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第2話:カード発動! 雲を裂くアウロラと降下する戦術

【前書き】

お世話になっております。作者です。

第1話をお読みいただき、更に2話にお越しくださり、本当にありがとうございます!

最近は世界情勢や国際ニュースでも不穏な話題が多く、ニュースを見るたびに胸が痛む日々ですね。AIや技術の進歩がもっと平和や医療に直結してくれれば……なんて考えることも多いです。

さて、第2話ではついに『超高度戦術空中母艦 アウロラ』の顕現と、最新鋭の強化外装(ユールスーツ)を纏った空挺降下救出作戦が始まります! 圧倒的なテクノロジーによる痛快な無双劇をお楽しみください!

「ルナ、カードコード【Aurora & Strategic Rescue Unit】を量子計算スロットへ同調! 権限をユーリア、ならびに現地のアリアーナさんへ一次委譲!」


『了解しました、マスター・ワタル。高次元スピン構造の読み取りを開始します』


俺が手に握り締めたDWASチタンカードをDW-QCSのメインリーダーにかざすと、カードに刻まれた幾何学的な光の紋様が青白く輝き出した。


世界の真理——すべての物質と事象は、無限の速度で周回する単一の作用点が描く残像(スピン)に過ぎない。

DW-QCSはその残像の外殻をダイレクトに計算し、新たな事象として現実世界へと上書きする。


キーーーーーーン……!


超高周波の共鳴音が部屋中に響き渡り、DW-QCSの演算フレームから光の束が天井を突き抜けて、上空数万メートルの成層圏へと一気に立ち上った。


直後、部屋の窓から見える空が一変した。


「な、なに……!? 空が……割れてる……!?」


涙を拭ったユーリアが、呆然と窓の外を見上げる。

雲海が一夜にして巨大な竜巻のように渦を巻き、分厚い雲の層が真っ二つに押し開かれていく。その裂け目から差し込む太陽の光の中に、一隻の『巨大な影』が姿を現した。


光学迷彩が解かれ、圧倒的な存在感をもって天空に顕現したのは、全長数百メートルに及ぶ純白と透明な結晶装甲に包まれた美しき巨艦——。


『——超高度戦術空中母艦 アウロラ(Aurora-Class)、現世への具現化を完了しました。主機DWASジェネレーター同調率100%。いつでも出撃可能です』


ルナの厳かなアナウンスが響く。


「これが……アウロラ……! ユーリア、準備はいいか!?」

「え!? じゅ、準備って……私、なにも持っていないよ!?」

「心配いらない。カードが全部やってくれる」


俺が二枚目のDWASチタンカード【Application Suit & Armor】をタップすると、カードから溢れ出た光の粒子がユーリアの全身を優しく包み込んだ。


光が収まると、ユーリアの衣服の上に、しなやかで肌に吸い付くような薄青色のインナースーツが瞬時に形成されていた。


「きゃっ……! なにこれ、全然重くない……? すごく身体にフィットしてる!」

「基幹インナー《ユールスーツ》だ。環境遮断と生体維持、そして外殻ロボットと接続するためのアプリケーションスーツだよ。そして——」


『外殻ユニット・汎用型強化外装のドッキングを開始します』


アウロラの格納庫から射出された光の粒子が、ユーリアの頭上から降下し、彼女を包み込むように展開した。

装甲パネルが心地よい機械音を立てて噛み合い、ユーリアのユールスーツと完全に内包・合体装甲化される。白銀とスカイブルーの美しい曲線をあしらった最新鋭の汎用型強化外装が、彼女の全身を覆った。


