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第1章2 食物への冒涜

クラス一同の朔弥に向けられた

怒りながら見つめる者、クスクスと笑いながら見つめる者、中には自己紹介も聞かず机に顔を伏せ眠ってるものも居た。

おい……!あいつ自己紹介そうそう何言ってんだ!!みんなの俺への飲食が……もっと悪くなるじゃねぇか!

「っと言うのは冗談でーす。よろしくお願いしまーす!」

クラス一同ほっとしている

その後クラスの1人が拍手をし、それにつられてみんなが拍手をした。

祝福されたことに対し嬉しがっているのか、春美は笑みを浮かべている

あいつ……後で説教を……いやいやいやダメだっ!俺のために弁当作ってくれたんだっ!我慢我慢

「ごほんっ!ではー姫野はぁー田辺の隣だな」

「はーい!」

こちらへ向かってくる姫野。こちらのレッスンを一歩ずつ歩く彼女を目で追うクラスメイトたち。そして、朔弥の横の椅子に座る

「よろしくね?ク……田辺くん」

明るめの声で朔弥を見つつ笑顔で言う

おい……今クソ男って言いかけただろ……。

心の中でそうツッコんだ。

「あぁ……よろしく」

素っ気ない返事で返す朔弥

先生がパチパチと手を叩く

「はーい!ではホームルームを始めるぞー!」

ホームルームを終え先生が去ると、ゾロゾロと春美の周りにクラスメイトが集まる

あらゆる質問が飛び交う、それに淡々と笑顔で答える春美。

「ねぇ!ねぇ!なんで自己紹介であんなこと言ったの?」

と女子の1人が問いかける

「実はねぇー田辺くんが生徒手帳落としてそれを拾った私は田辺君の家に届けたの。それで友達がいなかった私は田辺君に友達になってくれってお願いして、田辺君は喜んでなってくれたのー!それで冗談半分であんなこといったのよー」

まるで真実を語るように答える春美

よかもまぁーそわか嘘が思いつくなぁー

横目で春美を見ながらそはんなことを思っていた。

「へぇーそうなんだー」

その後先生が入ってきた、集まっていた者たちは席に戻っていった。

すると肩をたたく春美

手で筒を作り朔弥の耳に近づける

「どう?どう?私の自己紹介っ……びっくりしたでしょーあんたの動揺してる顔が見られて最高だったわークソ男……いやクソ弥君」

人を小馬鹿にしたような言い草でささやく

こいつぅぅっ!!けど……ダメだっ!弁当……弁当……よし!落ち着いた

春美は筒状にしていた手を膝に戻す、クスクスと笑っているようだ。

チャイムが鳴り1限目が始まった

そして1限目が終わり春美は席を立ち上がった

「どうした?」

「トイレよ…察しなさいよクソ弥!」

少し怒った表情で答えた。

察しろも何も……ようわからんなぁー女ってのは。

教室を走って出て行った

5分ほどして春美は教室へ戻ってきた。

椅子に座る前に朔弥の足を踏んだ

電気が走るような痛みが足全体に伝わる

「痛っっ……」

「ごめんごめん!わざとじゃないのよー?」

何か……言い方がわざとやりましたーみたいなニャワンスだぞおい、つーかわざとならキレてる……いや、キレちゃダメだっ!弁当のためだっ

「お、おう…気にするな!」

2限目が終わった休み時間、今度はクラスメイトの元へ向かい何やら話をしている、そして椅子に座る前にまた足を踏んだ

「痛っって!」

「ごめん!ごめん!授業始まるのに焦っちゃってぇー」

こいつ…本当にわざとやってるだろ……だが我慢っ!

3限目が終わった後の授業開始前も足を踏んど

「ごめーーんねーー?」

我………慢……弁当の……ためだぁー!

