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最終話となります。
いつもよりは少し長めの話になります。
忘れたわけじゃないけど
刺激のない普通の日常がもどり
普通に生活していた
テレビに偶然みかけても
世界が違うんだと割り切れるようになった
どうせ私はそんなにたいした存在じゃなかったハズ
きっぱり断ってから連絡がきたことすらない
みんながくれたCDはきいてない
どうせ新曲でしょ?
聴きたくなくても聴ける
そう思ってたのに、しばらく新曲の発表はなく
あのCDは誰にもきかれずにしまってある
1番辛いのはネックレスかな
アクセサリー店でみてもらったけど、合鍵をつくるのは不可能らしく
外すには壊すしかないらしい
だから未だにネックレスは瑠璃の首にあった
そしてみんなからのライブのチケット
別れてから半年で届かなくなった
みんなが元気ならそれでいい
電話がなる
急いで瑠璃は携帯を手にし話し始めた
「瑠璃どうだった?」
由利亜の心配そうな声
「大丈夫だよ
受かってた
由利亜ありがとね…由利亜のおかげだよ」
今日は大学入試の発表日で
目標だった大学に瑠璃は合格できた
一時成績はボロボロだったのに
支えてくれた由利亜のおかげだった
「良かったーおめでとう!!
また今度昴センパイも誘ってお祝いしよーね!」
昴にはあれからもう一度告白されて断って
今では昔みたいに普通に幼なじみに戻っていた
好きだと言われても好きになれないこともある
それを学んだ
にしても月日は早い
中3の終わり
みんなに出会ったあの日
もう3年が経過した
ピンポーン
誰だろ?
今家にはほかに誰もいない
「はいはーい今でますー」
扉をあけてそこにいたのは
「久しぶりだね瑠璃ちゃん」
「葵さん…」
さらに少し大人っぽくなっている
今やV系で1、2を争う有名バンドになって忙しいハズなのに
「良かったらさ ドライブでもどう?」
別に特に意味はないけど
ドライブに行くことにした
車を葵さんが適当に走らせる
静かな車内には 葵さん達の曲が少しうるさく流れていた
「いいんですか?
忙しいのにこんなことしてて
それに…写真でもとられたりしたら…」
サングラスが車内にあったが
有名人の様な使い方ではなく、ただ単に日よけのようだった
「瑠璃ちゃんは考えすぎだよ
あいつらも…
俺今すっぴんだから大丈夫だし
それにもし撮られても
その相手が本気なら、いつかは越えなきゃいけない壁だろ?」
「まぁ…そうかもしれませんが…
葵さんは、なにしに来たんですか?」
キキーッ
「きゃっ」
車はいきなり道路脇に停車した
葵さんが音楽をきり、こっちをむく
「わからない?
あいつらと別れたってきいたから、迎えにきたんだよ」
顔を寄せてくる葵さんを
容赦なく押し返す
「なんで今更!!
私とみんなが別れたのは2年以上前ですよ⁉」
「そうらしいな…でも俺が知ったのは最近だからさ」
え?どうして?
「言わないんだよ何も
あいつらに会う度に瑠璃のことをきいたけど俺らのだから手出すなよとか
そのくせに新曲ずっと出さなくて、やっと予定が発表された新曲は失恋ソング
おかしいだろ?」
だって…連絡してくれなかった…
そりゃ私が強く拒否したけど
全く連絡してこないし、今はもうチケットも届かない
なのに…なんで…
あんなに私みんなにひどいことしたのに…
まだ…好きでいてくれてるの?
「そんなにさ、ばれた時のこととか気にする必要あるか?
みんなの為と思ってることが、あいつらの為になるとは限らないし
まだ好きなんだろ?」
葵さん…わざわざ私達の為に…来たんだ
私達のよりを戻させるために…
「でも…もう今更好きだなんて」
「別にいいじゃんか
あいつらが受け止めてくれるなら、飛び込めば
知ってるか?
