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第8話 ~なんの冗談だよ……~

第8話登場人物名前


小泉彼方:こいずみ かなた


星野檸檬:ほしの れもん


橋本加奈:はしもと かな

俺達は渡の助言通りカラオケ店に来た。

だが、俺は個室に入った途端ここから逃げ出したくなった。なぜなら俺は歌が苦手だ。本当に苦手だからだ。


「あれ~? 顔色悪いけど、具合が悪いの?」


俺の心境を分かっている加奈が笑いながら言ってきた。


「具合が悪いから帰らせてくれないか?」


加奈がこれが嘘だと分かっていても俺は帰れる事を願って俺は嘘をついた。


「具合が悪いならほら、ここで寝ればいいよ」


加奈は椅子に座り自分の太ももの上を叩いた。

いや、あそこに座れってことなのか? 膝枕とか、加奈でも抵抗はあるんだが……。そんな事をを平然やってのける加奈は凄いなと関心した。たが、俺には膝枕なんてハードルが高すぎる。


「いや、それはちょっと遠慮しときたい。俺は休むより早く帰りたいんだ」


「え~、せっかく私と()室で()2人きりになれたのに帰っちゃうんだ? ムフフな展開もあるかも知れないのにな~」


「思春期男子に言う言葉じゃねぇよな!? ……くっ、悔しいがちょっと期待している自分がいる!」


「でも、具合が悪いんだよね? それじゃあ、今日はこれでお開きという事で」


いや、それは嫌だ。俺も男だムフフな展開が欲しい!


「あれ!? おかしいなさっきまで具合が悪かったけど急に良くなったぞ!? よし歌おう! 俺はいっぱい歌うぞ!?」


「元気になったの? 良かった~、じゃあ、歌おっか」


しかし、なんでこんなに加奈は会話の駆け引きが上手いんだ……。こいつのコミュ力なら友達が出来るのは必然的なはずなんだけどな……。

なのにいないのは加奈に問題があるのか、それとも友達を作らない理由があるのか?

しかし、いくら考えてもそんな答えは見つかるはずがない。


俺はそんなことを考えながら椅子に座った。


「じゃあ、最初は私から歌うね」


そう言い加奈が選んだ曲はかくれんぼという、俺が知らない曲だった。

そして、加奈が歌い始めると……


「いや……S級美少女は歌も上手いのか?」


マジで驚く俺。本当に世に出てもいいぐらい歌が上手い加奈。


「ふぅ~やっぱり歌うのって気持ちいいね。カロリーも消費されるし一石二鳥じゃない?」


「いや、お前もう歌手になれよ」


歌い終わった加奈に率直な意見を言った。


「まぁ、そういうところから誘われた事があるけど……自分の歌が人に聞かれるって嫌じゃない?」


「誘われた事があるのかよ!? 人に聞かれるのが嫌って……まぁ、お前が言うなら仕方がないか」


「じゃあ、今度はあんたね。早くあんたの歌声聞きたいわ~」


遂に俺の番か……よしっ! 覚悟を決め俺は歌うぞ!

俺が選ぶ曲はアンパンダちゃんという、子供でも歌える簡単な曲だ。


「えっ? その曲選でもう面白いんだけど」


俺はその言葉を無視し歌い始めた。

たが、俺が歌い始めたと同時に加奈が驚きの顔をしている。今日の花さんの驚いた顔の数倍の驚いた顔をしている。

ってかあんなに人って驚いた顔できるの!?


そして、俺は歌い終わった。


「どうだった、俺の歌は? 下手くそすぎるだろ?」


だが、加奈からは返事が返ってこない。ただの屍のようだ。


「いやいや違う違う! 生きてるから! なんで頭の中でそんなナレーションが出た! おい加奈! 生きてるだろ?」


加奈からは返事が返ってこない。ただの屍のようだ。


「いや、また頭の中で! おい、加奈! おいって」


俺は座っている加奈を揺らした。


「あっ、なになに!? ごめん超絶下手すぎで失神してた」


「いや、それはそれで悲しいな!?」


意識が戻った加奈だが、まだ、開いた口が閉じない。そんなに、下手くそだった!?


そんな事がありながら時間が過ぎ、あと10分で退室しないといけない時間になった。


「ふぅ~歌い疲れた~。これであんたもちょっとは歌上手くったでしょ。私的には上手くさせたくなかったけど」


「いや、上手くさせたくなかったって……まぁ、俺もちょっと上手くなって良かったのか分からないけどな」


少しの静寂。今日はこれで帰ることになるだろう。だから、俺は意を決して今までの気になったことを加奈に聞いてみた。


「なぁ、なんで今日俺をデートに誘ったんだ?」


「なんでデートに誘ったのか……」


考えている素振りを見せた。


「そうだね。あんたが気になったってことと……」


「こととなんだ?」


言葉が詰まった加奈。俺はそんな加奈に追求した。


「それを言う前に、私がこれからどんな事を言っても信じてくれる?」


何故そんな事を聞くのか、俺には分からない。だが、加奈はこういう状況では冗談は言わない。なら、信じるしかない。


「信じるよ信じる」


俺の強い言い方に加奈は頷いた。そして、次の瞬間加奈は俺の思いもしない言葉を言った。


「星野檸檬はもうすぐ死ぬ」


「……は?」


加奈から突然言われた言葉。その言葉は俺の思いもしない言葉だった。


「どういことだ?」


俺の驚きの顔を見た瞬間、加奈の顔は暗くなっていた。


「ごめんごめん、やっぱり今の嘘」


「嘘ってお前、なに言ってるんだよ? 冗談はよしてくれ」


「ちょっと私、気分悪いから帰るね」


「お、おい! ちょっと待てよ!」


加奈は突然帰って行ってしまった俺の言葉を無視して……。


「本当に意味が分からない」


2000文字以内で投稿するなんていつぶりかと思う犬三郎で~す。

今回はこれ以上行くと話が長くなるのでここで終わりということで。いや~檸檬が死ぬってどういうことなんでしょうね? 次の話もまた来朱に投稿します。よろしくお願いします!


by 小説家になろうで小説を投稿し始めてもう一年経ちそうな犬三郎

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