デート②
お前それで黙って引き下がったのか?このヘタレめ!」
「これでも頑張ったんだよ…」
たけしが頭を下に下げて、目に涙を潤ませる。
偉そうなことを言ってるが、俺も女子にそんなに男らしくはできない。ましてデートに誘うなど不可能に近い。そういった意味でたけしは俺の数段上をいってるのだ。ここは協力をしてやろう。
「わかった協力する。一つ貸しだからな!」
「ありがとう涼介!心の友よ!」
たけしが泣きながら抱きついてくる。ただ俺もデートなんて初めてだ。きちんとサポート出来るかどうか
デート当日の朝、俺は出来るだけおしゃれな服を選んでいた。ただ全く服が決まらない。やはり腕に鎖をじゃらじゃらつけておいたほうがいのか、前世の俺はパンツですら母親に買ってもらっていた。こういうところのスキルも磨いていかないと…。
「それ最高にださいよ」
突然後ろから声がして、俺は驚いて思わず飛び上がった。
「天使、急に出てくるな。驚いたろ!」
「驚かせたのはごめんだけど、腕に鎖巻いて、変なペンダントつけて、黒ずくめって中2病全開で吐きそうなぐらいださすぎ。思わず忠告したくなったの」
「やっぱりださいのか…ラノベの主人公を参考にしたんだが…」
「とりあえず小学生の男子の服なんてあんまりめかしこんでも身長も低いし似合わないんだがら普通が一番良いのよ。とりあえず鎖とペンダントは外しなさい!」
天使のアドバイスをもとに普通のTシャツとズボンというシンプルな格好になった。今度ファッション雑誌でも買ってみようかなと思う。
「いけない忘れてた。大事なことを忠告しにきたんだった。」
天使は深刻そうな顔をして、少し声のトーンを落としていった。
「今から出かけるみたいだけど、君にとって最も会いたくもあって、最も会いたくないやつと会うことになるから覚悟しといたほうがいいよ」
「どういうことだよ。もうちょっと具体的にだなぁ」
「君をいじめてた相手。栗原くんだっけ?会うことになるよ」
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