本気
一気にPV増えました。
作家冥利に尽きますね。
ドームに向かう途中、徹に会った。
さすが、わが友だ。いいところにいたな。
「徹ー」
「お、カイトじゃんか、ラウルとかっていうあのごつい人と戦うって聞いたけど本当なのか?」
「ああ、残念なことに本当だ。そこでだな、お前に一つ頼みがあるんだが、お前『B-SHOCK』持ってたよな?」
「何がそこでだな、だよ。話繋がってないじゃないか。まあ、それなら持ってるけど?」
徹がドヤ顔で左腕を見せつけてくる。
若干憎いが、顔面と釣り合ってない行動なので許してやるかw
「さすがイケメン(笑)徹様だな。少しの間だけ貸してくれないか?」
「お、おう。そこまで言うなら貸してやんよ」
「恩に着るぜ、親友!」
やはり徹はチョロいのであった。
ドーム内に入るとそこにはミレイアさんとスケイルさん、そしてラウルさんがいた。
ラウルさんは本気の表れなのか重たそうな鎧に身を包み、大剣に両手を据えて堂々と鎮座していた。
やはり強いのだろう。
素人なりにそのオーラから感じるものがあったのは確かだ。
対して俺の格好は黒い長袖長ズボンの服に黒いボロマントを着て、右の腰にはダガーを、左の腰にはハンドアックスを二本装備している。
ミレイアさんによるルール説明が行われる。
「ルールの説明を行います。技、奥義は許可、殺害または回復手段のない傷を負わせた場合は敗北とともに死刑が課せられます。時間制限は五時間で、どちらかが降参するか私が勝負ありと判断した場合、勝敗が決します。
何か質問は?」
「ありません」
「ないな。早くこいつに奥義が見たいものだ」
あの目、本気で殺る気だ。気を付けなければな。
そんなことを考えながら腕時計を付ける。ベルトはピッタリだった。これは助かる。
そうこうしているうちに時間となった。
「では、一分後に試合を開始します。それぞれ、距離をとってください」
お互いにその身体能力を活かして一気に500mほど離れる。
「試合開始っ!」
増音魔法によって拡大されたミレイアさんの声がドーム全体に響く。
その瞬間お互いに地を蹴り接近しあう。
するといきなりラウルさんの動きが止まった。
「小僧、先にこい」
「いいんですか?そんな余裕をかましてて」
「抜かせ、青二才が」
そこまで言うのなら全力で行ってみるか。
まずは一度も使っていないアサシンの技を使ってみることにする。
「アサシネイトっ!」
アサシネイト。初級技の一つで単純にダガーでの攻撃の威力を上げて切るだけの技だ。しかし倍率15倍という破格の数字による攻撃だ。しかも鎧の繋目の隙間、すなわち素肌に当てたのだ。ノーダメージなわけがな・・・
「なんだとっっっ!?」
「その程度の技効かぬわっ!」
「化け物かよ!」
「そのセリフは聞き飽きたわ。次はこちらから行くぞ」
くそ。あの身体で放たれる攻撃だ。正面から受けとめたら一たまりもあるまい。
「メテオォォォォォォォ・クラッシャァァァァァァァァァァァ!」
いきなり奥義をぶっ放してくるのであった。
やはり、人類最強が放とうとしている奥義なのだろう。
「あれは・・・ヤバいっ!」
本能で遠ざかる。
「逃げても無駄よ、1km半径なら当てる自信があるのだからな」
・・・この人外め。あれは多分嘘をついていない。
ならば防御姿勢をとるしかないということか。
いや、技で相殺出来ないのか?
そう考えた俺はアサシネイトの発動を準備して静かにその時を待つ。
「む、諦めたのか?まあいい、一撃で粉砕してくれるわっ!」
そう言った瞬間奥義が放たれる。
ラウルさんが高く飛び上がってから落下してそのまま剣を・・・地面に突き刺したああああ!?
「これが、わが奥義だ」
ラウルさんを中心に衝撃波が全方位に放たれる。
後コンマ3秒もかからないな。
冷静に判断を下してアサシネイトを発動する。
その甲斐もあってか衝撃波の到来と同時に発動することに成功した。
それまではよかったのだ。
「相殺・・出来ねえよ!強すぎだろおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
俺は盛大に吹き飛ばされた。
それこそドームの端まで。
「どう考えても1kmは飛ばされたよな、うん。」
痛みで意識が吹き飛びそうだった。
「ここで倒れたらダメじゃないか、俺ぇ」
そんなことを考えていると、いきなり俺の身体全体に影がかかった。
「・・・は?」
そこにいたのはラウルさんだった。
「よう、大丈夫だったか?小僧」
・・・この人外め。
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