思ってたよりヤバかった
30連でキリトとアスナ当ててやりましたよ。SAO見てないけど。進化の導きはどこじゃ……
──レベルを上げたい?なら海にでも出ればいいのではないか?
「っざけんな死ぬわ!」
というわけで、ランシュの助言通りに海に来てみました。死にかけてます。
「てか何回か死んでるわ!」
ちなみに、このゲームのデスペナルティは10分間のステータス低下である。
「くそがぁっ!」
魚が弾丸のような速度で飛び出し、俺の腹を抉った。
「もうちょい真面な場所紹介しろぉぉぉ!!」
[10月6日(日)]
[現在時刻:08時12分]
金曜日の午後と土曜日を使ってレベリングした結果、かなり成長した。
──ステータス──
ヒセン Lv.46
○種族
人間
○主職業/副職業
魔法使い/なし
○所属クラン
無所属
○パラメータ
体力:50
魔力:100
筋力:50
防御:30(75)
速度:70
持久:50
技術:10
幸運:10
才能:70
友好:10
○装……
─────────
スキルや魔法の習得や進化に関わる才能値を重点的に、最低限戦えるパラメータに仕上げたつもりだ。
「ここで倒せなきゃ次の機会はほぼないだろう」
時間的にも、そしてセイリュウの性質的にも。
昨日の朝。
「海上での戦闘に備えて最低限の準備はした。あとはレベリングと、作戦会議だ。ランシュ、セイリュウについて知ってること全て話してくれ」
「わかった。まず大前提として、セイリュウは人の言葉を理解するほどの知能を持っている。故に船などの足場となり得るものは真っ先に沈められる。そして、セイリュウは水を操る」
海上で水を操るって結構な鬼畜ボスでは?
「抽象的だな。効果範囲、操れる量、時間、質、確認されてる攻撃の手段は?」
「範囲は正確にはわからないが、戦っている間は安全地帯などないと思っていい。少なくとも弓矢の射程を優に超える」
「それって、足元の水を棘とかにして刺されたら即死するんじゃ……」
「まさか、魔力不可侵領域を知らないのか?」
ナニソレ。
「何だその間抜け面は……魔力不可侵領域ってのは、生物に備わる最低限の魔力制御の範囲だ。人間であれば最低でも半径50cm以内の物質は魔力で操られることはない」
「それは矛盾しない?魔法を人間に撃ったら普通に当たって死ぬじゃん」
「元からある物質が操られない、というだけだ。お前の言っている魔法は魔力で1から物質を構築する。構築した物質は元から術者に制御されているから、不可侵領域に入っても制御は消えない。魔力不可侵領域ってのは魔力の制御の権限を変更できない場所だと思っていい」
「じゃあ、相手の不可侵領域内で構築の魔法を発動したら勝ちじゃね?」
「いや、それは無理だ。そういう魔法は、そもそも自身の付近でしか構築できないようになっている。もっと言うと、魔力による物質の構築は魔導書か杖の補助がないと不可能だ」
なるほどなるほど。あれ?待てよ。
「じゃあエンチャントって杖とか魔導書なしでも──」
「使えるぞ」
「それは先に知りたかったなぁ」
てっきり全ての魔法発動に杖か魔導書のどちらかが必須になると思っていた。
「話を戻すぞ。量は不明だ。全ての水を使って一瞬で我々を沈める、というようなことはしないが、物量で押し切られる程度には同時に大量の水を操れる。時間は恐らく無制限だ。質に関しては、こちらが魔法などで制御を奪おうと試みても、無理だったことから、かなりの影響力があると思われる」
魔法での制御強奪は無理か。作戦の1つとして、水属性の魔法を覚えることも考えていたが、あまり意味はなさそうだ。
「攻撃手段は追尾機能のある水の鱗を大量に形成して飛ばす、口から高火力の水の砲撃を撃ち出す、水の渦を海上に作って攻撃や防御に転用する、などができるらしい」
大量のホーミング弾、水のブレス攻撃、水の渦ね。
「んー、そこまで強い感じはしないけど……もしかして体力がえげつないとか?それとも鱗が全弾即死級とか」
「いや、まぁ体力も凄まじいし、鱗も中々の火力だが、鱗は魔法で防御できる。セイリュウの本領はそこではない」
「というと?」
「途轍もない種類の攻撃を無効化する」
「ほう?具体的には?」
「物理攻撃は打撃が効かない。魔法は確認されているだけでも水属性、火属性、電気属性、風属性、石属性、光属性、植物属性、神聖属性、重力属性は無効化されるらしい。さらに呪術も効かなかったとのことだ。死の呪いや衰弱、誘惑や拘束、混乱はもちろん、デバフも弾かれたらしい。睡眠や火傷、魔力中毒や電気由来の麻痺も効かないとのことだ」
多くね?
「そして、戦闘を重ねるごとに攻撃の威力が上がっているらしい。度重なる戦闘でわかった奴の真価は圧倒的な成長能力だ」
「モンスターが……成長?」
いや、あり得ない話ではない。むしろ現実的に考えれば、生き物であるはずのモンスターが成長しないのは不思議だ。だが、それは現実的に考えた話であって、これは仮想なのである。
「ああ。戦闘を重ねるごとに強くなる性質、そして無効化も元からあるものではなく、一度その攻撃を受けたことで、それに対する耐性がついたのではないか、というのが我々の見立てだ。成長の条件は睡眠か休息か、ともかく一度の戦闘で倒せなければ次は絶望的になる」
作者がもう本当にやりがちなミス
全く関係ないんですけど、ケラウノスをケラノウスと誤記してしまう。これ作者がもう本当にやりがちなミス。どうにかしたいですね。
番外編とかでレベリング中の主人公の描写も気が向いたらやります。気が向いたら(大事なことなので2回言いました)。