劇団③
俺は唖然としていた。一際大きな容器に入ったパフェが少食そうな少女に簡単に平らげられるのを見ているからだ。
「甘いものはやはりいいです。スイーツは人類の最大の発明と言ってもいいんではないでしょうか。」
「見た目と違ってすごい食べるんだな…。」
「まだまだいけますよ。甘いものはカロリーには入らないので、無限に食べれます。」
スペシャルデラックスウルトラハイパースーパーチョコレートパフェを5個も完食している少女はまだまだいけると余裕そうな顔をしている。ちなみに俺は一口も手をつけていない。口をつける前にパフェが異空間に消えたかのようにあっという間になくなるからだ。
「…高梨さん、視線はそのままで表情を変えずに聞いてください。」
だらけきったムードから、急に真剣な顔つきになる京子。一体どうしたのか
「何者かにずっと見られています。しかも三人から、」
「獲物がかかったのか。しかも犯人は複数犯?!一人じゃなかったのか」
「それはわかりません。ただ殺気が入っているので、獲物に間違いはないかとは思いますが」
辺りを見回そうとして、顔を動かそうとしたが、素早く京子の手が顔を抑えてくる。
視線を周りに向けて、バレることを恐れたのだろう。
「パフェは名残惜しいですが、このまま計画通りに別れましょう。会計はお願い致します。」
さらっと会計を押し付けてるところ嫌いじゃない。
俺は苦笑いしながら、頷くと、京子が突然抱きついてきた。そしてそのまま耳打ちをしてくる。
「恐らく気配の殺し方からして、素人です。後、状況次第では私は身を守るために相手を殺めてしまう場合もありますので、御了承ください。」
「わかった。獲物が釣れたらすぐ知らせてくれ。」
一一一一一一一
「あの女は誰なのかな。弥生ちゃん」
「わ、わかんない。初めて会う人かも」
あれから私は雪ちゃんと街に遊びに来ていた。そこで偶然涼介くんと見知らぬ女の子カフェに入ってくのを見つけて、こそこそと二人で様子を見ている。
「二人でパフェ楽しそうに食べちゃって…ぽっと出のやつがよ…」
雪ちゃんが動揺しているのか、先程から口調が乱暴になっている。でも涼介くんの顔が困惑しているのが見えるから、恐らく二人はそういう関係でないことがわかる。でも抱きついている行為自体はかなりショックだ。
(それにしても雪ちゃんもやはり涼介くんのことが好きなんだろう。以前紹介してって頼んできたしな)
「何か別れるみたい!つけてみよう!」
「ええ、バレたらまずいよ雪ちゃん」
「じゃあ弥生ちゃんはここにいていいよ。私は行くから」
付き合っていないとしても、気にならないと言えば嘘になる。私は雪ちゃんの提案に乗り、後をつけることにした。