そろそろ朔弥の怒りは頂点に達していた。拳を強く握る。顔は凄く怖いようで周囲のクラスメイトはガタガタと震えている

そして4限目が終わった。

ようやく弁当の時間だと怒りも少しずつ静まっていった

はぁ……ようやく飯だぁー……。

「さーてご飯ご飯ーー。」

歌を歌うようにそういいつつ、鞄から弁当の入っている布を取り出した

中身を開けると、ご飯やハンバーグ、野菜などが入っておりとても美味しそうである。

「俺も弁当食べるかなっとー」

鞄から弁当を取り出す。心が弾んでいた

初めて女の子が自分のために弁当を作ってくれたことに。

口元をニヤつかせながら弁当の蓋を開く。そこには

…………え?

幅の広い真四角の弁当の中央部に白くて丸い粒のようなものが1つだけ入っていた。

「あのー姫野さーん?」

「何よ食べてるんだから話しかけないでくれれ?」

食べるのを中断し、箸を置く

「これはー何かなぁー?」

朔弥は自らの弁当を指差す。正直あと少しで本気で怒るところなのだが心を落ち着かせ、質問する

「ご飯だけど?」

キョトンと不思議そうな目でこちらを見る春美

「何故一粒だけなんですかね?」

「えーーだってークソ弥くんにはこれがお似合いでしょー?」

頭の中で何かが切れる音がした気がした

椅子から勢いよく立ち上がり、春美の胸ぐらを掴む

「てめぇ……いい加減にしろよ!!俺はずっと……朝から楽しみにしてたんだぞ!!学校じゃーわざと足踏むしよー!!なめくさってんじゃねぇぞ!!あぁー!!!」

クラスは静まり返りピリピリとした空気へと一変した

「だって……あんたが朝……私の朝ご飯を……」

声を少し震わせ、涙目になる春美だが、そんなことお構えなしに朔弥は続けた

「てめぇが俺のために作ってくれたから俺は我慢して我慢して!!っっ……なのにお前はぁー!!」

手をはなし弁当を取り上げ、窓を開き春美の弁当を外へ放り投げた。

春美の方を見るとこちらを見ながらポロポロと涙を流す春美

手で顔を覆いながら教室を去っていった。

「ったく!俺は悪くねぇー…」

椅子に座り腕を組みながら貧乏ゆすりをする

クラスのみんなは朔弥を見て立ち尽くすしかできなかった。

「ね……ねぇ……田辺君に 」

横から話しかけてきたのは昨日筆箱を落とした女子だ

「んだよ!こっちはイライラしてんだっ!気安く話しかけんじゃねぇ!」

「そ……そうじゃないの!田辺君のお弁当……よく見てよ……」

そう言われ弁当をよく見ると、三層に重なっている。米粒1つが入った弁当を持ち上げると中には、ぎっしりと押し込められて入ったふりかけがパラパラとのったご飯が入っており、さらに持ち上げると

鳥の唐揚げやタコさんウィンナー、卵焼きやたくさんの野菜。自分より明らかに手間をかけて作ったのが見ただけでわかる

怒りは一気に静まり返り、冷静を取り戻ささていた

……そうか、あいつサプライズのつもりで1番上に米一粒を……。

「姫野さんはそんな酷いことはしないと思う。田辺くんに美味しい料理を本当に食べて欲しくて心を込めて作ったんだと思うよ?」

そう微笑みながら言うクラスの女子。

朔弥の足は勝手に動き教室を飛び出した。

「謝らなきゃ……」

そう朔弥は言った。決意を込めながら小さな声で

「頑張って?田辺くん……」



*******************


廊下を疾風の如く走り周りを見渡す、だが春美は見当たらない

どこだよっ!他の教室は授業してるし考えにくい……となるとっ!あいつは……そうか!

