青き龍は海を旅する─死線─
2回分更新をお休みした件、ご迷惑をお掛けしました。
今話も更新遅れましたし、文字数も少なめです...
不定期にだけはしたくないので、連載の頻度等を見直そうとは思っておりますので……
鐘の音が鳴る。ランシュが攻撃を担うターンだ。
海面に渦潮がいくつか現れる。
「……来る!」
海面の渦潮は瞬く間に海上へと飛び出し、いくつもの水の竜巻がセイリュウの周りに現れる。
これが恐らく、事前情報にあった渦の攻撃だろう。
攻撃用というよりは防御、妨害系の技に見える。
さらに鱗がランシュの前と後ろ、2方向から迫る。流石に2方向を同時で防御するのは難しい。
「ランシュ、前方自衛!」
「了解っ!」
「セギルカ!」
ランシュが盾を装備し、前方に構え、俺は後方にシールドを出す。盾で前方から迫る鱗を防ぎつつ前進していく。
ガガガッと削れるような音が鳴り響く。魔力の盾を見ると、ヒビが入り今にも割れそうになっている。
「多方向からの同時攻撃に加えて威力の上昇...今までは全然本気じゃなかったってことか」
ランシュが肉薄、銀蛇の細剣を装備し突き刺す。と、同時に後ろからさっきの2倍ほどの鱗が迫る。
「セギルカ!」
魔力の盾がバキバキと音を立ててひび割れていく。ランシュはすぐさま飛び退き、同時に魔力の盾が破壊される。残った鱗がランシュを追尾する。それを防御しようとランシュが盾を構えた瞬間、鱗が急に方向転換し、こちらに飛んでくる。
「っマジかよっ!!」
さらに後方からも鱗が迫る
「ヒセン前方自衛!」
「了解!セギルカ!」
「魔法記憶水晶:堅硬盾!」
俺を挟むように2つの魔力の盾が展開される。攻撃を防いでいる間にミドルマナポーションで魔力を回復、直後鐘の音が鳴る。
さらにセイリュウがこちらに向けて砲撃の構えを見せる。それも、先ほど一度だけ見せた濃い色の砲撃だ。
「セギルカ!」
「魔法記憶水晶:堅硬盾!」
まずい状況だ。段々と2人とも防御に回ってきている。どちらもが防御に回って攻撃ができなくなるのを防ぐための作戦が、崩れ始めている。
氷砕斧を装備し、肉薄する。
「魔法付与:寒冷」
ミドルマナポーションを飲みながらセイリュウに近付いていく。
鱗が左右から迫る。
「セギ──」
「構わず進め!」
セギルカを発動しようと口を開いた
「魔法記憶水晶:堅硬盾!」
左右に盾が2つ同時展開される。魔法記憶水晶は音声認証だ。2つを手元に出せば同時に発動ができる。
「オラァッ!」
斧を振りかざす、と同時にセイリュウの尻尾がこちら側に動き、斧を受け止め、そのまま俺ごと宙に弾き飛ばす。
「マジかよ!?」
セイリュウが砲撃の構えを見せる、と同時にランシュに鱗が前後左右の4方向から迫る。完全に防御を潰しに来やがった。
「ヒセン!」
「問題ない!」
圧縮された水が発射される。バシュ、と音が鳴り、俺が空中でありえない方向に吹き飛ぶ。アスレチックでも使われていたホバリングジェルを握って破裂させ、爆風で離脱したのだ。
「っ!?」
さらに着地点に鱗が待ち構えている。
氷砕斧には、ポイズンサーペントに壊された杖についていた宝石が柄と刃の接続部に付いている。氷砕斧の武器の武器種は斧ではなく、杖である。刃部分はあくまでも装飾、という判定なのだ。
故に、杖や魔導書が必要な魔法を発動できるのだ。
「ルルーリラ!」
ルルーリラ、ルルから進化した、周囲を凍らせる魔法だ。周囲の鱗を海面ごと凍らせて勢いを止める。
「くっそマジかよ!」
さらに砲撃の構え。それに加えて鱗が俺を取り囲むように迫ってくる。先ほどまでの複数方向からまとまりになって飛んでくるのではなく、全てがそれぞれの方向からこちらに向かって飛んできている。
これは──
「逃げられな──」
砲撃と鱗が俺に向かって飛んでくる。
死を告げるかのように鐘が鳴った。
あと1話でセイリュウ戦は終了です。




