第14話 ~すいませんしたぁぁぁぁ!~
第14話登場人物名前
小泉彼方:こいずみ かなた
安野渡:やすの わたる
星野檸檬:ほしの れもん
最原健:さいはら けん
自然とあのどす黒い声は聞こえなくなった。それどころか、体も心も軽くなったような気がする。
「はぁっはぁっはぁっはぁっ!」
まずは、檸檬の家近くの公園だ。俺の家からあの公園まで歩いて45分かかる。恥ずかしい事に俺は自転車が乗れない。なので、走るしかない。
「い、居ないか……」
公園に着いたが公園には居なかった。俺は電話を取り渡に電話した。
「お、どうした小泉君よ」
電話に出た第一声がそれだった。その皮肉そうな言い方に俺は胸が痛くなった。
「悪かった。本当に申し訳ない」
ただ単純な謝り方。これで許してくれるとは思ってない。自分勝手に渡と絶好をし、また寄りを戻そうと言うのは身勝手すぎる。
だけど、今は今は檸檬のことで頭がいっぱいだ。
「何に謝ってるんだ? 小泉君?」
「俺がお前を突き放して、馬鹿みたいに落ち込んでお前を失望させた」
「その通りだ。そんなことさせて俺はお前とまた親友になれと言ってるのか?」
「親友にならなくてもいい。俺を許さなくてもいい。だけど、檸檬は見つかったか……それだけでも教えてくれ」
渡は少し黙り、喋る。
「教える代わりに、小泉券を俺にくれ。それが俺の条件だ」
小泉券。渡券と同じ効果の紙を渡せと言ってるのだろう。それを誰かに渡したら渡した奴に言われたことを出来る限りの願いを叶えるという紙。
「そんなもんで檸檬の安否が分かるのなら幾らでもくれてやる」
「分かった。檸檬さんは未だ行方不明だ。明日葉さんや、紗夜さん、連城さんも全員探してる」
絶対に携帯越しでニヤついて言っているであろう、渡にちくしょう! と思いながら、まだ、檸檬の行方が分からず焦る俺。
「分かった。俺も探す。見つかったら連……」
いつもの様に喋った俺。まだ、渡が許してくれたとは考えられない。なのに檸檬を見つけたら教えてくれるだろうか?
「見つけたら、連絡をする。お前も見つけたら連絡しろよ!」
その言葉を最後に渡は電話切った。
「クソっ! 良い奴かよ、あいつ!」
俺は自然に笑いながら走っていた。
「可愛い猫ちゃんですね。ここが貴方のお家ですか?」
檸檬は知らない場所にいた。檸檬は記憶喪失になり、帰り道も忘れてしまった。
明日葉と寄り道をしている中、野良猫が走るのを見かけそれに付いて行ってしまった。
「にゃあ~」
白色の毛に左の耳だけピンク色の猫。その、猫の顔は整っており野良猫なのが不思議なくらい可愛い猫だった。
「よしよしよし、可愛いですね~。明日葉ちゃんも構ったらどうですかって、あれ? 明日葉ちゃん?」
しゃがんでいる状態で後ろを向いた檸檬。だが、そこには誰もいない。
「あ、あれ? 明日葉ちゃんがいない?」
そこで檸檬は自分が迷子だと悟った。
「明日葉ちゃん、迷子になっちゃったんですかね~? 明日葉ちゃんは方向音痴と」
違った。明日葉が迷子だと決めつけた檸檬。心のノートに明日葉は方向音痴と決めつけた。
「う~ん、道分からないし、どうしましょうかね~」
「にゃあ~」
すると、猫は突然歩き出した。
「猫ちゃん、案内してくれるんですか?」
猫を見て、猫に付いていこうとした檸檬。だが、檸檬の後ろから声がした。
「ほ、星野さん。ひ、久しぶり」
檸檬は自分の名前を呼ばれ反射的に後ろを振り向いた。
檸檬は後ろを向くと知らない男性、1人がいた。歳は同じぐらいだと判断した檸檬。
檸檬は気軽に自分の状態を話す。
「ごめんなさい。私、記憶喪失なっちゃって……貴方の事を覚えてないんです」
「え? 記憶喪失? 何冗談言ってるんだよ。俺だよ俺最原健だよ」
「すいません。本当に覚えてないんです。前の私とどんな関係だったんですか?」
その言葉に健は戸惑った。
