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【Alternative World Online】翠の天使、VR世界で徘徊中【ミドリ】  作者: 御神酒
第2章『過去からのバトン』

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#警笛萌芽#

 

 ミドリとマナが訓練しているのを横目に、サイレンはごついおじさんと相対している。そう、この屋敷の主のリヴェレルである。




「ぜぇ……おぇ…………」




 サイレンは肩で息をして、横たわっている。

 (かたわ)らには木製の槍が。





「うむ。やはり素質はある」



「はぁぁ……何、ですか?」



「儂のスキルを伝授しようと思う」



「はぁ、はぁ、おぇ……ス、キル?」




 リヴェレルは、ポケットから可愛らしいステッキを取り出す。




「【愛の戦士化】」



「!?」




 フリフリでピンクメインの衣装。

 ただし、着ているのは筋肉ムキムキのおじさんだ。




「これを教えようと思う」


「え?」




 絶句。

 あまりにも酷い絵面で、言葉失っている。




「どうだ?」


「うーん…………」




 サイレンは頭をこねくり回す。



 今のままでは、直接的な戦闘能力に欠けている。

 援護がメインでも十分だが、それではいつかお荷物になってしまう。

 だが、見た目が嫌だ。



 言いたいことを全て飲み込んで、蚊の鳴くような声で答える。




「…………お願い、します」



「そうか。では手を出してくれ」


「はい」




 差し出した手に、手が重なる。




「ッ!?」




 サイレンの手から、ゆっくりと白い小さな光が心臓に向かって動く。


 到達すると、心臓がドクンドクンと通常時より激しく跳ねる。





「愛の芽?」



「その芽を大切に育み、自分なりの花を咲かせるんだ」



「なるほど? 今の段階では何も効果無さそうですね」


「励め」




 かくして、職業:《アイドル》のサイレンは、新たに【愛の芽】というスキルを手に入れた。

 まだ何も役に立たないスキルのようだが、いつかその芽が開く時が来るのか。




「よし。次は槍の訓練だ。まずは基本の突きのフォームから」



「お願いします!」



 運動会系のノリで、槍の基本から教えてもらうサイレン。



 強くなるための努力は惜しまない。どんな癖の強い戦い方も(いと)わない。



 たとえ、おとこの娘と言われても、アイドルになっても、愛の何かになるとしても。






 彼は、男の子なのだから。









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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルがナンバリングとかがでもしかして夢落ちとかかと思ったら番外編的にはかもでも現実っぽい。
[一言]  リヴェレルは、ポケットから可愛らしいステッキを取り出す。 「【愛の戦士化】」 「!?」  フリフリでピンクメインの衣装。  ただし、着ているのは筋…
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