第1話〜体育館
幼馴染の二人、蓮と美咲。最悪の口論の末に待っていたのは、まさかの「身体の入れ替わり」だった――!?
少女漫画の王道でありながら、どこかほろ苦い「僕と私の入れ替わり劇」。
外見からは見えないお互いの本音や、不誠実な笑顔の裏に隠された真実とは。二人が本当の意味で向き合うための、少し不器用で特別な物語がここから始まります。
どうぞ最後までお楽しみください!
キィン、と高いバッシュの摩擦音が体育館に響く。
「蓮、ナイスシュー!」
女子生徒たちの黄色い歓声を受けながら、蓮は汗を拭いもせず、軽く手を振って応えた。抜群のセンスでエースを張る男。その端正な横顔と「来る者拒まず」の気さくな態度は、いつも周囲に人を惹きつけて離さない。
その様子を、体育館の入り口から美咲は冷めた目で見つめていた。
(また、あの子と連絡先交換してる……)
蓮のスマホには、美咲の知らない女の子からの通知が絶えない。問い詰めても、彼はいつも「ただの友達だって」と悪びれもせずに笑うだけ。その不誠実な笑顔に、美咲の心はすり減り、限界を迎えていた。
——そして翌日の放課後。
誰もいなくなった教室で、二人の感情はついに爆発する。
「もういい、蓮なんて最低の浮気者よ!」
「お前だって、俺の何を知ってるって言うんだよ!」
激しい口論の末、もみ合うように掴み合ったその瞬間、世界がぐにゃりと歪んだ。
カッと目を開けると、視界の高さがいつもと違っていた。
「……は?」
美咲の口から漏れたのは、聞き馴染みのある、けれど明らかに自分のものではない低い声。慌てて手を見ると、そこには美咲の華奢な手ではなく、バスケットボールを掴み慣れた蓮の大きな手があった。
目の前には、自分の身体——今にも泣きそうな顔で硬直している「美咲の姿をした自分」が立ち尽くしている。
「嘘……でしょ……?」
蓮の身体になった美咲の言葉と重なるように、美咲の身体になった蓮が、慣れない高い声で絶句した。
夕暮れの教室。二人の心と身体は、完全に逆転してい
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