復讐の終わり②
警察には角田が倒れている場所を通報しておいた。そろそろ死体が発見される頃だろうか。俺の携帯からかけたから、もう俺は言い逃れも何も出来ない。
弥生と一緒にこの景色を目に焼き付けるように、少し遠回りをしながら、ゆっくりと自宅に戻る。
これから俺はどうなるんだろうか。法律には詳しくないが、自分の復讐が露見し、もしも捕まった時のために、以前調べた事がある。14歳未満なら刑事責任能力、いわゆる物事の善悪を区別し、自身の行動を律する能力がないと判断され、逮捕などはされず、児童相談所や少年院などに行くらしいが
ただ俺が殺人を犯したと言う話は広まり、学校の人間や近所の人たちからは白い目で見られ、もうこの街では暮らしていけないだろう。俺の殺人動機もあくまで前世のものであり、この世界の俺の殺人は渚の敵討ち以外は、誰も同情などしてくれない。頭のおかしいシリアルキラーだと思われて、今後世間の風当たりは激しくなる。
とりあえず両親には俺の今まで稼いだお金を渡して、ここを離れてもらおう。海外に住んでもらうのもいいかもしれない。
前世でも迷惑をかけて、生まれ変わってもまだ迷惑をかける。なんて親不孝なのだろうか。
俺が犯した罪、角田と根岸の殺害、そして、天童の拉致、ただ天童の件はあのサイコパスの女に家族が何をされるか分からないから、黙っておかなければならない。
罪を償い、もう復讐はやめよう。俺を大切に思ってくれている弥生や両親のために一一
「な、なんで……」
鳴り響くサイレンがうるさい。
顔には強い熱気が当たる。
煙を上げながら俺の自宅は燃えていた。