明らかにサブキャラ
「で、本当なんなんだ?」
あれから能力発症を祝ったクラスメイトにアオが囲まれたり、オレが課題を忘れたり(特に何も言われないが気になる)と結局学校では話せず朝言った通り家で話すことになった。
ちなみにココはアオの家(押入れ)だ。ジュースがおいしい。あ、能力?説明…
「あー、それね。ちょとみてて〜」
言うより見せた方が早いと思いオレは能力を発動させた。
すると、オレの目が紫色になりジュースが入ったマグカップがふわりと浮かぶ。
「え?」
しかしそれもつかの間、能力の操作が下手なオレは見事にアオのジュースをアオにぶちまけたのでした。ちゃんちゃん。
「いや、ちゃんちゃんじゃないだろ」
「え?声に出てた?」
「操作が下手な〜あたりから。バッチリと」
「ありゃ〜」
うっかりうっかり。
「てか、それはどうでもいい」
「どうでも良いのかよ?!」
割と大事だと思うが。アオ、ジュースでベトベトだし。まぁオレンジジュースだし落ちるか。オレのぶどうジュースだったらやばかったな。
「ちょっと聞くぞ」
「はいはーい」
まぁ、質問は大体予想できるけど。
「お前の名前は?」
「詩糸」
「苗字は?」
「緋乃」
「あだ名は?」
「詩を止めるの止、緋乃をヒって呼んであと糸くっつけて紫。よく考えるよね〜。オレ、初めて聞いた時驚いたわ」
「ご丁寧に由来までどうも。で、発動色は?」
「紫色」
ちなみに発動色というのは能力を使った時に目の色が変わる現象のことで、大まかには変わった目の色のことを指す。
「もう一度聞く。由来はいらない。お前のあだ名は?」
「ムラサキ!!」
「ラノベかよっっっ!!!」
アオの叫びが木霊する。うん、オレも思った。都合良くね?あだ名と発動色が被るって?
「本当それ。なに?もしかしてオレサブキャラ?モブキャラじゃない感じ?」
「ぽいな。モブキャラはあだ名すら無い」
「おっと、モブへの驚くほどの理不尽。モブだってあだ名はあるよ!…きっと」
「お前もだよ、フォローが返って可哀想だろ。まぁ、発動色は赤じゃないし、特に略奪とかチート系じゃないから主人公は無理だな。俺もお前もサブキャラだ」
「え?俺もってことは…」
「よく聞いた。見ろ」
すっ、とアオが上を指差す。そこにはバレーボールぐらいのサイズの玉が浮いており、慌ててみたアオの目は真っ青に染まっていた。
「え?ちょ、あ、まって、えーと」
焦りで変な声がでる。でもココはラノベでありがちな同じ問いをするパターン!
「親友、君の名前は?」
「月斗」
「苗字は?」
「三織」
「君のあだ名は?」
「月斗の月と三織の三、あと強引に縦棒あるある!と縦棒つけて青。俺がムラサキってつけたから対抗したにしちゃお粗末だな」
「あーあー、余計なことまでどうもありがとうございます、で、発動色は?」
「青だ」
「もっかいきくよ?由来は結構。君のあだ名は?」
「アオだ」
「ラノベかよっっっ!!」
今度はオレが叫んだ。都合いいなコンニャロ。それと同時に頭上の水がオレに降りかかる。なんかかけるとこもちゃんとやんのかよ。
「まったく…2人だけの部屋で2人ともびしょ濡れとかどこのエロ漫画だよまったく」
「いま俺も思った。なにしてくれてんだよムラサキ」
「大元はオレだが2人ともびしょ濡れを作り出したのは君だよアオ」
なんて、散々だけど2人で談笑出来るのは悪くない。それにココはアオの部屋だし。
日常とはこんなに楽しいものなんだ。
「…そうだな。いままで奪われてた分、めいいっぱい楽しもう」
オレの考えを察してかアオが声をかけてくる。だから主人公かよ。感動系のセリフやめろよ。
「君は感動系のセリフは合わないよ。サブキャラなんだから」
泣きそうになるのを隠しながらいつもどうりの軽口で、言われたとうり日常を楽しむことにする。
あぁ、もう。今日は何回アオに泣かされるんだろう。なんて、呆れちゃうよね。全く。
オレ達の日常はもう動き出しているんだから。