「ここの近くに公園があるんだけどそこに行ってベンチに座りながら喋らないか?」
たが、健は本当か嘘かそんなのはどうでもよかった。
「いいですね! 私も昔の私を知りたいですし!」
そう言うと2人は公園に歩いていった。
「ここに座ろうか」
「そうですね」
檸檬と健は公園に着き、ベンチに座った。
「それで、昔の私との関係はどうだったんですか?」
健の顔を見ながら、首を傾げ言う檸檬。
「それが、俺は星野さんの事を虐めてたんだよ」
「虐めてたって、私とケンカしてたんですか?」
「違う。一方的に虐めたんだ。俺はその時、それを正しいと思っていた。だけど……星野さんが学校に来なくなって親が泣いていて気づいたんだ。俺はやってはいけないことをやっていたんだなって」
悲痛な声で言う健。
「だから、俺は毎日、星野さんの家に通ったんだ……謝りたくて。だけど、星野さんは出てきてくれなかった。だから、記憶喪失が本当かどうかは分からないけど謝りたくて」
健はベンチを立ち、地面に頭を擦りつけながら檸檬に向かって土下座した。
「本当に……すいませんでした!!!」
その土下座は漢を語っていた。その土下座は漢の土下座だった。
「そんなに、謝ってくれるなら、本当の私は許してくれるはずですよ。だから、顔を上げてください」
優しい笑顔で言った檸檬。だが、それでも顔を上げない健。
「いいや、これだけじゃ足りねぇ! 俺は本当にやってはいけないことをしたんだ!」
大きい声で言う健。その声には感情がこもりすぎていた。
「だったら、今度は私を笑わせてください。そしたら、本当の私は許すと思いますよ」
ベンチから立ち、健の目の前でしゃがみ喋った檸檬。
「それで許してくれるならいっぱい笑わせてやる! 本当にすまなかった!」
健は頭を上げもう一度、地面に頭を擦りつけた。
その健の目には涙が浮かんでいた。
ーー数分後ーー
健はやっと土下座を止め、檸檬の隣に座った。
「質問してもいいですか?」
「ああ、俺に答えられる事ならなんでも言うぜ」
親指立てて言う健。その返答に檸檬は明るく喋った。
「人を笑顔にさせる方法って分かりますか? 今日、明日葉ちゃん達に聞いたんですが……全員、同じ答えが返ってきて困ってるんです」
明日葉達とは一緒に下校していた子だろうと一瞬で分かった健。健はこの日のために檸檬は今どういう状態なのかを把握するために毎日、毎日、動向を探っていた。その時はただのストーカーだ。
「安心したぜ勉強の事じゃなくて。そんなの馬鹿の俺でも分かる、自分で考えれば良いんだよ」
「やっぱり、皆同じ解答です。私、今日それを思って彼方君に喋ったんですけど、逆に苦しめちゃったみたいで……」
下を向いて落ち込む檸檬。
「因みに……そいつの事は好きなのか?」
「好きです! 大好きですよ!」
落ち込んでいた、檸檬は顔を上げ元気に喋った。それを見てあからさまに落ち込む健。
「くっ……そうだよな。俺が隣に立つ権利なんてないよな……」
檸檬には聞こえないような声で言う健。
「私は皆のことが大好きなんですよね。皆、優しくてくれるし、皆本当に優しくて皆、大好きなんですけど……」
その言葉を聞いて健は考えた。皆、大好きということはその彼方という奴も恋愛的には好きではなく、友達として好きなのではないかと……。
そんなことを思った健の顔は極端に明るくなった。その事を聞こうとした健は檸檬の顔を見て驚愕した。
「星野さん、なんで泣いてるんだ?」
檸檬は泣いていた。大粒の涙を流して泣いていた。その顔を見て健は困り果てた。
俺が泣かしたのか、もしくは俺と居て泣いてるのか。
もしくは俺の息が臭くて星野さんの目に染みて泣いてるのか。
もしくは俺が今、スカしっぺをしてしまって、その匂いが臭すぎて泣いてるのか。
もしくは俺のこの星野さんが好きな思いが伝わって困り果てて泣いているのか。
駄目だ、全てを考えても俺のせいじゃないか!
