術後の経過と培養結果
採卵時に、抗生剤と整腸剤、カバサール(卵巣過剰刺激症候群OHSS予防)、ルトラール(黄体ホルモン補充)の内服が処方された。
採卵翌日に少量の出血は落ち着いたが、突発的な腹痛しばらく継続していた。体動時やトイレの際に痛みが強くなった。立ちくらみも頻回にあり、日常生活は問題なく送れるものの、今までの治療では感じられなかった身体への負担を感じていた。
感情的には複雑で、結果を待つ不安もあれば、採卵前の自己注射から解放された安堵感もあった。
採卵翌日にLINEで受精結果が伝えられた。
今回の採卵でとれた卵子のうち、正常受精に至ったのは8個だった。8個の内訳は、体外受精5個、顕微授精3個だった。
そして、採卵から1週間後、培養結果が送られてきた。凍結に至った胚盤胞は、12個のうちの1個だけだった。グレードとしては6BBであった。
私は個別性のある問題において平均値などを調べるのは好きではないが、夫は気になって調べてしまっていたようで、明らかに胚盤胞に至る確率が低いとショックを受けていた。
この時やっと不妊の原因が見えてきた気がした。今回の確率だけで単純に考えると、1年に1回しか胚盤胞に成長しないということだ。そんな起こるかも分からない1回を、さらに自然にタイミングを合わせて、やっと妊娠に至るなんて、小さな穴に細い糸を通すより困難だ。
次の受診は月経がくるまでなく、医師の説明は聞くことができない。希望すれば培養士と面談ができるため、予約をとり説明を聞きに行くことにした。
パソコン上で、受精後の経過を見せてもらった。全体的にフラグメントという受精卵の細胞分裂時に生じる細胞質の断片が多く、胚盤胞に至った1個もフラグメントが多すぎて、綺麗な細胞分裂ができているのか素人目ではわからなかった。
フラグメントの多さは、卵子の質の悪さに起因している可能性があること、卵子の質の改善は現状でなかなか難しいとの説明を受けた。卵子の質に関する検査などあるのかと思っていたが、できる検査は全てもう済んでいるそうだ。
次に採卵する際は、病院側としては育て方を変えたり、培養液を変えたりしてみることができるとのことだった。また、今回の結果だけみると体外受精でも顕微受精でも受精しているため、次回は全て体外受精で行うことになると説明された。