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【Alternative World Online】翠の天使、VR世界で徘徊中【ミドリ】  作者: 御神酒
第2章『過去からのバトン』

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#29 お風呂〜( *¯ ꒳¯*)

お風呂回!

 


 カポーン






「ふへぇ〜」


 極楽極楽〜。

 こういう広いところだと、桶で本当にかぽーんってなるんだね〜。



「いい湯加減だ」



「二人とも早いっすよー」



 まだ体を洗っているマナさんを置いて、先に湯船に()かる私とキアーロさん。




 訓練後のお風呂は格別だ〜。




「洗ってあげましょうか?」


「い!? いいっすよ!」



 恥ずかしそうに慌てて洗い出した。

 変なテンションになってる自覚はあるが、念願のお風呂だし許して欲しい。



 そして、


「お世話になっておりますー」


 キアーロさんにお礼を言う。

 本当にお世話になっている。訓練に、ご飯、お風呂、個室でベットなど沢山だ。




「というか……」



 この人、胸でっっっっ――



「何だ?」


「いえ、何でもないです」




 あんなのをサラシで押さえ込むなんて、苦しくないのか。いや、苦しいね。


 反語を使ってしまうほど驚いていると、マナさんが洗い終わったようで、隣にゆっくり入ってくる。




「熱っ!」


「慣れれば心地良いですよ」


「ホントっすか?」




 恐る恐る、肩まで()かる。





「ほへぇ〜」


「でしょう?」


「っすね〜」




 完全に頭が働かない状態になっている。

 訓練で疲れたから余計に。




「ふふっ」




「?」

「どうしたっすか〜?」



 キアーロさんが、微笑んでいる。この人も疲れてたのだろうか。




「いや、仲が良くて何よりだなと」



「パーティーは連携が命ですからね〜」

「そうっすよ〜」





「キアーロさんは、仲良い子とか居ます?」



「…………」



 目を、逸らされた。



 やった?

 やっちゃった?

 地雷踏み抜いた感じ?

 あーあ、脳死で話なんて振るから〜。





「だ、大丈夫ですよ。まだ気の合う人と出会ってないだけです。今は我慢の時なんですよ!」



「……そうか。確かにな。我慢してみよう」




 不味い方向にフォローした気がする。何とか良い方向へ持っていきたい。




「貴族とかですと、何か食事会とか無いんですか?」



「あるにはあるが、ここは防衛の最前線だからな。あまり行く機会は少ない。行ったとしても――」


「としても?」



「あいつらは腑抜(ふぬ)けしかいないからな。話が滅法(めっぽう)合わない」




 まあ、キアーロさんは貴族というより、武人気質だからね。それこそ功績を挙げて成り上がった貴族でも、実際に話すのはその娘さんとかだし。




「あれだけ強いのですし、強い貴族の方と手合わせ等してみるのも面白そうですね」


「ほう……やってみよう」




 これ、またマズってない?

 大丈夫?


