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忍び寄る魔の手④


授業が終わり、放課後になると、前田からメールが届く。「連絡があった。2階の準備室に呼び出してある。従うから、俺のことはバラさないでくれと」

気持ちはわかるけど、前田は自分の我が身が可愛すぎるな。ただ変に学校から追放して、恨みを買うのも後々面倒臭い事になる。ただ野放しというのも被害者の子達に悪いからな。とりあえず前田の処理は後で考えよう…。


「涼介くん一緒に帰ろ。」


「ごめん、弥生。ちょっと先生から頼まれた用があってさ、先帰っててくれ」


「うん…じゃあ今日良かったら夕飯食べに来てね。お母さんが涼介くんも呼んでって言ってたから」


「わかった。またな!」


俺は弥生とのやり取りを終えると、準備室へ向かった。準備室に着くと、クラスの女子が2名ほどいて、天童達の姿は見えなかった。

俺の姿を見ると、そこにいた田中と楠木のクラスメイトの二人は驚いていた。


「なんで高原がここに?」


「俺が前田に頼んで、俺を嵌めようとしたやつを呼び出したからね?」


「何のこと?あんたになんて用はないからさっさと消えてくれる?」


「俺の用事が済んだら消えてあげるよ。」


「…私たちに用事って何?」


「君達がさ、天童の指示で動いてるのはわかってるんだよ。」


「だから何のことって!?」


「このUSBの中に、前田にハニートラップ仕掛けようとしてた動画のファイルが入ってる。」


「は、は?な、なんでそんなもの撮ってんだよ!」


「前田とこんなことしてるなんてバレたら、友達や君たちの親はなんて思うんだろう。楽しみだね。」


「それ返せよ!」


女子生徒の一人の田中が、USBを取り返そうとその場にあったハサミを持って、俺にむかってくる。

俺はその子の腕を掴み、はさみを奪い。瞬時に背後を取る。


「動かないでね?傷ついたら嫌でしょ?」


はさみの刃を女の子の首元に当てると、田中は涙を流しながら震え出す。


「怖い?君たちの選択肢は二つ。俺に逆らって破滅するか。俺に従うか。」


「…っ。この異常者!!」


「君たちが先に仕掛けたのにそう言う事言う?」


はさみの刃を傷がつかないように、首元に刺していく。こんな家庭用のはさみじゃ、切り裂いても大して傷はつけられないけど、十分な脅しにはなる。


「ひっ、た、助けて…」


「田中の首。楠木が謝んないと、どうなっちゃうかな?」


「み、美樹…。た、助けてぇ!!」


「ご、ごめん。だから由美から離れて!」


「俺に従う?」


「私たちは高原くんに従います…」


「万が一でも裏切ったらわかってるよな?」


田中と楠木は絶望した目で、何回も首を縦に振った。裏切ったら動画をばらされるだけじゃないとわかっているんだ。交渉ごとにおいて、大事なのはこいつならやりかねないと相手に思わせる事だ。さっきのはさみはそのデモンストレーションとして最高の効果を発揮した。


一一一一一一一


「くそっ!!どうなってんだ!!」


普段は冷静な天童は動揺を隠せないでいた。突然の前田の掌返しやファンの女達から、もう協力できないというメールが届いたからだ。


「どうすんだよ?」


「今考えてる!」


今まで自分達の思い通りになってきた。これからもそうなると思っていた。だが今回の相手はなりふり構ってられないそんな相手だ。


「あいつを使う…。」


「あいつって誰だよ」


「俺のファンにやばい女がいてさ、目がいっちゃってて、度々他のファンと揉めるから出禁にしたぐらいでさ」


「そいつを使って高原をやるわけか」


「そうだ。何があっても俺のことは警察に売ったりしないからなファン達は。全く便利な存在だよ。」


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