第七十九話 底辺校で人生終わったと思ったら
“この高校に入学したのは自分で希望したわけではない。中学の担任の先生から「お前はここしか行けるところがない」といわれて入った。入学したJ高校は思ったよりひどかった。
入学式の時の校歌は、ブラスバンドの演奏ではなくテープが流れていた。卒業した中学ですらブラスバンドだったのに。そのとき「ああ、おれはこういう学校に入ったんだ」とがっかりした。”
(「ドキュメント 高校中退」 ちくま新書)
いやもう、ほんとおぉ――ッによく判ります。 15歳あるいは18歳で人生を否定された気持ち、これからの長い長い人生を落伍者として過ごさねばならないという失望と屈辱。
この絶望の深さを理解できないとか言う人、あなたの血は何色ですか?
その上でいいたいのです。あなたにはまだ道があると。
「レモンを手にいれたらレモネードをつくれ」というアメリカの格言があるそうです。(「レモン」はアメリカでは不運・不幸のシンボルらしい)
逆境をバネに次の手を考えるのです。
なるほどあなたは受験に失敗して、嘔吐を催すようなろくでもない学校へいった。数学の授業は分数からやり直しているが、それでも赤点取る奴のほうが多い。英語はI have a bookレベルなのに、読めないからと板書のときにアイ ハブ ア ブックと振り仮名を振られる。落胆しないほうが不思議です。
クズのような学校に期待するのはやめましょう。考え方を変えれば、勉強しなくても卒業できて高卒or大卒の資格をもらえる所へ行ったんだと考えるのです。どうせ学校の勉強なぞ社会では役に立たないことの方が圧倒的に多いのです。
その上で三年(四年)間でできることを考えましょう。ユーチューバ―のようにネットに人生の活路を見出すのもいい。底辺校のトンデモを(たとえば九九ができない奴がいるとか)ネタにピン芸人を目指すとかもどうです。
あるいは一生喰っていく資格を取る道を目指すとか(調理師なんかどうですか。社会に絶対に必要とされる職能で、なまじ大卒の事務職なんかよりもつぶしが効くとおもしますが)。
百万回泣いても事態は一ミリも好転しませんが、それでも逆境は常に他の道をも示してくれます。
見つけ出すのはあなたです。