 ま、いいや。知ーらない。



 何で私が相談に乗ってる風になるのか。




「それより、大丈夫か?」



「はい?」



「それ」




 キアーロさんが指さしてる方を見ると、マナさんが目を瞑って顔を真っ赤にしてぐでーっと天井を仰いでいる。




「のぼせてます! 濡れた布と、水を持ってきてください!」


「あ、ああ、分かった」



 慌てて担ぎ出す。





 ◇ ◇ ◇ ◇




「お風呂って危ない場所なんすね……」


「いや、あんなにすぐのぼせる人なかなか居ませんけどね」




 何とか復活したが、まだ若干ぐったりしている。


 運び込んだ先は、マナさんの部屋。

 私の部屋とつくりはほぼ同じみたい。



「良さそうでしたら、私はそろそろこれで」


「ありがとうっす」



「いえ、おやすみなさい」


「おやすみっす」




 一度、自分に与えられた個室に戻る。

 現実の方では既に寝る準備を済ませているので、寝はしないけど。



 ベットに寝転がる。



 ミサンガを弄りながら、今日の訓練の復習をしよう。



 まず、基本は防御の動きを最小限で行うこと。

 大剣だと防御に回った時、振り回すより近くで手首のスナップで動かし、相手の攻撃に合わせる。


 それだけだと、キアーロさんみたいなスピード系の攻撃は対処しきれない。

 この課題はまだ解決に至っていない。

 いっそのこと、そういう相手だけ大剣を使わないという選択肢もあるくらいだ。





「んー」




 パッと出てくるのは、先手必勝かつ一撃必殺かな。相手より先に攻撃を仕掛け、当て、一撃で仕留める。


 キアーロさんが使ってたスキル……たしか【縮地】だったかな、あれを使えれたらできるかもしれない。


 かなり覚えているし、食らったという意味では身にも染みている。




「……」



 深夜の、秘密の特訓といこうかな。





 訓練場に向かう。

 ひっそりと、起こさないように、音を立てないように歩く。時刻は0時をまわったぐらい。



「よし」




 隠密行動を保ったまま、訓練場に到着。

 最初は足の練習からしようかな。




 記憶の中の【縮地】と同じような動きをするが、上手くいかない。足だけじゃないのかも。


 移動で大切なのは…………。




「体重移動かな?」




 体重移動は見ただけで分かるほどの達人でもないので、これが速そうという感覚でやるしかない。



「う〜ん」




 一回大剣を振りながらやってみよう。武器を持つと勝手が違うかもだし。




「せいっ!」



 足を可能な限り速く動かし、前に出ると同時に剣を振り下ろす。



「大して速くないなぁ……」



 もう一回、やってみようとすると、後ろから声を掛けられる。



「最初のその構えが大剣だと動きにくくなってる。そういう戦法で行くなら、異界人の収納のやつを使って移動後に不意打ちの方が刺さる」



 寝巻き姿で、サラシを巻いていないキアーロさんだ。




「すみません。うるさかったでしょうか?」


「いや、こんな夜更けに廊下を歩いてるのを見かけて、()けてたんだ」



「そうだったんですか。全く気づきませんでしたよ」


「素人に見破られるようではね」



「確かにそうですね」




 それにしても、ストレージを活用した戦法ね。

 確かに、振り下ろせば重みでいい具合になるかもしれない。ただ、薙ぎ払いの場合、振りかぶりが無い分威力が落ちる。


 やるなら振り下ろしだけかな。



「どうしたら、あの縮地というのを使えるようになります?」



「正攻法でなら、すごく時間がかかるけど、【歩術】、【走術】、【体捌き】、【体幹】のスキルレベルを最大にしたらできるようになる」


「先が遠いですね……」




 一体どれだけの時間が必要になるのか。




「私が習得した方法は――」


「方法は?」





「自力習得だ」





 なるほど? 言葉の感じから色々推測できるが、聞いてみよう。



「どういうことですか?」


「何度も反復し、完全に体に覚えさせるとスキルを入手できる。スキルによってはかなりの修練が必要になるけどな」



「なるほど」





「そういう訳で、時間も無いし、縮地のやり方を教えよう。センスはあるから、頑張ればいけるはずだ」



「え? いいんですか? 秘伝の技かと……」



「まさか。あの程度、できる人間はそこそこいるから」




 それはそれで嫌だなー。




「できる限りのことを叩き込む。どうだ?」




 キアーロさんの睡眠時間を奪うのは心が痛いが、ここを逃したら、きっと後悔する。




「お願いします!」



「時間が少ないから、かなり無茶な訓練になる。着いてきてくれよ?」



「もちろんです!」





 視界の隅で、影が動く。

 訓練場の入口からこちらを見ていたようだ。

 うっすら見えた後ろ姿は、ごつく、すぐにリヴェレルさんだと分かった。


 案外、怖い見た目とは乖離(かいり)した、優しい人なのかもしれない。




「始める。集中しろ」


「はい!」






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― 新着の感想 ―
[一言] 「あいつらは腑抜ふぬけしかいないからな。話が滅法めっぽう合わない」  まあ、キアーロさんは貴族というより、武人気質だからね。それこそ功績を挙げて成り上がった貴族でも、実際に話…
[一言] あんなのをサラシで押さえ込むなんて、苦しくないのか。いや、苦しいね。 苦しそうでは有っても、胸がだと揺れて重心がとか、サイズがで当たるとか色々有りそう。
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