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第1章4 破片の先に見えたもの

朔弥のまだ今自分が立っているこの世界のことが理解できずにいた。見ている光景や匂いあらゆる事象全てが理解できなかった。

ふと頭に浮かぶことそれは、夢であることである。

それならば納得はいく。

「なぁ姫野……」

「何?」

「頬をつねってくれ」

夢であるかどうか、それを確かめる最も有効的だとよく言われていることを春美に頼むと、彼女はためらうこともなく右手で朔弥の頬をつねった。

「いららららららーー!!」

すると直様手を離した。彼が何を思って春美につねるよう要求したのか察していたのだろう。

認めたくはないが、紛れもないこれは現実だ。

今見ている光景や、聞いている音や匂いそれらは全て現実であることを朔弥は自覚した。

「痛ぇぇなぁーお前加減しろよなぁ……」

「えっ?これ加減するところなのー?ごめんごめーーん」

ともあれ、これが現実であるなら……楽しまなきゃな!

そう男ならこの現状を楽しまずにはいられないのだ。元いた世界とは異なる世界、おそらくはエルフや魔術師や騎士など漫画やアニメなどでしか見たことのないものが見られる。それだけで心が躍ってしまうのだ。

「なぁなぁ!姫野、俺をあの街へ連れて行ってくれ!せっかく来たんだし楽しみたいからな」

「わかったわ。捕まって」

春美は手を差し伸べる、朔弥はその手をとると姫野は瞳を閉じてブツブツと言い始めた

「全ての大地のゲートを開き、我をその場へと導かん。テレポート!」

詠唱を終えると白い光が2人を包み込んだ。そしてその光が消えるとその場に2人の姿はなかった。

一瞬の出来事であった。閃光のような光が目を覆い目の前が真っ白になり、徐々に周囲の光景が見えてくるのと同時に、街の人々の声や足音などが聞こえた。



********************



高台から見た光景通りイタリア風な建物が立ち並ぶ。街を歩く人々の髪は実にカラフルであった。青や紫翠や黄色など異世界ファンタジー漫画などでよく見かける髪を切りである。

「すげぇ……異世界だ!俺は異世界だ来たんだっ!」

音もわずはしゃぎ回りその場を飛び跳ねる朔弥

「………」

可哀想な人を見るような顔をする春美に気づいたのか、朔弥はすぐさまにその行動を停止した。そしてはしゃぎ回っていた行動をなかったことにしたいほと同時に、仕切り直しをしたい気もで「ごほん」と咳のようなものを吐き出してみる

