四人目④
「というわけで前田先生に来てもらいましたー。」
天童が仕組んだカンニング捏造事件以来の登場だ。俺が弱みを握ってるからか、萎縮した様子で前田が現れる。
「高原くん…な、なんの御用ですか…?」
必要以上にへりくだってるその姿は可哀想に少し思えるが、自業自得のためしょうがない。
「うちのクラスで虐めが起きてる可能性があります。」
「そ、それはほんとですか…気付かなかったです!本当です!すいません!」
酷く慌てふためいているが、今回の件で前田を責めるつもりは毛頭ない。きづかなかったのも本当の事だろう。距離がより近い俺も気付かなかったのだから。
「別に責めてないですよ。ただ起きてしまったものは解決しないといけないですよね」
「その通りです!ちなみに誰がいじめられて、加害者は誰なんでしょうか」
「被害者は宮村で、加害者は村井、草野、藤吉だよ先生。」
「む、村井達ですか…。」
「ただ証拠がまだ掴めなくてさ、ちょっと尻尾を掴みたいから、揺さぶりをかけたいんですよ」
「な、何をすれば?」
「先生には放課後、明日の放課後、虐めがクラスにあるとクラスの全員の前で言って貰います!」
「証拠がないのに、それは少し…。村井達の親が少し面倒くさい人達でして」
「先生、大丈夫です。俺が全部上手くいくように場を整えるので、先生はいじめがあることを言って、村井達を呼び出して、軽く聞き取りをしてもらうだけで大丈夫です。」
一一一一一一一
「みんなの前で告発なんてしたら、弥生がバラしたって思われて、報復を受けるんじゃないの?」
「まあそれが狙い。あいつらは逆上して、絶対目立つような嫌がらせをするはず。そこの証拠を掴む。」
「弥生を囮にするってこと!?」
「まあそうなるな…。」
「あんた本気で言ってんの!!」
えりかの怒りは無理もない。だが現状これが最も早く解決できる方法だ。
「じゃあお前に何か案はあるのか?」
「あいつらをぶっ飛ばして、吐かせればいいじゃない。」
「それこそ俺らが不利になるだろ…脅されて言わされましたなんて、言われたらどうするんだよ。」
「でもあんたの作戦には賛成できない…」
「このまま何も出来ないで、放置をしておいたら弥生の心はそれこそ壊れる。後で俺のことは殴ってもらってかまわない。これが最善なんだ。」
「わかったわよ…。」
いかにも納得はしてないという顔だ。後で、幾らでも殴ってくれて構わない。自分でも最低な提案をしてるのはわかってるからだ。
「陛下!話を遮ってすいません。ただ村井達の親の方はどうするのですか?あれこれ難癖つけてきますよ。主に前田が攻撃対象になると思いますが…。」
「そっちの方は俺がやるから大丈夫。えりかと由美達は村井達が釣れたら、尾行して証拠を掴んでくれ。」
(前世の通りなら村井の親たちはあの弱みがあるはず、子供だけじゃなくてそう育てた親にも責任は取ってもらわないとな)