「すごぃ……身体が軽い……! 画面に色んな情報が映ってる……!」

「アリアーナさんたちの救出は、自立型防御AIロボと救命ポッドが先導する。ユーリア、君はその強化外装で現場の安全を確保してくれ!」

「うん! 私、お姉ちゃんを絶対に助ける!」


『戦術空挺降下シークエンス、スタート。目標、ウクライン南部都市ムイコラーユ!』


アウロラの下部ハッチが開き、流星のような光の帯が次々とウクラインの空へと打ち出された。


◇ ◇ ◇


ウクライン南部、ムイコラーユ。


「ぐっ……ハァ、ハァ……!」


崩壊した野戦病院の瓦礫の陰で、アリアーナ・ヴァイスマン(18)は途切れそうな息を吐き出していた。


激しさを増す一方の砲撃。病院を包囲した敵勢力の装甲車からは、無情な弾雨が浴びせられている。徴兵された父の姿を瓦礫の向こうに見つけたものの、あと数十メートルの距離が、死の壁となって立ちふさがっていた。


(もう……ダメなの……? ユーリア……お母さん……)


目の前で敵の装甲車が主砲をこちらへ向けた。死を覚悟し、アリアーナがギュッと目を閉じた、その瞬間——。


ドドドドドォォォォンッ!!!!


天を突くような凄まじい衝撃波が現場を襲った。


「な、なに……!? 空から、何か落ちてきた……!?」


アリアーナが目を開けると、病院の敷地中央に数機の巨大な無人機——自立型防御AIロボ(ヘカトンケイル・ドローン)と、カプセル型の高機能救命ポッドが着弾していた。


敵の装甲車が一斉に砲撃を放つ。だが、放たれたミサイルや幾百の弾丸は、AIロボが展開した透明な光の壁(DWASバリア)に触れた瞬間、運動エネルギーを完全に殺され、ただの無害な金属片となってパラパラと地面に落ちた。


「弾が……効いていない……!?」


『アリアーナ様。危険領域からの救出を開始します』


カプセル状の救命ポッドが自動で展開し、瓦礫の下から傷ついた父と負傷者たちを包み込んだ。高濃度のナノ医療粒子が散布され、父の出血が一瞬で止まり、顔色が劇的に回復していく。


「お父さん……!? 傷が、消えていく……!?」


驚愕するアリアーナの頭上から、一筋の美しいスカイブルーの光が舞い降りた。


ドサッ、と軽やかに着地したのは、白銀の洗練された強化外装を纏った人型のシルエット。

その背の装甲から放たれた『広域共振波』が波紋のように広がり、周囲の敵兵器の電子回路を一瞬でシャットダウンさせた。戦車も装甲車も、すべて沈黙する。


「お姉ちゃん!!」


強化外装のバイザーがスライドし、中から現れたのは、泣きじゃくりながら微笑む妹・ユーリアの顔だった。


「ユ……ユーリア!? なんでここに……その格好は……!?」

「四条先輩が……ワタル先輩が助けに来てくれたの!」


ユーリアの強化外装の空間モニターに、日本から指示を出す四条亘の姿が投影された。


『アリアーナさん、初めまして。四条亘です。もう大丈夫ですよ』


「四条……さん……? あなたが、この信じられない力を……?」


『ええ。理不尽に人が殺される時代は、俺がここで終わらせます』


上空数万メートルから、アウロラの光がムイコラーユの街全体を照らし出す。

弾丸すら通さない絶対のバリア、傷を一瞬で癒やす医療技術、そして戦場を一瞬で鎮圧する圧倒的なテクノロジー。


黒海の悲劇を乗り越えた少年と少女たちの、地球上の理不尽を叩き潰す「無双劇」が、今ここに始まったのだった。

【後書き】

第2話をお読みいただきありがとうございました!

『アウロラ』の豪快な顕現と、ユールスーツ&強化外装による圧巻の救出劇、いかがでしたでしょうか!

傷ついたお父さんとアリアーナさんを無事に救出でき、ワタルたちの反撃の第一歩が始まりました。


次回は、助け出されたアリアーナたちの合流と、地球上の紛争や貧困を引き起こす「理不尽な構造」そのものへDWASの牙を剥く第3話をお届けします!


もし面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価(★★★★★)をいただけますと執筆の大きな励みになります! 次回もお楽しみに!

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