決着
「な、なんで……」
鳴り響くサイレンがうるさい。顔には強い熱気が当たる。
煙を上げながら俺の自宅は燃えていた。
周りの静止を振り切り、俺は燃え盛る家に入ろうとした。だがすんでのところを消防士に止められる。
「はなしてくれ、中に父さん母さんチャッピーがいるかもしれないんだ!!」
必死に抵抗するが、数人に抑えられてしまい身動きがとれない。俺は燃え盛る自分の家を黙って見ることしかできなかった。
そして懸命な救助も虚しく、父さんと母さんとチャッピーは亡くなっていた。
死因はこの火災によるものではない。それはそうだこんな時間から寝てるわけもなく
すぐ異変に気付いて逃げ遅れるなんてないんだ。父さん達は刃物での刺し傷が原因で亡くなったようだ。
(誰がいったい……そんなことよりも)
「天使いるんだろ!!出てこい!!」
『はーいなんでしょう。お久しぶりですね』
「頼む時間を戻してくれ!お前なら出来るはずだろ!父さん達が生きている時間に俺を連れてってくれ」
『できないですよそんなの〜。私たちに出来るのは別の世界線に飛ばすことだけ。それも一人一回までしか出来ませんしね。』
「くそ!なんでなんでだよ…」
病院のベンチに座り、どうにもならない現実に打ちのめされ、頭を掻きむしった。これなら前世の方が良かった。俺一人が虐められて不幸になっただけだった。父さん達や渚も死ぬことはなかった。俺のしてきたことはむしろ俺の大切な人達を傷付ける結果になったのだ。
「涼介くん…」
「弥生か…。どうした…?」
「うちのお母さんがね。あの…その…」
「なんだよ!はっきり言え!」
「ご、ごめん…」
やけに勿体ぶって喋る弥生に少し、いらついて言葉がきつくなってしまった。弥生は急に怒鳴られたことで萎縮し、目に涙を浮かべている。
「涼介くんの家から栗原くんが出てくるところ見たんだって…」
「!?それ本当か!?」
「う、うん。その後買い物行っちゃったらしいから火事とかになってるのは知らなかったらしいけど…」
(あいつか…あいつさえいなければ…)
「弥生ごめん…。自首はまだできない…。」
「え…」
「やる事が出来た…それが終わったらかならず戻ってくるから…」
俺は弥生の手を振り払い、病院を飛び出した。
決着をつけよう栗原




