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第一話「道士と殺人鬼」8

「……もういいよ! 全っ然、意味がわからない! あたしは一人で調べる!」

「そうか。お前が真剣だったからこそ、こちらも事実を告げたつもりだ。聞いた上でそう判断するならば構わない」

 玉兎は傷ついた様子も無く、去っていくヴェロニカの背から、再び八卦が描かれた板へと視線を戻した。

 が、目をむいて叫ぶ。

「その方向は凶報と出ている! 方違かたたがえをしろ!」

「はぁ?」

 小さな橋にさしかかったばかりのヴェロニカは玉兎の切迫した声に反応はしたものの、意味がわからず戸惑う。

 その背後の空間が陽炎のように揺らめいた。

 陽炎は黒い(もや)となり、その黒に包まれた人影となる。

 茫漠としたその黒は、うっすらと王冠らしきものとマントらしきシルエットが見える。

 そして、黒い人影は巨大な剣を振りかぶった。

「え? ……あっ!?」

 ヴェロニカが気付いた時にはもう遅い。

 鋭利な刃は断頭台の如く振り下ろされ――

「!?」

 彼女を突き飛ばした玉兎の胴を袈裟がけ気味に『両断』した。

 刃は腕の下を抜け、綺麗に体を二つに裂かれた彼は、そのまま橋の下の川へ落下する。

「な、なんて事を!」

 ヴェロニカは一瞬、水面に視線を向けるが、そこには波紋が広がっているだけだった。

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