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第37章

 【記念品】


 旅人がアイルランドを旅していて、ミルクが飲みたくなり、わらぶきの小さな家に立ち寄った。


 彼はミルクをご馳走ちそうになっているうちに、テーブルの上の、立派なガラス器の中に、レンガと、れしぼんだバラの花が飾られているのに気がついた。


 「どうしてあなたは、こんなどこにでもあるレンガや枯れたバラなどを大切に飾っているんですか?」


 不審ふしんに思った旅人が、小屋の主人にたずねた。


 「いや、これは記念の品でな・・・。」


 主人は答えた。


 「わしの頭のここんところがへこんでいるだろう? これは、このレンガでできたへこみなんじゃ。」


 「なるほど。では、枯れたバラは・・・?」


 「それはな、このレンガをわしにぶつけおった男の墓に生えたものなんじゃ。」


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 【夜の森で】


 「ママ・・・どうしてパパはこんなに青い顔なの?」


 「おだまり! 黙って掘るのよ。」

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