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乙女に連れられてやってきたのは清らかな水が湧き出る泉でしたが、切り立った岩に囲まれて容易に近づくことが出来ません。
北風が辺りを見渡して言いました。
『岩だらけでここに柳を植える事はできないな』
乙女は言います。
『あ、あの、あの辺りはどうですか?あの辺りなら泥土ですが、柳さんを植える事が出来るかと思います』
太陽は顔を曇らせて言いました。
『湿っぽいんじゃないですか?』
北風は言います。
『柳は湿った土の方が良いって言っていたから丁度いいんじゃないか?』
太陽は言いました。
『でも泥は乾燥すると岩みたいに硬くなっちゃうんですよ』
そこで乙女が口を出しました。
『乾燥しないように私が責任持ってお水を撒きます。ですから、柳さんには是非ここにいてもらいたいです』
北風は少し考えてから答えました。
『それなら問題ないんじゃねえか。柳がどうしても嫌だといったらまた移動させればいいだけの事だし』
そして、柳は泉の側に佇まいを構える事にしました。
* * * * * * *
それから乙女は柳が元気になるようお世話し始めました。
朝晩水を撒き、仮眠状態の柳がいつ目を覚ましても大丈夫なように片時も柳の側を離れません。
南星北星が水遊びをしている横で太陽はこっそり北風に言いました。
『お嬢さんが柳さんにつきっきりじゃないですか!僕達の事なんかすっかり眼中にありませんよ。どうしてくれるんですか!』
北風は答えます。
『仕方ないだろ。仲良くなるために、北風みたいに小道具を使った方が有利だと思ったんだよ』
『小道具っていうのはもっと小さい物の事でしょう。全然小さくないでしょ。』
『今更仕方ないだろ。それより何か策を練ろう』
『お嬢さんをこっちに無理向かせる方法ですね』
そして、北風と太陽は乙女の関心を自分達に向けるために何やら作戦を練り始めました。