「ともあれ、異世界を楽しまなきゃな!とりあえずいろいろ回ってみるか」

「案内してあげるわよ。胸を張って任せなさい!」

「その自信凄いな…んじゃあ任せた」

春美が先を歩き朔弥は後ろからついていく。朔弥は春美についていきつつ周囲を見渡している。

「着いたわよ。ここは私がいつも来てる酒場よ?お酒は苦手だから料理食べてるんだけどねー」

酒場らしき建物はいくつかあったが、その一つなのであろう。周りの建物はレンガを使ったものが中心でこの酒場もその一つである。


中に入ると昼間なのにもかかわらず大人たちが酒盛りを楽しんでいる。

2人は対面式になっている

テーブルに座る。メニューの書いてある本を手に取ると見たこともないような文字がたくさん書かれており、全くわからない

救いになったのはその料理の標本画像が貼り付けてあること。唐揚げのようなものやパスタのようなものがある。

するとウェイトレスがやってきた

「いらっしゃいませーご注文はお決まりですか?」

この店員もまた誰かの理想なのだろうか?そう思いつつも朔弥は唐揚げのようなものをら頼んだ。

春美は肉なのか魚なのかわからない見たこともないようなものを頼んだ。

注文が届くのとても香ばしい匂いがする。

「いただきます」

フォークで肉を切り口に運ぶ、すると牛肉と同じ味がする

「うまいな」

「でしょ?ここはイチオシのお店なんだから」

ドヤ顔をしてみせる春美。しばらくすると春美の注文したものもきた

「何じゃこりゃ!!」

テーブルに置かれたのは何の動物か、ここではモンスターと呼ぶべきなのだろうか。その身体を丸ごと焼いたようなものがきた。

それを日本刀のようなデカイ刃物で切り裂き、中から肉を出して食べるのを目の当たりにして、朔弥は食欲が失せてきた。

「食べてみなさい?これはここのメニューで1番うまいのよ!」

「いやいやいやいや、無理無理無理無理無理!!こんな見た目不味そうなものが買えるか!」

「失礼ね!!いいから食べなさい!」

肉を取り出し目にも留まらぬ速さで朔弥の口へ入れる

不意にやられたため、思わず噛んでしまった。すると、肉汁が口一杯に広がり人生で一度も食べたこともない美味だということがたった一度噛んだだけでわかった。

「……ぅまい……うまいぞ!もっと食わせろ!」

「はいはい」

テーブルの横にある木でできた皿を取り出し、肉を次々と乗せていく「はい」と言いながら朔弥にわたす。

食べる手が止まらずあっという間に完食してしまった。


2人とも食べ終わり会計カウンターへ向かった。

「50フェイルと300ユールになります。」

「はいはーい」

ポケットから何の皮よくわからない財布を取り出し、中からコインのようなものを取り出し、カウンターに置く

コインを見ると「金」と「銀」の色をしている。

会計が終わり、外へ出る。

「この世界の金ってどんな感じなんだ?」

「そうねーまず、銅のコインは日本でいう10円みたいなもので、銀のコインは100円で、金のコインは1000円って感じかしら」

「ふーん。なるほどな」

「次行くわよ!次!」

「へいへい。どこ行くんだよ」

「黙ってついて来なさい」

言われるがままに春美についていき、お気に入りの店を回った。


夕方になり、街行く人も昼間とは異なりだいぶ減ってきている。

「そろそろ帰るかな……お名前の案内のおかげでだいぶ楽しめた」

「もーっと褒めてくれていいのよ?んー?んー?」

「はいはい凄い凄い」

「じゃあ、戻りましゃう」




********************



高台で使った魔法を使いあっという間にここと元いた世界を繋ぐ光の前に着いた。

「よし。帰るか」

「ええー」

朔弥が光の中へ一歩足を踏み、顔をくぐらせるとそこは真っ暗な闇になっており自分の世界は全く見えなかった。

「なん……だよ……これ……」

動揺を隠せない。体は硬直してしまっており、この闇へ踏み込んでしまったらと思うと恐怖で体が震える。

「田辺くん。」

クソ男と呼んでいた春美が朔弥の姓を呼ぶ

首を後ろに向け「何だ?」と答える朔弥。すると右手を彼の胸に当て、彼を中へ落とした。

「うぁぁぁあああああああああ!!!!!」

何でだよ……何でだよ……何で……そんなことするんだよ……春美っっ!」

手を伸ばすが彼女は彼を見下ろしている。

そして、朔弥が落ちつつ見た春美の表情は背筋が凍るほど不気味な笑みを浮かべていた。

春美が見えなくなり、闇の底へ落ちて行くと目の前に破片のようなものが朔弥よりも速く落下する。

なんだよ……これ……ははは……俺はハメられたのか……

彼が目にした破片には自分の住んでいる部屋の一部一部が破片となって落ちていっているのだ。

そう、ここの元いた世界朔弥のまだ今自分が立っているこの世界のことが理解できずにいた。見ている光景や匂いあらゆる事象全てが理解できなかった。

ふと頭に浮かぶことそれは、夢であることである。

それならば納得はいく。

「なぁ姫野……」

「何?」

「頬をつねってくれ」

夢であるかどうか、それを確かめる最も有効的だとよく言われていることを春美に頼むと、彼女はためらうこともなく右手で朔弥の頬をつねった。

「いららららららーー!!」

すると直様手を離した。彼が何を思って春美につねるよう要求したのか察していたのだろう。

認めたくはないが、紛れもないこれは現実だ。

今見ている光景や、聞いている音や匂いそれらは全て現実であることを朔弥は自覚した。

「痛ぇぇなぁーお前加減しろよなぁ……」

「えっ?これ加減するところなのー?ごめんごめーーん」

ともあれ、これが現実であるなら……楽しまなきゃな!