「なんで……泣いてるんですか?」
もう一度、なんで泣いているか聞くことにした健。もしも、俺のせいだったらまた土下座しよう。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……、やっと見つけた!」
檸檬が健の質問に答えようとした瞬間、公園の入口から聞こえた声に反応し、公園の入口を見た檸檬と健。
「彼方……君?」
檸檬は涙が目に溜まっているせいで彼方の姿を見れなかったが、服で涙を拭き彼方だと気づいた。
「あ、あれが噂の彼方君か」
彼方は檸檬達に近づいてきた。それを見た健は彼方という奴がそんにかっこよくなくて安心した。
まだ、顔は健の方がいい。たが、学力では負けるだろう。だから、今度は性格の勝負だと勝手に心で決めつけた。
「本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼方は檸檬達の目の前で土下座をした。本日2回目の土下座。健の土下座と比べてみると、健の土下座はフォームが悪くその言葉には重い重い重みがあった。言葉に魂がことってるかのような土下座。
それに比べ彼方はフォームが良く、言葉に重みがあったが、健よりは言葉は重くなかった。健の土下座はやってはいけないことを強く強く毎日毎日悔やんだ結果出た土下座。
対して彼方の土下座は悔やむ時間が少なく、言葉の重みが減ってしまった。
たが、どちらも素晴らしい土下座だ。
たが、それを見た健は呆気に取られ口を開けたまま彼方を見ていた。
「こんな馬鹿でアホでど間抜けな俺だけど許さなくてもいい許してくれなくてもいい、だけど、だけど、俺をお前の傍にいさせてくれ」
周りから見たらただの告白、たが、檸檬から見たら本物の気持ちで喋っている謝罪。
「顔を上げてください彼方君。っていうか土下座はもういいですよ」
「なに、土下座はもういいよって!?」
彼方は顔を上げ檸檬にツッコミをいれた。その彼方の姿を見て檸檬はふふふっと笑った。
「彼方君はそんなキャラ? だったんですね。毎回、私に会う度に凄く私の心が痛くなるような顔をするのでちょっと嬉しく笑っちゃいました」
檸檬が笑っている姿を見て、健は顔を赤らめた。その笑顔が本当に綺麗だったから。それと同時にさっきまで涙を流していた檸檬をこんな顔をさせる彼方を羨ましく思った。
「だったら、私と友達になってください。今の私と」
「それは勿論。っていうか俺もそうしたかった、けど……」
「なら、もう友達ですね! これでこちょこちょをいっぱい出来そうです」
そのんな檸檬に彼方は土下座から立ち、90度また顔を下げた。
「本当に申し訳なかった」
彼方の心は一瞬で折れ、一瞬で立ち直った。たが、その間の時間で彼方は成長した。
たが、それも少しの成長。まだ、彼方は自分の心の傷は完全には塞ぎきれないがこの成長は周りの人々の運命を変える成長だった。
どうも、この話に納得いってない犬三郎で~す。
すいません、納得いってない中での投稿です。ですが、今日どうしても投稿したかった。本当にこれを読んでくれた方、ほんとうに不甲斐ない話ですいません! 明日には直すので、それまた見てくださいお願いします!
あと、余談ですがこれを見ている女の子が居たら言いいたい、絶対に男子に向かってこちょこちょするなよ! デブって分かっちまうじゃねぇか!
はい……デブの私からの助言でした。
by ぶくぶく太ってきた犬三郎




