともに少しの寂しさがあった。


 寒くてなかなか布団から出れず、7時になったら学校に行く準備をしようと毛布にくるまっていた。


 ——ピコン


 新着メッセージ1件

 通知を開く。


『おはよう、湊』

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