上履きのまま、外へ出る朔弥

左右の桜木に囲まれた道の少し芝生の多い場所に女性服を着た少女が座っているのが目に入った

「姫野ーー!!!」

朔弥は息を切らしながら春美の元へ駆け寄る

春美の前にはひっくり返った弁当箱とその周りには食べ物が散乱していた。

肩をビクビクとさせながら鼻をすすっている。

「はぁ……はぁ……姫野……あのな……俺っ……はぁ……ごめんっっ!」

90度頭を下げる朔弥

「お前があんなサプライズみてぇなことしてるなんて知らずに…俺…お前の弁当をっ……」

やばい……俺も涙が……

目の前がぼやけてくる

「ほんとっ………酷いクソ男なんだから……私も悪かったわよ。あんたの足わざお踏んだりして…だって!他のクラスメイトたちウザいんだもん……だからあんたに八つ当たりを……」

そういえば……あいつがトイレから帰ってくる前も、あいつがクラスメイトとはなししている時も、誰かしらが口を揃えて

「姫野さんのあの黄色い目、気持ち悪い」と言っていたのを思い出した。

頭を上げる朔弥

「お前……八つ当たりなんかしねぇで俺に一言いえよ!俺がそいつらに説教してやる!」

「本当……?」

若干声を震わせながらこちらを振り向く春美。目は真っ赤になっており相当泣いていたようである。

「任せろ!」

「ありがとう……」

春美の心にこもった言葉と満面の笑みを浮かべたその表情に

朔弥は少し胸が熱くなるのを感じた

「じゃあ……弁当のことも許してあげるわよ……私もストレートに作ればよかったんだし」

「おう、立てるか?」

手を差し伸べる朔弥。その手をぎゅっと掴み立ち上がる春美

手はとてめ小さくて柔らかく、暖かかった

そして2人は教室へ戻って行った



********************


教室へ入ると

クラスの皆が不安げな顔でこちらを見る

「みんな!怖がらせてすまなかった!」

頭を下げる朔弥、それに続けて頭を下げる春美

「心配させてごめんさい!」

数秒ほど間が空く

「気にするなー!」

「気にしないでー!」

クラスから拍手の雨が降り注いだ

すると向こうから先ほど声をかけてくれた女子がこちらへ向かってきた

「さっきはありがとうな……えっと……」

名前を思い出せないでいると

「私は山本…-山本有香…-よろしくね…-田辺君……」

頼りなさげな弱々しい口調で話している。

見た目はオレンジ色に近い茶髪に肩まで伸びたセミロングストレート、前髪を左側に少し寄せて黄色いヘアピンをしている。背丈は158センチ程度。

「あぁーよろしくな山本」

握手をする2人

「よかったじゃないのーこのこのー」

肘で突く春美

からかいながらもその表情は嬉しそうである。

俺に新たな友達が増えたというべきか?こいつはそのことに喜んでくれているのか?山本さんを友達と呼ぶのはまだ早い気もするが……いや、そもそも姫野とは昨日友達になったわけだし………あぁーー!!よくわからん!!

頭をぐるぐると回しながらそんなことを考えていた

「どうしたの?馬鹿になったの?」

人を憐れむような目でこちらを見つめる

「はいはい」

5限、6限と終わり放課後になった。






放課後になり教室には朔弥と春美、有香が残っていた。

「はぁー……終わった終わったー」

「ねぇー!ねぇー!クソ弥!」

「お前その呼び方いい加減やめろ!」

「えーっ!じゃあ、クソ野郎」

「ダメ」

「バカ弥」

「却下」

「田辺君」

「却下……あっ」

「わーー!残念だったわねー!惜しかったわねー!私の華麗なる誘導尋問にハマっちゃいましたねー!あはははあはははは!!」

机をバンバン叩きながら爆笑する春美

「うるせぇっ!」

頭をチョップする朔弥

「うふふ……2人とも面白い……」

向こうの席でこちらを見ながら有香はクスクスと笑う

「何も面白かねぇーよ…」

春美は席を立ち、教卓へ向かう。

「そんなことより2人とも!部活つくろう!!」

「「部活」」


2話の投稿遅れました。

おっと……学校名書くの忘れてました!!

竹山ヶ丘学園です。


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