日曜日の思惑と幸福
「ねえ、はとり」
台所に立つはとりに声をかけてみる。
すると返ってくるはとりからの返事に頬が緩むのが分るが、しょうがない。嬉しいんだから。
俺ははとりが好きだ。気付いたのはついこの間だけれど。
俺がはとりに近付いたのは俺の大切な姉さんが自殺したからだ。はとりの所為で死んだ姉さんには本当に悪いと思う。それに姉さんの好きな人を奪ったような気がして、俺はこの先はとりの側にいていいのだろうか、と思うようになった。はとりは好きだ。でも、姉さんも大切だ。
はとりのせわしく動く後ろ姿を見つめながらこの先のことを考えてみる。
はとりも俺も、2年後に大学を卒業して、社会人になって、この先も一緒にいたい。はとりが良いと言うのならこの先ずっと一緒にいたい。そしたら、はとりとの子どもが欲しいよな。きっとはとりと俺の子どもだったら可愛いに決まっているから、俺は絶対にその子どもを甘やかしてはとりがそんな俺を怒って、でもって皆でご飯食べて、はとりの料理はおいしいからずーっと食べていたいな、そしたらやっぱりこの先ずっと一緒にいたいし・・・あれ?これって、ああ。
俺は何て馬鹿なんだ。これじゃあまるで、家族じゃないか。
ふ、っと口のはしから少し空気が漏れる。
「どうしたの?咲麻」
「はとり、」
「なに?」
「結婚しよっか」
「・・・・え?」
今まで背を向けていたはとりは少しして俺に顔を向ける。
はとりの大きな瞳がいつもよりも大きく見開いていて、落っこちるんじゃないかと心配になった。
俺はそんなはとりの表情が少し新鮮で嬉しくなる。
「・・・結婚?」
「うん、結婚しよ。まあ、行っても大学卒業してからになるけどね」
「・・・・・・」
はとりは大きな瞳をさらに大きくする。唇は何か言いたげで何度も開いたり閉じたりを繰り返す。
「イヤならいいよ。ごめんね、変なこと言って、忘れてくれていいから」
「・・・え、あ・・・違う、その・・・ビックリして・・・」
「・・・はとり?」
「・・・・っ、ふ・・・うっ・・・」
「!!はとりっ?!」
涙を流し出したはとりに驚いて、俺は慌ててはとりに近付き抱きしめる。
はとりをこんな風に抱きしめるのは初めてで、他の人になら特になんとも思わなかったのにはとりだとすごく緊張して、ああ、これが好きって感情なんだって思ってしまった俺に少し笑えた。
「泣かないで、はとり」
「違っ、っふ、ほ、本当?」
「え?」
「結婚」
「・・・うん」
「・・・・嬉しいっ、」
「え?」
「私も咲麻と、・・・結婚したい」
「・・・!!」
俺はさっきよりも強くはとりを抱きしめた。
ごめん姉さん。
俺はとりの方が大切みたいだ。
はとりの側にずっといたい。
ごめんね。姉さん。
★★★
「はとり、」
「何?」
「・・・・中学生の時に俺に似た人いなかった?」
「咲麻に似てる人?・・・うーん、いたかな?」
「・・・やっぱりいいよ。はとり、式いつにしよっか?」
「え?2年後でしょ?早くない?」
「いいじゃん、俺今幸せだから」
「・・・ばーか」
「え、なんで?」
「・・・私も幸せだっつーの」
「っ!!・・・・・・・・・・・・はとり」
「・・何?」
「えっちした、いった!!っちょ、殴らなくたっていいじゃんっ!!」
「バカっ!!しかも何で殴ったのに嬉しそうなのよっ!!」
「あははっ、・・・」
・・・姉さん、俺少しほっとしちゃった。ごめんね。
少し、ほんの少しだけ、はとりが姉さんのこと覚えてないって分かって安心しちゃった。
本当に、ごめんね。
俺、はとりのこと幸せにするから。
ごめんね。
幸せで。
「はとりー」
「・・・何」
「好き」
「・・・私も」
復讐なんて、何てバカな事をしようとしてたんだろう?
さようなら、今までの俺。
新しい俺は、幸せです。
こんな最低な俺は、幸せです。
終始分け分らん状態ですみません。
今の私の精一杯です☆
あと一話ですね。
頑張りたいと思います^^




