憎悪②
私、佐伯ベリース渚は恋をしている。きっかけは絡まれていたところを助けてもらったことからだ。
そこから連絡先も交換したのに
あれから特に絡みもなく、2年生になってしまった。
いちお言い訳をさせてもらうと、彼の側には常に誰か女性がいるのだ。
しかもどれも可愛い子ばかり
顔ならきっと負けてないはず…だけど、胸の勝負になると勝ち目が薄い。
あれからラインが一通も来ない時点で、脈がないのはわかってる。そして自分から連絡する勇気もなかった。ただこのままではライバルに彼を取られてしまう。私は意を決して彼に電話をかけた。
「もしもし」
(は、早いのよ!馬鹿!まだ心の準備が…)
ワンコールで出たことが予想外で慌ててしまう。
「もしもし、もしもし!電波悪いんかな?一回切るか。」
「おい!待てぇ!切るな!」
「あ、いるなら返事しろよ。何の用だよ。」
私だけが一方的にドキドキしてるのがムカつく。
「ま、前に助けてお礼がしたくて!」
「別にいいよ。」
「こらぁ!お礼させろぉ!」
「お礼をする人間の態度じゃないな!?おい!?」
その後、少し強引だったけど、お礼という名目で会う約束を取り付けることができた。
「これってデートだよね。いや、デートにするぞ!私に振り向かせて見せる!」
一一一一一一一一
「よ、待ったか?」
「ううん、私も今来たところ!」
(本当は2時間以上前から来てたなんて言えない…。)
「じゃあ今日は私の奢りで色々行こう!」
「別にそんなんいいのに…。」
「いいから!借りは作りたくないの!」
私は涼介の手を引っ張り、第一の目的地のカフェに向かった。
カフェに着いて、席に座って注文終えると、彼が携帯を見て、いつもは見せないような笑顔をしている。
「何か機嫌いいね?」
「うんまあ。犬を飼い始めてさ、それがもう可愛くてさ。」
「へぇ、何で名前なの?」
「チャッピーって言うんだよ。ほら見てみて」
携帯を見せにくる。一緒に覗き込んだから顔が近い。意外にまつ毛長いんだ涼介
「ほら、可愛いだろ?この表情とかたまんないよな」
「う、うん。凄い可愛い…。」
まともにペットの写真なんて見れないよ。涼介の顔の方に気を取られてしまう。
「そういえばお前好きな人とかいるのか?」
「い、いないけど…」
「本当か!?良かったぁ」
「何であんたがそれで安心するのよ!?関係ないじゃん!?」
(え、まさか涼介。私の事を…)
「関係なくはない。お前に好きな人がいたら困るんだ。」
「え、それってどういう意味…?」
「同じクラスの男子から聞いてほしいって頼まれててさ。そいつめっちゃいいやつだから、絶対渚も気にいると思うんだけど…って、何か怒ってる?」
「何よそれ…私に好きな人が出来ても絶対にあんたには絶対教えないから!」
「おい!待てよ!」
私は会計だけをテーブルに置いて、お店を飛び出した。
期待した私が馬鹿だった。涼介は私の事を好きじゃないのに
涙が溢れてくる。頭の中から消し去りたくても消えてはくれない。
涼介は追ってきてたけど、路地裏に隠れてやり過ごす事が出来た。追いかけてきたのは嬉しいけど、今は顔は見たくない。涙が抑えられないから
(暫くここにいよう…)
だいぶ走ったせいか、息切れが激しい。背伸びして履いてきたおしゃれな新しい靴も足になじんでなくて、靴擦れで痛い。
「みーつけた!」
急に声がして、振り返るとそこには自分と同い年ぐらいの見知らぬ男の子がいた。
「早いよぉ。こっちはお前の彼氏のせいで怪我してるんだからさぁ」
「私に彼氏なんていない。人違いじゃたいですか?」
「いいなぁ。俺は何もかも失ったのに…いいなぁ全部持ってて」
(目が血走ってるこいつやばい逃げなきゃ。)
逃げようとした瞬間、服を掴まれる。
そのまま地面に倒され馬乗りになられる。
そして男の拳が私の顔目がけて飛んでくる。
助けて涼介一一一一