そう男ならこの現状を楽しまずにはいられないのだ。元いた世界とは異なる世界、おそらくはエルフや魔術師や騎士など漫画やアニメなどでしか見たことのないものが見られる。それだけで心が躍ってしまうのだ。

「なぁなぁ!姫野、俺をあの街へ連れて行ってくれ!せっかく来たんだし楽しみたいからな」

「わかったわ。捕まって」

春美は手を差し伸べる、朔弥はその手をとると姫野は瞳を閉じてブツブツと言い始めた

「全ての大地のゲートを開き、我をその場へと導かん。テレポート!」

詠唱を終えると白い光が2人を包み込んだ。そしてその光が消えるとその場に2人の姿はなかった。

一瞬の出来事であった。閃光のような光が目を覆い目の前が真っ白になり、徐々に周囲の光景が見えてくるのと同時に、街の人々の声や足音などが聞こえた。



********************



高台から見た光景通りイタリア風な建物が立ち並ぶ。街を歩く人々の髪は実にカラフルであった。青や紫翠や黄色など異世界ファンタジー漫画などでよく見かける髪を切りである。

「すげぇ……異世界だ!俺は異世界だ来たんだっ!」

音もわずはしゃぎ回りその場を飛び跳ねる朔弥

「………」

可哀想な人を見るような顔をする春美に気づいたのか、朔弥はすぐさまにその行動を停止した。そしてはしゃぎ回っていた行動をなかったことにしたいほと同時に、仕切り直しをしたい気もで「ごほん」と咳のようなものを吐き出してみる

