第3話 閉ざされし世界
「寒い」
「寒いな...」
「帰りたい」
「お前が最初にノルウェーへ行くって言ったんだろ」
「防寒着持ってくれば良かった」
「あらあら、こんな所に人間さんが迷い込むなんて」
吹雪で視界が悪い中僕らの背後から温かい声が聞こえ僕らはびっくりしてすぐに振り返った。
「あなたは…?」
「私はボレアース、薄氷の禁断ボレアースよ!」
「禁断?!」
僕は1歩後ろへ下がった。
「まぁ、そんなに身構えないで、私に敵意は無いわ」
羊の特徴持つボレアースと名乗る禁断が僕達を雪山の麓にある山小屋まで案内してもらった。
「そう言えば、何であなた達は禁断の名を聞いて身構えたの?」
僕は予言の地図とウルカヌスの話した。
「そう…ウルカヌスちゃんはもう行ってしまったのね…」
ボレアースは悲しそうな顔でコーヒーを淹れていた。
「それにしても、その地図とメモを作ったのはきっとテュポンちゃんね」
「そもそもテュポンとは何者だ?」
「テュポンちゃんは私達と同じ禁断で。海に関する能力を持っているわ」
「絶海の禁断と言うだけあって海の能力か」
コンコンッ
焚き火の音がパチパチ鳴る山小屋にノックの音が響いた。
「は~い。あら、テュポンちゃん!珍しいわね?」
「なに、リーダーも休息は必要だ…って」
「あっ、どうもー」
「嘘…、何で居るの?」
「まぁいいじゃないほら、ご飯を作るから皆手伝ってー」
「ったく…」
なんだろう…この感覚、彼の姿がただの人間だからか?
「君達は何が目的なんだい?」
「俺は違う世界から来たんだ」
意外な返答に私の手が止まった。
「この世界に飛ばされた仲間を探すためにな」
「仲間?」
「微かにこの世界であいつの魔力を感じるんだ」
「本当にどこに居るのかしらねぇ、ニーズホッグちゃん…」
「仲間ね…そうだもう1個聞きたいことがある」
「何だ?」
「『この世界に革命を起こす』って何をするんだ?」
「この世界は根本から間違っている、本来ならあるはずの無い世界それがここだ、俺達はそんな世界のせいで苦痛な旅をしてきてよ。これ以上そんな奴を増やしたくねぇんだよ…」
テュポンの顔はどこか哀しそうで、寂しそうだった。
「おーい、ボレアース?こっちにテュポンって来てるか?」
ガチャッ
「あら、皆勢揃いね!」
「どうした?セルケト、オルトリンデ、ガルーダ」
「いや何だ、ニーズホッグについての情報を整理しようと思ってな」
「みんな~料理出来たわよ」
「折角だ、今日は皆で食卓を囲もうではないか!勿論、そっちの二人もな!」
僕達を含めた7人で食卓を囲む事になるとは、もっとバチバチなバトルが始まると思っていたんだけど…まぁ、怪我人が出ないのは良いことだ。
「禁断」
それはこことは異なる世界で強い力を持った者達である。
現時点でこの世界に来ているのは7人
「焔の禁断 ウルカヌス」
「薄氷の禁断 ボレアース」
「絶海の禁断 テュポン」
「蝕む禁断 セルケト」
「聖なる禁断 オルトリンデ」
「翼の禁断 ガルーダ」
「永久の禁断 ニーズホッグ」
どれらもこちら側の世界に来た際に反転の影響を受けている。




