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【第二章開幕】エンド・オブ・クロニクル 〜神話へと続く旅路〜【2000PV突破】  作者: 百瀬 三月
第二章 大会編

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2-1-21 ギミック

その瞬間、人影と目が合った。

おそらくフィリアなのだろう。

それと同時に、フィリアが木々の間からピンの抜かれた爆発物らしき物を投げてきた。

「まずい!」

咄嗟に声が出る。

それと同時に片腕で振り払った。


素早く地面を転がっていく。

しかし、不幸なことにそれがキース達の方へと転がっていく。


バンッ。

破裂音と共に顔に熱風が吹きかかる。

音に反応して咄嗟に目を守るために手で覆った。

あの距離だと、どれだけ軽い爆発でも退場を免れないだろう。


しかし、いつまで経っても粉塵や破片が飛んでこない。

ゆっくりと目を開けると、そこは白い霧のようなものがかかっているだけだった。

あの爆発物は、おそらく発煙弾なのだろう。

ただあまりにも濃い煙だ。

数メートル先しか見えない。


「キース!」

煙の中で呼びかけながら、手で煙を振り払う。

「いるよ〜……」

声の発生源に向かって走った。


そこには、煙の中で地面に倒れ込むキースの姿があった。

顔中は泥まみれで、かすり傷も無数にできている。

「普通に死んだかと思ったよね……」

キースは横たわりながらも笑顔だった。

「まったく……」

その状況に頭を抱えた。

何はともあれ、キースは退場していない。


「あれ?リシアはどこに?」

さっきまでいたはずのリシアがいない。

煙で視界が遮られてるといえど、あの至近距離で発煙弾を喰らったのだ。

キースのようにその場に倒れ込むくらいしそうだ。


「あれ、煙幕が広がる直前までいたんだけどな」

視線を上にしながら答えた。

「てことは知らないってことね」

「まぁ、そうだけど」

なら、こちらもすぐに引くべきだろう。

まだ時間はある。


しかもリシアの性格を考えると、少ししたら仕掛けてくるだろう。

フィリアはわからないが、リシアに引っ張られるはず。


「じゃあ、一旦引きま——」


————


パシュッ。

彼女が言い終える前に、物陰から銃声がした。

それは顔のすぐ横を通って空を切る。

咄嗟に銃声の方へと顔を向けた。


まだ煙が晴れていないせいか、人影もうまく見えない。

ただ、銃声からしてリシアだろう。

体勢を立て直し、一気に戦闘状態にする。


やがて煙の中から顔が視認できるくらい近づいてきた。

不気味なほどに笑っているリシアが立っている。

「俺がフィリアと同時に引いたなんて一言も言ってないよ」

「二人で悠長に話してる時間なんてないと思うな」


「あ、安心して。フィリアはソウルの大量消費で休憩中」

聞いてもいないのにそう言った。

リシアはそう言っているが、それを信じる気にはなれない。


しばらくすると、リシアが銃を構えた。

「じゃ、いくよ」


言葉と同時に射撃音が聞こえる。

ある程度予想していたため、軸をずらして避けた。

その隙を逃すまいと、リシアが銃口を持って一瞬で近づいてくる。


「させない」

ラヴェンツァが前に出てきた。

リシアの前に立ち塞がっている。

「お前には興味ないんだッ!」

強行突破するように、ストック部分でラヴェンツァの脇腹を狙っている。

ラヴェンツァは一瞬で脇腹へとメイスを置いた。


その衝撃は凄まじかったのか、ラヴェンツァが少しよろける。

リシアも同じらしく、表情が一層険しくなった。


鍔迫り合いでリシアの動きが止まっている。

その隙を狙って前方にステップした。

刀を上から下に向かって斬るように動かした。


しかし、間一髪のところでリシアが上空に舞った。

そしてリシアは銃を手の中でまた回転させる。

そのままトリガーに指が吸い込まれていく。


空中で三連射してきた。

三発ともラヴェンツァが標的になっている。


ラヴェンツァも鍔迫り合いの反動を使って、後方へ一回転した。

銃弾は地面に落ちる。


リシアは空中に舞ったが、煙が濃くてどこに着地したのかがわからない。

周りを見ていると、奥の方から足音が聞こえた。

しかし、今度は姿を表さなかった。


「へぇ、やるじゃん令嬢ちゃん」

「正直舐めてた」

リシアのその発言に、ラヴェンツァが険しい表情を浮かべた。


「あんたにも真面目に向き合う」

「だから——」

「楽しもうぜ」

その声には狂気があった。

戦闘自体を楽しんでおり、まるで大会のことなど忘れているようだ。


声と同時にまた突っ込んできた。

片手には銃、もう片方には先の発煙弾と同じような形状のものが握られていた。


リシアは走りながら一発打ち込んできた。

次はラヴェンツァではなくこちらを狙ってくる。


それを刀で軽く弾いた。

リシアはそれを確認すると、すぐさま銃を回転させた。

次はストック部分で近接を仕掛けてくるようだ。


今度はこちらから仕掛けることにした。

リシアが走ってくるであろう場所に攻撃を置いた。


ガンッ。

銃と接触したようで、金属音が響き渡る。

そこにはしゃがみ込みながら攻撃を受け止めるリシアがいた。


「楽しくなってきたなァ!」

リシアがその体勢のまま、空間に叫ぶように言った。


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