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【第二部】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!ーそれでも世界はのんびりを許さない  作者: DAI


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第36話


ここはオルガの精神世界。ゴブローは少年のオルガと出会い。オルガの父親と何故か意気投合していた。



翌朝。


「う、うーん......」

頭が重い。昨夜はついつい呑みすぎてしまったようだ。ゴブローは重い体を起こして目を開ける。窓から射し込む陽の光が眩しい。

リビングに行くと、オルガの母親が座って紅茶を飲んでいた。

「おはようございます。ゴブローさん」

声を掛けられて思わず赤面する。

「おはようございます。奥さん」

「主人は、もう鉱山に行きました。どうぞゆっくりして行ってください」

そういうとオルガの母親は紅茶を淹れてゴブローに出した。

「色々とすいません......」

ゴブローは恐縮してしまう。

紅茶を飲み干すと、ゴブローは一息ついた。

「奥さん、ありがとうございました。俺はこれで」

そう言って、オルガの家を後にした。

鉱山に行ってみよう。そう思い、鉱山の方に向かった。


鉱山の前では、厳つい身体をした鉱夫たちが忙しなく動いている。

「ゴブローおじさん!」

背後から声を掛けられて振り返ると、オルガがいた。

「お父さんを探してるの?」

「あぁ、そうだ」

「お父さんは坑道の奥にいるよ」

「そうか、ありがとう」

ゴブローが坑道に向かおうとした時だった。


ドカーーーン!!


鉱山の中から大きな爆発音が聞こえた。坑道の入り口からは砂煙りとともにたくさんの男たちが走って逃げてくる。

「爆発!マズいぞ」

ゴブローは考えるよりも身体が先に動いた。坑道の中に向かって走る。

中から出てくる鉱夫たちを掻き分け、奥に進んでいく。怪我をしている人もいるようだ。

砂煙りの中を進んでいくと、何人かの鉱夫が折り重なってたおれていた。

「大丈夫か!」

ゴブローが声をかける。

ううう......

呻き声が聞こえる。


「おーい! ここに怪我人がいる! 手伝ってくれ!」

ゴブローの呼びかけに鉱夫が集まってきた。

一人ずつ救出されていく。

「......ゴ、ゴブロー......」

聞き覚えのある声に気づいた。オルガの父親だ。折り重なった鉱夫たちの一番下にオルガの父親はいた。

「おい! こっちを頼む!」

オルガの父親も助け出されたが、重傷だ。

「ゴブロー......俺はもうダメだ......オルガのことを頼む......」

「何を言ってるんだ? 生きるんだ。生きてオルガと話せ」

「ゴブロー、後は頼んだ......」

そう言ってオルガの父親は意識を失った。


ゴブローも一緒に行こうとしたその時。背筋に恐ろしい気配を感じ、振り返ってみると、赤い目がこちらをみていることに気づいた。

「彼のことを頼む!」

ゴブローは鉱夫たちにそう言って、坑道の奥に進んだ。


ところどころ崩れかかった坑道を慎重に進んでいくと、空気が重く薄くなる感覚が襲ってくる。

その先に赤く光る目が見える。

その目が話し出した。

「こんな所まで来る人間がいるとは驚きですね」

強烈な威圧感。しかし物腰柔らかな口調。

「お前は......ビャッコ!」

ゴブローは叫んだ。

「私の名前を知っているとは光栄です。あなたはゴブリンですね?」

「俺はゴブリン村の戦士ゴブロー。この爆発はお前の仕業か?」

「そうです。全ては魔神様のため......」

ゴブローは怒りに肩を震わせている。

「ふざけるな! 人の命を何だと思ってるんだ!」

「魔神様の復活の糧となるのです。とても光栄なことですよ」

「くそが! そんなことはさせない!」

「お喋りはここまでです。死になさい、ゴブリン」


ビャッコはゆっくりと剣を構えた。

ゴブローも大剣を構える。


先陣を切ったのはビャッコだった。

ビャッコとゴブローの一騎打ちが始まった。


ビャッコの素早い剣捌きをゴブローは大剣でかわしていく。

「なかなかやりますね、では奥の手を出しましょう。黒波動剣!」

ビャッコは暗黒の波動をその剣に纏わせる。

「さあ! 来い!」

ゴブローが挑発する。


「生意気なゴブリンめ! 思い知るが良い!」

ビャッコが更に素早い動きで襲いかかる。ゴブローは押されている。

「足元がお留守だぞ!」

ゴブローが大剣を低い姿勢で振り回した。ビャッコの足首に当たり鈍いおとがする。

「ぐわぁっ!」

堪らずビャッコは尻をついて倒れた。

ゴブローは大剣をビャッコの首すじに当てる。

「勝負アリだな」

「くそっ、殺せ!」

ビャッコは観念した。


その時、

「きゃははは!ビャッコ、あたしのおもちゃ。帰って来なさい」

何処からともなく声が聞こえた。その瞬間、ビャッコの身体は黒い霧に包まれて消えた。

「今のは、まさか、メルティナ?」

ゴブローは大剣を鞘に収めた。

ビャッコの消えた後には、真っ赤な宝石が残されていた。

「もしかして、これが魂の核か?」

ゴブローはそれを拾い、坑道を後にした。


鉱山の外では、鉱夫やその家族、町の人々がひっきりなしに走り回っている。

その被害は甚大だった。




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