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メリーゴーランド  作者: 湊 亮
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その当時の私も、やはりまだまだ「自分がわからない」人間であった。


その「おめでたい」両親の「おめでたい」虚偽の同情に、ほっとするのである。


一見すると、自分のことを想ってくれているように見える、そのおめでたい「弁明」になぜか、ほっとするのである。


そして、同情するのである。


まるで、誘拐犯に捕まった被害者が、誘拐犯に同情するような感覚なのである。


誘拐された自分が悪い、というような感覚である。


ねっとりとした「罪悪感」に長年浸されていた少年は、やはり、その「罪悪感」にどっぷり浸かったまま、また、「今」からの、「自分」からの「逃亡」を始めるのである。


この頃、自分が「何かおかしい」と思いながら、その「おかしさの内容」と「おかしさの原因」がわからないでいた。


その頃、「アダルトチルドレン」という言葉をインターネットで見つけた。それは、まさに「私自身」だったのである。


しかしながら、また、その「事実」から逃げようとしたのである。


まだ、この頃は、両親への憎しみはあるものの、その憎しみを解消できずにいた。


自分が「支配」されていたことを認識できずにいた。


また、「そこ」に目を向けることも恐れていた。


日々の忙しい業務にかまけて、やはり、「得体の知れないもの」から逃げていたのである。


やはり、私は「自分」を見つめることから逃げていたのである。


ここでも、私は、「戦場で怯えた少年」だった。


妻が与えてくれる「温かい光」も感じられないほど、苦しんでいるのである。


すぐ近くにある「温もり」に気づかないのである。


そして「支配者」達に敵意をあらわにしながらも、彼らに認めてもらいたい、という想いを抱き、彼らに尽くそうとするのである。


自分を不幸にする人達に一生懸命尽くそうとするのである。


私はその自分の「未熟さ」に一向に気がつかないのである。


この頃、新しい「光」が生まれた。


私の息子である。


また神様は、私に「正しい道」に気づくヒントをくれたのである。


新しい命の誕生は、私にとって、大きなターニングポイントではあったが、そこでも私は、逃亡を試みる。


新しい職場が決まったのである。


その新しい職場が、新しい「逃亡先」であり、私が得体の知れないものに気づく「場所」でもある。


自分を見つめる「場所」でもある。


この地で、私は、暗い暗い「戦場」と明るい明るい「安全基地」を発見する。


まだ安心はできないが、少なくとも少しずつ、「自分」というものを見つめていこうとするのである。


そして、これまで走ってきた「戦場」と、その悲惨な「迷走」に目を向けるのである。


神様がくれた五回目のチャンスで、私はその「迷走」に気づくのである。


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