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【打ち切り】クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-  作者: よぎそーと
三章

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27話 問答 → 引率/研修

「あの野郎……」

 立ち去っていくカズヤをにらむ。

 そんなユウキにアヤナは驚いてしまう。

「あの、ユウキさん」

「ん、なに?」

「あの、そこまで言っちゃっていいんですか?」

 何かあるのだろうとは思うがさすがに気になる。

 ユウキはざっくばらんというか、思った事をそのまま口にするような所がある。

 時と場合はしっかりわきまえてるが、普段はだいたいこんなものだ。

 出会って一ヶ月も経ってないがそういう性格なのは分かってきた。

 だとしてもだ。

「さすがに言い過ぎなんじゃないかと」

「これでも足りないくらいよ」

 アヤナが驚くくらいの即答だった。

「あいつのせいで、どれだけ壊れたか分からないんだから」

「そんなに……ですか」

 ユウキの態度と憤りもそうだが、そう言われるほどの事をしてるというカズヤにも驚く。

 自分を助けてくれた事もあってか、カズヤへの印象はそれほど悪くはない。

 それは、目の前で化け物を瞬時に倒していったのをしっかりと見たからでもある。

 第一印象が良かったという事なのだろう。

 だから、こんな態度をとられるほど悪い人なのかという事については疑問が生じてしまう。

 ユウキの言いたい事も分かる。

 化け物がどんなもので、ヨドミがどういう所なのかも。

 それらの説明は受けている。

 破壊してしまう事で発生する問題も。

 それらを破壊する事で、現実世界の方が変化してしまうのも。

 ヨドミを、その奥にいるユガミを封印してまわってるユウキ達は、それを『壊れる』と表現していた。

 アヤナもそれは確かにどうなのかと思ってしまう。

 ヨドミを存続させる事で被害に遭う者が無くならないかもしれない。

 しかし、壊すことで何がどう変わるか分からないとなれば慎重になる。

 今までいた人が消えてしまう事もあると聞けば尚更だ。

 しかし。

「そこまでしてるんですか、あの人は」

「まあね」

 怒りつつも呆れた調子でユウキは吐き捨てる。

「なんだかんだで長くやってるから。

 そのせいで、このあたりじゃかなり上の方にいるしね。

 色々厄介なのよ」

「はあ……」

 また驚いてしまう。

 弱いわけは無いと思っていたが、そう言われるほどの実力があるとは思わなかった。

 それに、長くやってるというのも意外だった。

 アヤナよりも年上だとは思ったが、それほど極端に年齢が離れてるとも思えない。

 その若さで長くやってるというなら、どれだけ若い頃からこういう事をしてるのかと考えてしまう。

 見た目の印象より年上という可能性もある。

「どういう人なんですか、いったい」

 詳しく知ってるわけではないから気になる。

 返ってきた答えは短く分かりやすいものだった。

「最悪」



 町を歩きながら指示機を時折眺める。

 カズヤ達が使ってるのと同じ形をしたもので、方位磁針のような格好をしている。

 それが反応を示すかどうかを確認しながら歩いていく。

 まずはここからとこんな事を任されていた。

 ユウキも一緒に歩き、その都度説明を幾つか受けている。

 アヤナが聞くところによれば、最初はだいたいこんな調子であるという。

 化け物と遭遇する可能性があるから、戦える者が一人は付きそう事になる。

 そうやって一緒にいるうちに、一つ二つと色々教えていく。

 最低限必要になる知識は最初のうちにある程度教えてもらってはいる。

 だが、それでは伝え切れない事もある。

 教えたとて何がどこまで頭に入ってるのかもわからない。

 伝えた事が正確に記憶されてるのかも疑わしい。

 なので、こうやって一緒に行動する事でそれらの補強や修正を施していく事になっていた。

 一度に一気に全てを教える事ができないので、その補完という意味もある。

 また、実地での活動で何をしていけば良いのかを教えるという目的もあった。

 新人研修といえば分かりやすいだろうか。

 アヤナとユウキがしてるのはそういう事だった。



 ユウキにとってありがたい事に、アヤナは手のかからない人間だった。

 物覚えは悪くはない。

 教えた事は確実にこなしていってくれる。

 失敗は当然するが、失敗をそのままにはしない。

 普通にこなせるようになるまで努力する根性もある。

 教えてる事はそれほど多くはないが、それらを確実に身につけてくれる。

(拾いものよね)

 押しつけられた時にはどうしようかと思ったが、こうして一緒にいると良さが見えてくる。

 カズヤには腹が立つが、アヤナを渡してくれた事には感謝しても良い。

 それでやってる事が帳消しになるわけではないが、たまには役に立つ事もあるのかと思いはする。

 あとはアヤナを育てて、封印しにいく時に戦力になってくれればと思う。

 そうすれば、人手不足も解消出来る。

(それまで生き残ってくれればいいけど)

 死亡率の高い仕事なので、それだけは気をつけねばならない。

 もちろん、アヤナが拒否するならその意志は尊重したいと思った。

 周囲がそうさせてくれるとは思っていないが。

(こればかりはね……)

 ユウキの手の及ばない事なのでどうにもならない。

 ただ、なるべく自分の近くに置いておき、無理をさせないようにしたかった。


 続きは20:00予定。

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