「ともあれ、異世界を楽しまなきゃな!とりあえずいろいろ回ってみるか」

「案内してあげるわよ。胸を張って任せなさい!」

「その自信凄いな…んじゃあ任せた」

春美が先を歩き朔弥は後ろからついていく。朔弥は春美についていきつつ周囲を見渡している。

「着いたわよ。ここは私がいつも来てる酒場よ?お酒は苦手だから料理食べてるんだけどねー」

酒場らしき建物はいくつかあったが、その一つなのであろう。周りの建物はレンガを使ったものが中心でこの酒場もその一つである。


中に入ると昼間なのにもかかわらず大人たちが酒盛りを楽しんでいる。

2人は対面式になっている

テーブルに座る。メニューの書いてある本を手に取ると見たこともないような文字がたくさん書かれており、全くわからない

救いになったのはその料理の標本画像が貼り付けてあること。唐揚げのようなものやパスタのようなものがある。

するとウェイトレスがやってきた

「いらっしゃいませーご注文はお決まりですか?」

この店員もまた誰かの理想なのだろうか?そう思いつつも朔弥は唐揚げのようなものをら頼んだ。

春美は肉なのか魚なのかわからない見たこともないようなものを頼んだ。

注文が届くのとても香ばしい匂いがする。

「いただきます」

フォークで肉を切り口に運ぶ、すると牛肉と同じ味がする

「うまいな」

「でしょ?ここはイチオシのお店なんだから」

ドヤ顔をしてみせる春美。しばらくすると春美の注文したものもきた

「何じゃこりゃ!!」

テーブルに置かれたのは何の動物か、ここではモンスターと呼ぶべきなのだろうか。その身体を丸ごと焼いたようなものがきた。

それを日本刀のようなデカイ刃物で切り裂き、中から肉を出して食べるのを目の当たりにして、朔弥は食欲が失せてきた。

「食べてみなさい?これはここのメニューで1番うまいのよ!」

「いやいやいやいや、無理無理無理無理無理!!こんな見た目不味そうなものが買えるか!」

「失礼ね!!いいから食べなさい!」

肉を取り出し目にも留まらぬ速さで朔弥の口へ入れる

不意にやられたため、思わず噛んでしまった。すると、肉汁が口一杯に広がり人生で一度も食べたこともない美味だということがたった一度噛んだだけでわかった。

「……ぅまい……うまいぞ!もっと食わせろ!」

「はいはい」

テーブルの横にある木でできた皿を取り出し、肉を次々と乗せていく「はい」と言いながら朔弥にわたす。

食べる手が止まらずあっという間に完食してしまった。


2人とも食べ終わり会計カウンターへ向かった。

「50フェイルと300ユールになります。」

「はいはーい」

ポケットから何の皮よくわからない財布を取り出し、中からコインのようなものを取り出し、カウンターに置く

コインを見ると「金」と「銀」の色をしている。

会計が終わり、外へ出る。

「この世界の金ってどんな感じなんだ?」

「そうねーまず、銅のコインは日本でいう10円みたいなもので、銀のコインは100円で、金のコインは1000円って感じかしら」

「ふーん。なるほどな」

「次行くわよ!次!」

「へいへい。どこ行くんだよ」

「黙ってついて来なさい」

言われるがままに春美についていき、お気に入りの店を回った。


夕方になり、街行く人も昼間とは異なりだいぶ減ってきている。

「そろそろ帰るかな……お名前の案内のおかげでだいぶ楽しめた」

「もーっと褒めてくれていいのよ?んー?んー?」

「はいはい凄い凄い」

「じゃあ、戻りましゃう」




********************



高台で使った魔法を使いあっという間にここと元いた世界を繋ぐ光の前に着いた。

「よし。帰るか」

「ええー」

朔弥が光の中へ一歩足を踏み、顔をくぐらせるとそこは真っ暗な闇になっており自分の世界は全く見えなかった。

「なん……だよ……これ……」

動揺を隠せない。体は硬直してしまっており、この闇へ踏み込んでしまったらと思うと恐怖で体が震える。

「田辺くん。」

クソ男と呼んでいた春美が朔弥の姓を呼ぶ

首を後ろに向け「何だ?」と答える朔弥。すると右手を彼の胸に当て、彼を中へ落とした。

「うぁぁぁあああああああああ!!!!!」

何でだよ……何でだよ……何で……そんなことするんだよ……春美っっ!」

手を伸ばすが彼女は彼を見下ろしている。

そして、朔弥が落ちつつ見た春美の表情は背筋が凍るほど不気味な笑みを浮かべていた。

春美が見えなくなり、闇の底へ落ちて行くと目の前に破片のようなものが朔弥よりも速く落下する。

なんだよ……これ……ははは……俺はハメられたのか……

彼が目にした破片には自分の住んでいる部屋の一部一部が破片となって落ちていっているのだ。

そう、ここの元いた世界とを繋ぐ境界線は引き裂かれてしまったのだ。

俺は……死ぬのか……嫌だっ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁっっっ!

涙なのか汗なのかわからない液体が髪を伝って見えない闇へ落ちて行く。

もう死ぬしかないのか……

死に争うこともできず、ただただ瞳を閉じて命の灯火が一瞬で消えるのを待つしかなかった。

落ちる感覚が消えた。



********************


「ーーーーーーぶ?」

「ーーーーじょーーー」

何者かの声が微かに聞こえる。

あぁ…天国についたのか

瞳をゆっくり開くと銀箔でできたでできた天井が目に入る

知らない天井……ここは……天国………?

「やっと目が覚めましたか……」

左に目をやると少女が立ってこちらを見下ろしている

オレンジ色の長い髪に紅蓮の瞳の少女。

「こ……ここは?」

「はい。ここは王都ルフェールにあるルフェール城の部屋です。」

「そうか……」

俺は死なずに済んだのか……多分ここは、春美ときた世界で間違いないだろう。

「君は?」

純白に飾りのようなものがあちらこちらにつけられたドレスの胸元に手を当て名乗った。

「私は、王都フェロールのルフェール時期王、キャロル・ルフグニカです。」

異世界人らしい名前だな…待てよ?春美は日本らしい名前でこの子は異世界人らしい名前……それぞれの理想で違うのか?

