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0.プロローグ
「いっっったああああああ!?」
唐突な頭痛に襲われ、サクラは悲鳴を上げた。
目の前では、自分が刻んだ呪いの術式が黒い光を帯びながらぐるぐると逆回転している。
(ど、どうして……!? 私はたしかに、あの口うるさい護衛騎士ジンへ、【痛み返しの呪い】をかけたはずなのに……!)
こめかみを押さえながら、サクラは魔法陣をにらみつける。
しかし術式にはひとつの間違いも見当たらない。
当然だ。
『呪いの魔女』たる自分が、よりにもよって呪術でしくじることなどあるものか。
だけどそれならどうして。
どうして……
「どうして私が痛いのよーー!?」
情けない叫びが、人里離れた魔女の塔にこだまする。
自分の悲鳴が頭の中にまで響き、サクラはたまらずその場にうずくまった。




