二者面談
PV10000超えました!読んでくださる方ありがとうございますm(_ _)m感謝です!
今回は担任視点です。
GW明け、教師は生徒と二者面談が始まる。
そのため、俺もクラスのデータをまとめ、忙しい準備が始まった。
~
そして、二者面談が始まる。俺のクラスは比較的穏やかなメンツが揃っていると言える。
ただ、クラスの面々はある女子生徒のこととなると性格が変わる。
例として、少年A。
「このクラスの中心は誰だと思う?」
俺が少年Aに尋ねる。それまで大人しめに答えていた少年Aは目の色を変えて話し出した。
「それは、白雪誠さんでしょう!あの綺麗なお顔に優しい眼差し。そして、誰よりも優しい!彼女は家の経済状況があまり良くないのに、わざわざ俺達に高級なお土産まで配って、みんなの喜んでいる姿が見たいからっていうんですよ!?もう、クラスみんなで涙!彼女を守る親衛隊も発足したぐらいです。彼女が発言すればクラスのみんなが納得する。なんと言っても彼女、すごい謙虚なんですよ!」
「はいはい、わかった。十分わかったからもう良いぞ」
まだまだ続くようなので途中で止める。少年Aはまだ話したそうにしていたが、時間だと言って帰す。
そして少女A。
「このクラスの中心は誰だと思う?」
俺が少女Aに尋ねる。それまで控えめに話していた彼女はその言葉を聞いて頭のネジが外れたかのように話し始めた。
「それは白雪誠さんです!美人で優しくて誰とでも差別なく話し、愛想を振りまき、男子には天使の如く、女子には妖精の如く、神聖視されています!」
すごく真面目そうでいつも成績の良い彼女が詩人のようになってしまった。心の中で驚きながらも苦笑いをして教室に帰した。
白雪誠、恐ろしい少女だ。
事実、俺も見惚れてしまった。入学式の日に初めて教室に入り、生徒を見回した途端、彼女だけオーラが違った。そして、綺麗な見目に見惚れたのだ。一目惚れまではいかなかったが、それに一番近いものを感じた。
それから、実力テストは平均点。非常に惜しい間違いをしていたのでこれが彼女の実力なのだろう。そう思ったが、ある疑惑が発生した。
ある日、国語の先生が彼女のワークを持ってきて言ったのだ。
「先生、このワーク。すべてやってあるんですよ。1年でちょっとずつ進める予定でしたが、他のもそうなんですかね?」
この国語の先生は色々細かいところまで見ているいい先生だ。俺は慌てて数学の予習ノートを見た。
ノートは全てびっしり埋まっていた。
「「…」」
俺達は驚いたまましばらく固まっていた。
やがて、国語の先生が口を開いた。
「彼女、本当に平均点の実力なんですかね?もしかして…わざとじゃ」
悩んだ俺達は彼女を呼んだ。
だが、彼女はわざとではないと言い張った。
だが、彼女は俺の数学の時間にやらかした。タクシー関数なんていうなかなか高校生じゃ知りえないものを平然と答えた。
コンコン。
誰もいなくなった教室にノックが響く。
「失礼します」
そして、今、その彼女の二者面談だ。
ドアを開けてやって来た彼女は相変わらず綺麗だ。彼女を目の前に座らせて二者面談を開始する。
「じゃあ、まずは一ヶ月ほどクラスで過ごしているがどうだ?」
「友達も出来て、クラスのみんなも優しくていい毎日を過ごしています」
「授業はどうだ?」
「…まあ、上々ですね」
少しの沈黙が気になったが、とりあえず質問に集中する。
「自宅からは何で通っているんだ?」
「……電車と徒歩です」
白雪の目は若干泳いでいるのが気になる。ここは聞いた方がいいか?
「えっと、その間はなんだ?」
「…帰りはバイトがあるので」
なるほど。そういえば、バイトの申告があったな。
「バイトと勉強の両立は出来ているか?」
「もちろんです!」
これはきちんと言えるんだな。
「将来は大学進学か?」
「…いえ、就職したいと思います」
意外だな。白雪は進学かと思った。
「そうか、どこに就職したいんだ?」
「…白雪社です」
あの、大手企業か。いろんな所に手を出していてまだまだ発展すると注目を集める企業だ。
「そうか。白雪社は大きい企業だから、結構大変かもな。頑張れよ」
白雪は顔を引き攣らせて笑っていた気がするが、今日はここで二者面談が終わった。
いろいろと忙しくなるのでしばらくかなり不定期になります!
ご容赦くださいm(_ _)m
間違いを教えてくださった方、ありがとうございます(*^^*)今後とも間違いがありましたら、教えてくれるとありがたいです。
4/3 少女Aの所が一部少年Aとなっていたので訂正しました。