あいつら今日は大阪でライブなんだ」
いつの間にか外は夕方で
しかも走り出していた車が到着したのはうちの前だった
「よく考えろよ…意地はるとこじゃないんだ」
家に入るとリビングではお母さんが帰っていてテレビをみていた
「あらおかえり
今ね瑠璃が前に好きだって言ってた人たち出てるのよ」
テレビをみてると、そこにはみんながいて
アナウンサーの質問に答えたり
トークをしていた
「みなさんといえば
ファンの子たちの中で有名な噂があるらしいですね
確かライブの一列目の真ん中の席がいつもあいてるとか」
その質問に愁さんが笑顔で答える
「えぇ
どのライブもあけてあるんです
俺らにとって大事なこの為に」
みんなから送られてくるチケットは、いつだって一列目の真ん中だった
1番良い席を私にくれてた
チケットの届かなくなった今でも
みんなは…私のために…
「瑠璃泣いてるの?」
お母さんの心配そうな声
涙をぬぐって
「私でかけてくる!!」
リビングをあとにした
お母さんは
「いってらっしゃい」と優しく微笑んだ
軽く化粧をなおすために部屋にいくと、奥にしまったハズのCDが私の机の上にあった
もしかして…お母さん?
CDを流すと、そこに入っていたのは
新曲の失恋ソングではなかった
君がくれた思い出はいつまでも忘れない
まだ愛してるけど
君の背中を押して、夢を応援したい
いつかまた会える
そんな日を信じて
みんなは全部わかってた
あえて連絡をせず
あの日CDだけを届けてくれた
みんなの想いがつまったCDだけを
凛香さん…私達の赤い糸つながってますか?
瑠璃はすぐに家を飛び出す
チケットだってもう持ってないのに
何も考えずただ会いたくて会いたくて
ライブ会場にむかう
ライブ会場につくまでは良かったが、さすがに…息詰まる瑠璃に声をかけてくれたのは…
「こちらにどうぞ…楽屋に入れますから」
私とみんなを引き裂こうとしたマネージャーさんだった
通された楽屋にまだみんなの姿はなく
テレビをつけてくれてライブ映像がうつり
まだライブ中だとわかった
マネージャーさんはお茶をいれ
私を座らせた向かい側に座る
「あ…どうも…」
「まず貴方には謝罪したい
申し訳ありませんでした!
別れてくれて正直嬉しかったし、これでみんなが仕事に集中してくれると思った
けれど…曲はなかなか良いのが出来ないし
メンバー同士のケンカも増えて
崩壊するかと思いました
みんなの為に別れを選んでくれた貴方が
どれだけみんなを愛していたかも理解していたつもりでした
でもわかってなかった…自分がマネージャーとしてまとめれば ちゃんとみんなを導けると思ってた
瑠璃さん…みんなはどうしようもなく貴方に支えられてたんですね」
嬉しかった…マネージャーさんには申し訳ないけど
マネージャーさんは
「もう少しでライブは終わります
どうぞここで待っててください」と去っていった
認めてくれたんだ
でも…そんなことより今は
ただずっと好きだった人に会える
そんな気持ちでいっぱいいっぱいだった
胸が高鳴る
やっぱり私達の恋愛は障害が大きくて
でも好きで好きで
相手が大切で
だからこそみえなくなって
遠回りもした
そんな中で気づいた事実
君以外考えられない
ガチャッ
ドアが開きみんなが現れた瞬間
私の中の止まっていた時間が動き出した
「瑠璃…なのか?」
瑠璃はうんっと頷き
こぼれそうになる涙をぬぐいながり
みんなの胸に飛び込んだ
1人1人違うけど
どれも私が求めてた香り
「遅くなってごめんなさい…
でも私…
みんなを愛してます」
驚いていたメンバーだったが
飛び込んできた瑠璃を離すことなく
しばらく順番に抱きしめ続けたのだった
愛しの人が今ここにいることを確かめるように
「俺たちも瑠璃をずっと愛してるよ
もう二度と離さない」
〜完〜
ここまで読んでくださりありがとうございました。
私は小説家になろうさんで、この作品につかっている名前と
もう一つの名前で小説をかいています。
そして魔法のあいらんどさんにて、もう一つの名前をローマ字にした名前でかいています。
次作をどの名前で書くか
まだ決めていません。
もし他にも作品が読みたいというかたがいらっしゃいましたら、そちらもどうぞ
ここまでのお付き合い本当にありがとうございました。




