カサカ姫
教室の前の席に座っているユキナが、後ろを振り向き橋元くんと話をしている。まただ。ユキナは、私が好きな人にわざと話しかける。橋元くんは眼鏡をかけて髪型も短髪で陰キャ系だが、個性的で魅力的な男子だ。
先生が来た。授業が始まる。
「橋元くんって納豆が好きなんだって」
授業の合間の休み時間に私に耳打ちしてくるユキナ。
あぁもうウンザリ。
ユキナは女として生きるタイプの女子だ。その為なら、どんな労力もいとわないプライドの高い所がある。
私?私は…
「加佐可」
廊下から私に1人の男子が話しかけてきた。
ユキナが過剰に反応してる。ユキナの本命だ。
瓜生ミツヤ。隣のクラスの不良っぽい男子だ。
「ちょっと話がある」
はいはい何?私は廊下に出た。
「姫。今日の王様との食事会に行く準備は出来ていますか?」
瓜生が私に小声で言った。
「もちろん。駅前の○○でしょ?」
「良かったです。忘れてるかと思ったので」
「忘れるわけないでしょ」
教室に戻ってきた。
「瓜生くんと何話してたの?」ユキナが私にきく。
「別に…たいした話じゃないよ」
「どんな話?」まだ食いつくユキナ。
その時に次の授業の先生が来た。私は席に戻る。
「ねぇ!何話してたの?ねぇ!!」もう声がヒステリーだ。クラスメイトも私達の方をみてる。
「瓜生くん、納豆が好きなんだって」
にっこり笑ってユキナに答える。
「!!」
私のお返しにユキナは絶句する。
自分がされたらどんな気持ちになるか、考えた方がいい。
私は加佐可ユリサ。カサカ王国の姫。カサカ王国は地球にはない。違う星から来た宇宙人だ。地球には観光に来ているようなものだ。地球人として生活している。
瓜生ミツヤは私のお付きのものだ。ユキナが恋をしているようだが、私には関係ない。
授業が終わり、帰る支度をする。外は大雨だ。私はミツヤが差し出した傘を受け取り、学校から帰る。私の後ろにもうひとつ傘を持ってきたのか、ミツヤも続く。
傘を忘れた!とその後ろで大声でユキナが騒ぐが、(ミツヤの傘に割り込む作戦だ)親切な橋元くんが、そっとユキナに自分の傘に入って一緒に帰ろうと誘ってきた。男子の誘いは断れずに、ユキナは橋元と相合傘をしていた。
私とミツヤはその隙にさっさと歩みを早め、駅前の○○へ急ぐ。父である王との食事だ。時々地球へ私の様子をみにきているのだ。




