第十話 復讐の騎士(後編)
俺はどうしてあの結界にいたのか。
この力は何なのか。
この姿は何なのか。
疑問が浮かぶが、全てがどうでもいい。
目の前には立ちふさがるように***(認識不可)がいた。
決意をした目で立つその姿は美しい。
俺は知っている。
***(認識不可)が本気になった強さを。
知っている。
ぶっ*ら*うだが、誰*りも、や*し*(認識無効)…
……
………誰だ?
………俺の邪魔をするのか?
憎い。
その美しさ、その目、その存在すらも、全てが!
「アアアアアアアアアアアア!」
暴力的な衝動に駆られるまま、いつの間にか持っていた剣を振るう。
ギンッ!
剣は***(認識不可)の周囲に張られた防御魔法で防がれた。
防御魔法【*****】(名称消去)、常に***(認識不可)を守り続ける自動防御魔法。高威力の魔法でも決して壊れず、仮に破壊されても即座に修復される***(認識不可)が作った魔法。
憎い。
この程度の魔法すら壊せない今の自分が憎い。
「*******!」
***(認識不可)が何かを言っているが、それを言葉として頭が受け付けない。
ただの雑音だ。
だが、***(認識不可)の出す必死な声…気持ちの悪い雑音が俺をさらに苛立たせる。
その苛立ちが、怒りが、憎しみが、全てが力に変わっていくのを感じる。
「ウオオオオオオオオオ!」
咆哮し、本能のまま振り下ろした一撃が防御魔法を破壊した。
防御魔法は破壊されたものの剣の威力を全て殺し、術者を守り切っている。
さらに一撃。
再び防御魔法が砕かれた。
***(認識不可)の顔が焦りに変わる。
憎い。
俺を殺さないように加減しているその姿に!
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
剣戟は止まる事を知らない。
燃え尽きそうなほどの憎しみの衝動が溢れているはずなのに、体は何度も繰り返してきたかのように流れるような動きで***(誰だ?)への攻撃を続ける。
***(誰なんだ?)は張り巡らせた魔法で剣戟を全て受け止めているが、徐々に防御が間に合わなくなっている。
「オオオオオオオオオオオッ!」
息が乱れ、体が悲鳴を上げる。
最強と呼ばれた防御魔法を破壊するような一撃を休む間もなく、打ち込んでいるのだ。
オーバーペースなのは分かっているが、剣は止まらない。
一度でも止めれば***(誰?)は必ず反撃を仕掛ける。
その反撃は恐らく致命傷になり得る一撃になるだろう。
そんな考えが頭の片隅にあった。
だが、そんなどうでもいい事より、今は
「ガアアアアアアアアアアッ!」
この衝動のまま、全てを壊す!
危険信号の鳴り続ける体をさらに加速させる。
壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す!
展開された全ての防御魔法を破壊し、修復される前に左手で***(認識不明)の胸ぐらを掴み地面に背中から叩きつける!
「***!」
地面に叩きつけられた衝撃で***(認識拒否)の呼吸が止まった一瞬を逃さない!
魔法をこれ以上使われる前に、その胸へめがけて剣を振り下ろす!
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスころすころすころすころすころすころすころすころ************************************************************************!
ついに剣*命*届*!
**である***の命*奪*…
『ダメだよ、君はまだそこまで墜ちてはいけない。』
?
『君は誰に何をしているんだ?』
だれに?
だれ?
***(認識不可)
ワ**(認識不可)
ワ*ズ(認識不可)
(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識不可)(認識*可)(認*不可)(認識不*)(認識**)
「私は会いたかったぞ、お前にな。」
…ああ、俺も会えて―――うれしかったよ―――
「ああああああああああああああああああああああ!!!」
剣の刃先がワイズの胸へ貫く寸前に俺の体は止まった。
「わ、い、ず…?」
絞り出した俺の声に傷だらけの彼女は微笑み、俺へ手を向けた。
「加減はする、だから止まってくれ。」
その静かな声の意味を理解する前に、ワイズの攻撃魔法が俺を湖に吹き飛ばした。




