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オッサンと少年の入れ替わり。オッサンは異世界で美味い料理を作り、少年は日本で無自覚に色々やらかす。  作者: BIRD


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ep17:異世界の商店街でも色々貰った

 昼食後、僕とアウラウダはバスチアン先輩と共に街の見回りに出かけた。

 定期的な巡回は、騎士服姿で行う。

 正式採用済の騎士であるバスチアン先輩は、紺色の生地に金の縁取りがされた騎士服を纏う。

 見習い騎士の僕たちは、若葉色の生地に白の縁取りがされた騎士服を着ている。

 街の治安を守る騎士団は、有事に備えて帯剣が義務付けられていた。


 昼前にひったくり犯を捕らえた僕は、街の人々に顔を覚えられていた。

 特に商店街から港までの大通りを通ったとき、店の人々が「あ、あの子だ」みたいな顔して見てくる。


「あ! 泥棒を捕まえたお兄ちゃんだ!」


 大通りの片隅で遊んでいる子供たちが、僕を見て大声で言う。

 笑顔で両手をブンブンと振られて、僕は照れながら控えめに片手を振り返した。


「???」


 何も知らないアウラウダがキョトンとする。

 バスチアン先輩は、昼前の事件を知っているので笑っていた。


(ああ既視感が……。ってか、この役は僕じゃなくて入れ替わったウォルクリスがやるんじゃないのか)


 異世界の少年と日本のオッサンの入れ替わり。

 それは、昼休みに寝たときには起きなかった。

 両方が眠ったタイミングで発生するのかもしれない。

 今日は月曜日。日本にいる「鷹野翔太郎」は仕事中だ。

 昼休みに寝ることは無いので、入れ替わらなかったんだろう。


「兄ちゃん強いと思ったら騎士様だったのか」

「いえ、まだ見習いです」

「そうかそうか。しっかり食って鍛錬に励んでくれよ」

「ありがとうございます」


 パン屋の前を通ったら、気さくな店主に話しかけられて、バケットに似た長いハードパンを貰ってしまった。

 大きな紙袋にドッサリ縦詰めされたバケットを見て、アウラウダが目を丸くしている。


「たくさん食べて立派な騎士になっておくれ。はいこれ持っていきな」


 茸を売る露店の前を通ったら、シメジとマイタケをドッサリ貰った。

 オマケに干しシータケまで袋詰めして渡された。

 春の宴の前に、きのこパスタを作る予定ができてしまったよ。


「約束通り、作った料理を差し入れに来ました」

「あら美味しそう! お礼にこれあげるわ」


 魚屋へ蛸のガリバタ醤油ピラフを差し入れたら、フロコン・ド・ボニット(鰹節薄片)を大袋でくれた。

 材料をくれたお礼だったのに、お返しのお返しを貰っちゃったよ。


「ウォルお前、買い物に行って何してきたんだ?」

「通りすがりのひったくり犯を捕まえただけだよ」


 アウラウダに訊かれて、僕は苦笑しながら答えた。

 バスチアン先輩がバケットを持ってくれて、僕とアウラウダは茸が入った袋を抱えて宿舎に帰った。



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