2人が想った土曜日
咲麻が男とエッチしてた、私出てった、友達ん家に泊まった、仕方なく帰った、咲麻が情緒不安定、私混乱←いまここ。
どうしよう。明日、日曜日だし今日休んでも問題・・・ないけど、多分。シフトも入ってなかったし・・・。うん。多分、大丈夫。
くっ付いて離れない咲麻の頭に手を置いてみる。置くときに一瞬びくっとしてすぐに力を抜く。そして私のお腹に回していた腕をさっきよりも強くする。ぐえっ!!中のものでてきそう・・・腕、解いてくれないかな?苦しい。
「咲麻ー」
「・・・・・・・・・・・・・」
「咲麻くーん」
「・・・・・・・・・・・・・」
「さっくーん」
「・・・・何?」
お腹に押しつけていた顔をゆっくりと上げる咲麻。目が合うと嬉しそうに目元を緩める。何これ。え?何これ。
「ねえ、離れて」
「・・・何で?」
眉をひそめ、嫌そうな顔をする咲麻にため息が出そうになったがこらえる。ちょっと前に同じようなやり取りをした。その時に私がため息を吐いただけで怯えて、泣く。泣きながら私に何かを訴えようとして、でも何がしたいのかよくわかんない。てか信用できないし、もしかしたらここでまた私が安心した瞬間に裏切る・・・とか。ありそうで恐い。
私が話すのをやめると、咲麻がそっと私の顔に手をそえる。
「咲麻?」
「・・・・・・・・・・・」
何も答えない。
私がそっと咲麻の手の上に手を重ねると、少し驚いた顔をしてから嬉しそうに笑う。泣きながら。
「ねえ、どうしたの?咲麻今までこんな事しなかったじゃない。何?何で?」
「・・・・・・・・」
私がそう聞くと今度はお腹から私の肩に頭を移動させて、うずめる。もうこの服べちゃべちゃなんですけど。何でって?咲麻の涙でだよっ!!
また泣きだした咲麻、え、まじで、何これ。
どうすればいいか分からなくて、仕方なく咲麻の背中を撫でる。
「咲麻、ほんとどうしたの?」
「・・・・・・はとり、」
「ん?」
肩越しにくぐもった声が聞こえる。まだ泣いているのか、声が震えている。
「はとり、はとり、ごめん。・・・別れたい?俺と、別れたい?」
「・・・咲麻?」
「ねえ、俺の事もうどーでもいい?」
「え?」
「はとりが別れたいって言うんなら、うん。いいよ」
「っちょ、」
「はとりも嫌だよね?こんな奴」
「・・・咲麻っ!!」
「?何」
「何で、何で勝手に話進めるのよっ!!」
「・・・は、とり?」
まだ涙でうるんでいる咲麻を思いっきり睨む。
「あんた私がどんな事思いながら帰って来たか知らないでしょっ!!私はねっ、あんたが好きだから帰って来たのっ!!まだ諦めきれないから帰って来たのっ!!そりゃ、男とやってるのはどうかと思ったよっ!!最初はキモチ悪かったし、すっごく悲しくて毎日泣いたよっ?!!でもね、あんたが大好きなのっ!!どんだけ男連れ込んでも女連れ込んでも、浮気しても、私は咲麻が好きっ、愛してるっ!!・・・なのに、別れたいなら、別れよう?バカにしてんじゃないわよっ!!勝手に決めんなっ!!バカっ!!」
泣きたくないのに涙があふれる。
もうっ!!何で2人して泣いてんのよっ!!
咲麻が私の涙をぬぐっていく。咲麻も泣いて、私も泣いて、何これ。
私は咲麻に抱きついた。咲麻はそっと私を抱きしめ、頭を撫でる。立場が逆転したなあ、とか思いながらも私は咲麻の撫でる手を止めない。
「咲麻は別れたい?」
「・・・・・・・・俺、は・・」
「いいよ、私。私は別れたくないけど」
「・・・・別れたく、ない・・・」
「じゃあ、いいじゃん。私たちはこのまま、私は別に気にしないから。咲麻は男でも連れ込んでたら良いよ。ほんとは嫌だけど、私咲麻の事、好きだし、別れたくないし、我慢するから」
「・・・はとり・・・もうしないよ」
「咲麻?」
私の頭を撫でていた手が止まる。
「もう、あんなバカな事、しないよ」
「?」
「ほんと、いっつも後になって気がつく・・・何が大切だったかって」
悲しそうな顔でつぶやく。私に言っているのではないのだろう。自分に言い聞かせているような、そんな話し方だ。
「バカだよ。ほんと・・・ねえ、はとり」
「何?」
「ごめんね、何であんな事してたかは言えないけど、本当にごめんね。もうはとり以外に興味ないから。はとり・・・許して、なんて言わない、・・・でも、ずっとそばに居てね」
そっと私の髪に唇を落とした。
少し、嬉しくなって、笑みがこぼれた。
「ふふっ、何それ、プロポーズ?」
「うん、そう。これからもずっと一緒にいようね」
「浮気したり、嘘付いたら、別れるよ」
「うん。もう浮気しないし、嘘もつかないよ。・・・・・はとり、大好き」
「・・・・・・・・・・・私も」
やっと、両想いになれたのかな?
私はそっと咲麻の腕の中で泣いた。
嬉しくて。
展開が急ですね^^
はい。自覚してます。
あと2話ですねっ!!頑張ります☆
それまでに2人を幸せにしないといけませんね!!頑張ります☆