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傘かさ予報  作者: 後東衣桜利


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2/2

雨の日の冷凍刺身

日曜日のある日のこと。私は専業主婦のさち子だ。朝から雨がひどく、買い物に行くのを諦め、夕食はこの前義母からもらったマグロやサーモンなどの固形の刺身を切って食べることにした。朝のうちに冷凍刺身を解凍するために冷凍庫から室内に出しておいたため、刺身は解凍されていて、包丁で切るとすぐに食べられた。高校生の息子が刺身を包丁で切ってくれたのだが、切りながら変な顔をしていた。

うちは私と息子と夫の3人暮らしで、先に私と息子がご飯と刺身で食べた。刺身は醤油とわさびでつけて食べる。その後夫も食べかけた。夫が言った。

「これ豚肉だ。」

マグロとして冷凍で送られてきた中に、豚肉が混ざっていたのだ。夫は難を逃れたが、私と息子は食べてしまっていた。

豚肉を生で食べるとかなりまずいみたいで、腹痛や病気になってしまったりするみたいだった。

外は雨。雨の音が静かにする中、私はどうするか考えた。夫は安全圏で他人事だ。私は考えた結果、今食べたものをすべてトイレに吐き出すことにした。すぐに口に手を入れて吐き出した。息子にもそれをすすめてさせた。

せっかく食べた物を吐き出すなんて嫌だったし、無理矢理吐き出した喉はしばらくの間痛かった。息子は何もネガティブなことは言わなかったが私と同じ気持ちだったと思う。

私は義母に憤りの気持ちをもった。おそらく問い詰めてもわざとじゃない、と言い逃れをするのが関の山だろう。せっかく無料で刺身をあげたのに、と被害者アピールをするだろう。夫は何も言わなかった。息子もだ。

しかし、私は義母の中にある悪意を少しだけ感じた。義母はちょっとそういうトラブルメーカー的なところがあるのだ。その後はしばらくは、送られてきた固形の怪しい刺身はレンジやフライパンでしっかり加熱することにした。


そして数ヶ月経ったある雨の日の朝のことだ。

SNSの記事で同じような内容の投稿があったのをみた。豚肉を海鮮丼に入れてこっそり食べさせようとしたというものだ。やはり、生の豚肉はかなり危険らしい。場合によっては命の危険まであるのだ。

これをみて、私は数ヶ月前のあの惨劇を思い出した。食べてすぐに吐いた結果、私も息子もお腹の方は無事だった。しかし何だかすごく耐えられなくなり、義母から再びもらっていた刺身類をそっと生ゴミ袋に入れて朝のゴミ出しに捨てに行くことにした。雨がひどいので傘をさして、近くのゴミステーションにゴミ袋を持っていく。

やはり、危険なものは食べられない。

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