「なぁ……君は誰の理想で作られたんだ?」

「作られた?何を言ってるのですか?私はここで産まれここで育ちました。誰かに作られるなんてありません」

どういうことだ?ここの住人もここの世界も現実の人たちが想像して理想上の人たちを作り出したんじゃないのか!?

「どういうことだよ。ここのみんなもこの世界も別の世界の奴らの理想でできたんじゃないのか?ここの世界に住んでた1人にそう聞かされたんだが……」

「誰ですか?そんな大嘘をついた人は……」

呆れた表情を浮かべため息をつく

「つまり俺は奴にまんまとハメられたんだな…全部」

だいたい想像はつく。ここは実は皆が想像して作り出されたのは嘘で、本当は実在してて、あいつは俺の住んでいた世界に侵入し俺をこの世界に連れ込んだ。

「この世界やっぱあるのか?皆が恨む大悪党みたいなやつ」

彼女は黙ってこの部屋の机に立てかけてある写真のようかものを取り出す。

「この人は全ての世界を滅ぼそうと企み、あらゆるモノへ変身できる力を持ってる、魔神です……」

それに写っていたのは髪の色と瞳は真っ赤に染まってはいたが、まぎれもない春美の姿であった。とを繋ぐ境界線は引き裂かれてしまったのだ。

俺は……死ぬのか……嫌だっ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁっっっ!

涙なのか汗なのかわからない液体が髪を伝って見えない闇へ落ちて行く。

もう死ぬしかないのか……

死に争うこともできず、ただただ瞳を閉じて命の灯火が一瞬で消えるのを待つしかなかった。

落ちる感覚が消えた。



********************


「ーーーーーーぶ?」

「ーーーーじょーーー」

何者かの声が微かに聞こえる。

あぁ…天国についたのか

瞳をゆっくり開くと銀箔でできたでできた天井が目に入る

知らない天井……ここは……天国………?

「やっと目が覚めましたか……」

左に目をやると少女が立ってこちらを見下ろしている

オレンジ色の長い髪に紅蓮の瞳の少女。

「こ……ここは?」

「はい。ここは王都ルフェールにあるルフェール城の部屋です。」

「そうか……」

俺は死なずに済んだのか……多分ここは、春美ときた世界で間違いないだろう。

「君は?」

純白に飾りのようなものがあちらこちらにつけられたドレスの胸元に手を当て名乗った。

「私は、王都ルフェールの時期王、キャロル・ルフェールです。」

異世界人らしい名前だな…待てよ?春美は日本らしい名前でこの子は異世界人らしい名前……それぞれの理想で違うのか?

「なぁ……君は誰の理想で作られたんだ?」

「作られた?何を言ってるのですか?私はここで産まれここで育ちました。誰かに作られるなんてありません」

どういうことだ?ここの住人もここの世界も現実の人たちが想像して理想上の人たちを作り出したんじゃないのか!?

「どういうことだよ。ここのみんなもこの世界も別の世界の奴らの理想でできたんじゃないのか?ここの世界に住んでた1人にそう聞かされたんだが……」

「誰ですか?そんな大嘘をついた人は……」

呆れた表情を浮かべため息をつく

「つまり俺は奴にまんまとハメられたんだな…全部」

だいたい想像はつく。ここは実は皆が想像して作り出されたのは嘘で、本当は実在してて、あいつは俺の住んでいた世界に侵入し俺をこの世界に連れ込んだ。

「この世界やっぱあるのか?皆が恨む大悪党みたいなやつ」

彼女は黙ってこの部屋の机に立てかけてある写真のようかものを取り出す。

「この人は全ての世界を滅ぼそうと企み、あらゆるモノへ変身できる力を持ってる、魔神です……」

それに写っていたのは髪の色と瞳は真っ赤に染まってはいたが、まぎれもない春美の姿であった。

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