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第31章

 【本名ほんみょう


 深夜、酔っ払って歩いている男を、警官が職務質問した。


 「きみの名前は・・・?」


 「ジョン・スミス。」


 酔っ払いが答えた。


 「ジョン・スミスだって!?」


 警官が疑わしげに言った。


 「ウソだろう。本当の名前を言いたまえ。」


 「よろしい。」


 酔っ払いが答えた。


 「それじゃ、『ウィリアム・シェイクスピア』とでも書いておきたまえ。」


 「そのほうがいい。『スミス』なんてありふれた名前で、本官ほんかんをだますことはできんぞ。」


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 【おませ】


 七歳になるおませな女の子が、ママに弟がほしいとおねだりした。


 ママはいささかうろたえたものの、すぐに気を取り直し、なだめるような口調くちょうで娘に言ってきかせた。


 「残念だけど、それはできないのよ。赤ちゃんって、とてもお金がかかるの。今、パパとママにはそんなお金はないの。」


 「ママ!」


 と、娘は怒った口調で言った。


 「赤ちゃんは、お金で買うものじゃないのよ。ちょっとお話があるから、そこに座ってちょうだい。」

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