吠える様に
怪人達は戦った
勇猛に果敢に化物を相手に戦った
弱者である英雄を守る為に
未知の怪物に臆する事無く戦った
「なんで私たちがこんな事を…」
不機嫌な気分を隠さず文句を言うのは
赤い狐の怪人だった
「俺が知るかよ、あの人に聞けば?」
返事をする緑の狸型の怪人は
両手に化物の首を握りしめ
ギリギリと締め上げている
「聞ける訳が無いだろ、…恐ろしい」
狐の怪人は両手首の毛を
カタールの様に尖らせ、化物を刺し殺していく
「まぁ、文句言わずに戦おうぜ?」
どうせ言われなくても、街は守るんだから、っと
狸の怪人は小さな声で、聞こえない様に呟いた
「今なんと言った?」
本当に聞こえなかったのだろう
狐の怪人は怪訝な表情で
もう一度言うよう催促してくる
「気にすんな、お前は優しいって言ったんだよ」
軽い笑声を上げながら誤魔化し
化物を投げ飛ばし、頭を潰していく狸の怪人
納得しない狐の怪人と
話を流そうとする狸の怪人は
化物と戦いながら口論をする、器用なものだ
そんな二人の前に一際大きな化物が向かってくる
他の個体に比べて二倍近い身体の化物は
「「邪魔をするな!」」
言い争いの片手間に倒された
私はどん兵衛も好きです